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【徒然】月に惹かれるあなたは月族かもしれません

いつも思わず月を探してしまうことってあるでしょ?
振り仰ぐと、そこに月がいた。
ね、そんなこと、しょっちゅうあるはず。
悲しい時や苦しい時、ふと月にお願いをした経験ってなかった?
お月様に打ち明けたり、相談をしたことは?
月に帰りたいと思うことは?
月を見上げていると、涙が出てきたことは?
たくさん泣いたはずだ。月を見上げながら……。
そういう人は月の民の末裔である可能性が高いんだよ。

小学館文庫『月族1 プラリネの物語』作:今村恭子

なるほど、そうだったのか。

と、真剣に納得したりはしなかったけど、『月族』の中で月族の末裔を名乗る青年 飛鳥がヒロインの薬子に語った月族の物語には、とても惹かれるものがありました。

太陽を見上げることはないけれど月はいつも見上げる。

満ち欠けがなんとなく気になる。

雲の向こうにあってもその光が滲んでいるだけで嬉しくなる。

私の名前には「明」という字が入っていて、この漢字も月由来。だからとっても月には親しみを感じます。

『月族』を読む前からそんな子で、今でも月が見えたら嬉しい大人なので、この小説は今も大事に持っています。


月と日本人の関係はいつから始まったんだろう、と物思いにふけることがあります。

記紀神話の中の月読命はそれほど重要な存在として描かれていませんが、この頃から月は神様の仲間だったらしい。竹取物語ではかぐや姫の故郷、つまり異世界の象徴で、物語の中ではなかなか重要な存在です。
やっぱり、きっとこういう時代から月は特別だったんだ。

でも、蘇りや異世界との繋がりなど、不思議な力があるように思えたのも無理はない気がします。

ほかの星とは明らかに違った大きさに見えるし(そもそもはじめは〝星〟とは思っていなかったかも)、毎日形を変えていくし、太陽ほどではないにしろ本来なら人間が活動出来ない夜をあんなに明るく照らしてくれるのですから。

人間は月に行ったこともあればこれからまた行く計画もある。一方で占星術の中では自分の内面の象徴としていろんな意味を持ちます。
人が降り立てる大地の一つでありながら、人の内面を顕す鑑でもあるなんて、ちぐはぐで不思議で、やっぱり人間は月のことを考えずにはいられないんだなぁと思います。

昨夜は十五夜を前にした明るい月が窓から見え、眩しくて目が離せなくて、結局月が山の向こうに隠れるまで寝転がったまま見上げてしまっていました。

そういうことがあると『月族』の一節をいつも思い出してしまう。

私も月族だからなぁ、と(笑)


今日の十五夜を空に探す月族はどれくらいいるでしょうか。

私はもうお菓子も用意しているよ。団子の代わりに月みたいに黄色くて丸いレモンマフィンです。
予報は微妙だけど、雨が降らなければ外へ出て食べようと思っています。

月が雲の向こうにいてくれるだけでも嬉しくなるからね。
そういう月族仲間がたくさんいることを願って、夜が来るのを楽しみにしています。

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