つづみこ

水俣で甘夏を作っています!思うことをだらだら書いても許される場所を探していたら、not…

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水俣で甘夏を作っています!思うことをだらだら書いても許される場所を探していたら、noteにたどりつきました。 人のnoteをのぞくのもすきなので「こんなことを書いているよ」と声をかけて下さい。

最近の記事

山幸さん

「あの時代を振り返ったときに、どっかね、マズかったなっていう恥じらいがないと、あの時代は語れませんよ」。 山本さんの言う「あの時代」とは、熊大の学生だった頃のことを指す。 学生運動に身を投じ、その中で抱いた疑問や嫌悪感。 その反省は、意識的に水俣との距離を取らせた。 水俣に寄せる気持ちはもちろんある。 けれど、入り込むまいと、どこかでブレーキをかけていた。 「学生運動が終わった時に、もう運動体には入らないって、そういう気持ちがあって。なかなか(水俣の運動には)近づかなかっ

    • 水俣病

      「お前も水俣病なの?(笑)」 学生の頃、水俣出身だと言ったら、先輩(イケメン)から半笑いで言われた。 「そんなわけないじゃないですか〜☆」 語尾に☆をつけて、笑いながら返した。 心の中では「イケメンだけど人間としてはクソだな」と思っていた。 (先輩ごめんなさい〜☆) 「熊本のどこから来たの?」 「水俣です」 こう答えるのに、一瞬ためらったり、ドキッとするのは、 県外に出た水俣出身者の誰もが経験することなのではないだろうか。 なぜならそのあとに「聞いて悪かったな」的な空気に

      • 高倉史朗

        ちょっといい感じで酔ってきましたので、少し話があっち行ったりこっち行ったりするかもしれませんが。 鼓子の父親の高倉史朗と言います。よろしくお願いします。 今日はお集まり頂きましてありがとうございます。 このハルさんの家はですね、僕が水俣に来てすぐに、当時相思社の世話人をやっていた柳田耕一が連れて来てくれたんですよ。 何軒か回りましたけど、もしかしたら一番最初に来たのがハルさんの家だったかもしれない。 当時、相思社はですね、黄土色のカローラを一台持っていて。 そこに「水俣病セ

        • 証言

          「はい、終わりました。ご苦労様でした。」 裁判長の言葉で閉廷しかけたその時、 「裁判長、お願いがあります」 尋問を終えた証人が、堰を切ったように話し始めた。 「魚をなぜ食べたのかというけれど、国や県が食べるなと言ったら、漁民も食べなかったわけです。でも国や県は言わなかった。それは魚を食べていいと言っているのと一緒です。これを、裁判長には…お願いしたいです」 普段は口下手だという86歳の元漁師は、一気に言った。 傍聴席から拍手が沸き起こる。 「はい、終わりました」 裁判長は繰り

          家をもらう

          家をもらった。 こんなことになるとは露ほども思っていなかったので、驚いている。 ちょっと前の私に「家をもらうことになるよ」と言ったら、たぶん 「やめてよ…!」と怯えただろう。 たしかに、私は家を探していた。 湯の鶴から引越しをしなければと思っていて、でも見つからず、半分諦めていた。 そこに「家、あるよ。月浦に」と声がかかった。 引越すなら月浦と決めていたので、わーい!と喜んだら、 家をもらうことが条件だった。 一回、断った(笑) だけどやっぱり気になって、もう一度家を見

          家をもらう

          高速謝罪

          がちゆんの国仲瞬さんhttps://gachiyun.co.jp のお話にとても刺激を受けたテンションで感想を書いてみようと思ったら、長いうえに気持ち悪い文章になったので最初に謝っておきたい。 だらだらと長いのはいつものことですが、すみません。 熊本学園大の公開講座に参加した。 水俣ではたまに、すごい人が来る講座が無料で聞けたりするので、住んでいて幸運だなと思う事がある。 第一回は沖縄から。 修学旅行生や沖縄県内の学生に向けた平和学習プログラムを提供する会社、「がち」で「ゆ

          高速謝罪

          ともにいきる

          法律のことなどまるでわからない私が、読んでいる条文がある。 2009年に国が成立させた 『水俣病被害者の救済及び水俣病問題の解決に関する特別措置法』 (以下、特措法)の条文だ。 わたしは特措法を以下のように認識している。 ・水俣病患者と認定はできないが、水俣病被害者として救済する。 被害者と認められると一時金210万円がチッソによって支払われ、医療費を国と県が負担する。(ちなみに認定患者の一時金は1600〜1800万円) ・チッソは補償のためだけに存在する会社になる。経

          ともにいきる

          わからなさ

          友だちに「お前はカカロットだ!」と言われたことがある。 「わたしはベジータだからわかる!」と。 ドラゴンボールど真ん中世代でありながら、カカロットを知らなかった私は 「そうか…」としか言いようがなかった。 よく道に迷う。 たいてい、自分が「こっちだ」と思う方向の反対が正解だ。 だとすれば直感の反対を選べば良いのに、まだ自分を諦めきれない。 そして迷う。あげく、遅れる。にやにや笑って謝る。 人との距離がうまくはかれない。 「つーちゃんのプライベートゾーンはおかしい」と、話す

          わからなさ

          甘夏事件

          「さぁ、もういっぺん生き直し!」 水俣からの通信が、こんな不祥事への謝罪で始まらなければならないことを恥ずかしく思います。しかし、僕にとってはいまここが出発点です。 89年春、水俣病センター相思社は例年のように甘夏みかんの販売に取り組んでいました。 しかし、水俣病患者家庭果樹同志会の生産量が注文量に大幅に不足したため、会員基準以上の農薬を使った甘夏も買い集めたのです。 その多くについては、消費者に私達の基準以上の農薬が使用されていることをお知らせしたものの、きわめて杜撰なこ

          甘夏事件

          田園圧力

          勝目さんが田起こしを始めると、一斉にまわりの田んぼが動き出す。 (#湯の鶴あるある) ついこの間まで蓮花で埋め尽くされていた田んぼに、 ひとつまたひとつと水が張られ、休日があけると整然と苗が植わっている。 このスピード感たるや。 皆すごいなあ〜いつの間に、とぼんやり眺めつつ、 今年はちょいと切ない気持ちです。 ぱっとしない梅雨入りとともに、ぱっとしない高倉は、 今年の田んぼ作りを諦めることにしました。 三宅夫妻がせっかくチェーンソーで道を開いてくれたのになあ…… ごめんなさ

          田園圧力