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これが社会というものか。「休業協力金の交付」が白紙になる。

先日文章を書いた通り、私は「休業協力金」を頂けるとの案内を受けたこともあり、「休業」することを選びました。
しかしそれが頂けないようです。

8月頭にコールセンターで応対してくださった方の案内が「誤り」だったために、協力金は交付できない(=対象ではない)、とのこと。申し訳ないです、と。
本日、協力金の申請書について不明点があったために改めてコールセンターに問い合わせたところ、そのように告げられました。

1度目の電話確認と、そこでの「誤り」

8月頭時点での協力金コールセンターの方とのやり取りでは、まず「飲食店営業許可」を取得しているか否かがまず大きな分かれ目です、と言われました。
「飲食店営業許可」を取得していることを伝えた上で、予め交付対象かどうかの判断材料となりそうな点を伝えました。
つまり「鎌倉市の珈琲屋」で、「今年4月の開業なので比較すべき昨年の売上等がない」こと、そして「営業時間が9時〜20時である」ことです。
すると「それでも今回は緊急事態宣言の対象になったことで、そのような店舗でも休業をすれば協力金は交付されます」との回答でした。

コールセンターの方の誤りは、「酒類の提供があるか否か」という、今回の協力金の交付において明確かつ重要な規定がある点について、確認を怠ったことにあります。
私はその文言はサイト上で確認はしていましたが、それでも8月頭時点で感染状況が最悪なレベルだったために私のようなお店でも対象になるのだろうか、と念のための電話確認をしたつもりでした。
しかし酒類に関する確認がなく、頂けると応えられたので私も確認することを忘れてしまったのです。電話を切ってから、「あ、そういえば…」と思い出しましたが、そんなに重要なことをまさか確認し忘れるとも思わず、「飲食店営業許可」の取得如何で線引きしているのか、なるほど、と勝手に納得していました。「珈琲屋」とも明確に伝えているので。

協力金申請にあたって、コールセンターに2度目の電話

協力金申請書は要請(=実施)期間が終わってからサイト上にアップされ、申請期間が始まる形でした。改めて思えば、普通は「申請→承認→実施」という流れなのに、「実施→申請→承認」というのも不思議です。
申請書を確認して書き進めていくと「酒類提供をしていたけれど、休業に協力したらチェック」といった項目がありました。
「協力金が頂ける」との応えはあったが、この申請書のこの欄はチェックすべきじゃないだろうな、と思いました。しかしここをチェックしないと交付されない、という様子だったので、念の為の確認で、改めてコールセンターに電話をしました。

すると、上記のような返答を頂いたわけです。
すなわち「以前の案内が誤り」で「協力金は交付できない」ので「申し訳ありません」と。

コールセンターの方では決定権、協力金に関する差配は出来ないのだろうな、と想像はついたので、コールセンターを管轄している部署、もしくは協力金の交付に直接関わっている部署を伺ったところ、神奈川県の「産業労働局中小企業部中小企業支援課」を紹介されました。

県の産業労働局中小企業支援課へ

こちらでも簡潔に経緯を説明したところ、「状況を確認した後に、担当の者から電話させます。今日中に連絡できないかもしれませんが」と言われ、一旦電話を切りました。
するとたった30分ほどすると、別の方からお電話があり、回答は「全面的に誤りは認めます。損失補償はしません。ごめんなさい。」です。

一般社会において、これほどの損失(24営業日分の売上)を相手方の非によって被ったのに、「悪かった!謝る!何もしないけど!」って…。
こんなことがあり得るのですか。
これが社会というものですか。
正直者が馬鹿を見る、というわけですか。

ちなみに私は産業労働局の最初の電話口の方に「この様子では協力金は交付されないだろう」と思い、全く納得がいかなかったので、相手の方にこうお伝えしました。

せめて、1回目の応対された方を確認して、直接私に謝罪をすべきではないですか
これはとても重大な誤りです
私はまだ開業をしたばかりで多少は売上がないことも想定できたタイミングなので耐えられる余力があります
しかし中小の事業者や個人事業主が同じような状況に陥ったら人生を左右する可能性のあるとてもとても重大な誤りです
それを本人にしっかりわかってもらわなければならないのではないですか
私もこのままでは心が収まりません

すると電話口の方は
「個人情報がありますので直接はお話できません」
「コールセンターは神奈川県が委託でお願いしておりますので、責任は神奈川県にあります」
「謝罪します。申し訳ありませんでした」
と。

別に誤ったその方を特定して報復をしようというわけでもなく、ただ直接の詫びを入れるべきほどの重大な事柄だと思ったのですが。
本人から直接の謝罪も得ることなく、一円にもならない謝罪の言葉を聞いて「それは仕方ありませんね」と納得できるはずもなく。

「休業」して「協力金」があれば?所詮はお金?

このようなことが、社会にはきっとそこかしこに溢れているのでしょうね。
私はこの件に関して、神奈川県の対応が正しいものとは思えません。
「お金が欲しい」という単純な話ではなく、「筋が通らない」でしょう。
一般企業であればこんな対応はありえないと思います。
こんな状況だからしょうがない、のかもしれません。
しかしそれは後になって誰かが「責任を負う覚悟」があって、初めて許される状態ではないでしょうか。

ひとつ前の投稿にも書きましたが、「協力金」が貰えるから「休めるわー」「ラッキー」など全く思っていなかった。そうとだけ思えれば、むしろ楽なものでした。
お店を営業する、ということはそんな薄っぺらい感覚ではないのです。
もっと長く長くやっていれば慣れが生まれてそのようになっていく人もいるのかもしれませんが、私はまだ半年も経たない青二才なので青臭いことも考えるわけです。
営業することによってお店を求めてくださる方に応えたいと思うし、このような状況だからこそ他でもない当店を求めてくださる方の思いも知っているし、それらを知った上で「お断り」をして、休業に踏み切ったのです。
開業して丸3ヶ月と少しでした。
ようやくライフサイクルも慣れを感じ、お客さんも日常的にいらっしゃる方を認識できるようになった頃。
そのタイミングでの休業。
私はそれらを考慮しながらも協力金を頂くということを選びました。
金銭的なもののみならず、失ったものはとても大きい気がしています。
それをあろうことか、「誤りだった、ごめんなさい」と。それで納得しろ、と。
「泣き寝入り」という状況になります。
もう私にできることはありません。
裁判くらいでしょうか。笑

「所詮はお金」というのは当たらずとも遠からず、と思います。
これはとある物語の受け売りですが、「法治国家において不誠実や理不尽に一矢報い対抗する手段は「お金」である」と。もちろん合法的に。
いざこのような立場になってみると、間違ってはいないと思います。
それで万事解決、などとはいかないでしょうが、言葉で謝罪すれば許されるならば警察はいらないし裁判所も必要ないでしょう。
最も合理的で平和的なのは、お金なのかもしれません。

糧にします

私はまだたったの31歳。
社会経験の浅い若輩者につき、このような理不尽はあまり経験がありませんでした。
こういったことは、社会で普通に起こっているのでしょうか。
ニュースや、ドラマや映画なんかを見ているともっと壮絶な事件が普通に起こっているので、わかりませんが私のこの件などきっとつまらないことなのでしょうけど。
この件については、大きな大きな人生経験とさせて頂きます。
社会ではこのような理不尽が起こる、と。
無力ですね。
そして無情です。

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