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ビッグバンドのリハに行ってきた
ジャムセッションで出会ったばかりのサックス奏者に頼まれて「リハトラ」してきた。トラ。こっちではsubと言う。substitute、つまり代役。なんで日本だとトラというのか未だに不思議。エキストラのトラらしいけど、映像業界のエキストラのように背景を務めるのとは役目が違うし。謎。
テナーサックスとフルートを持って言われた場所へ。Local 802、つまりニューヨークの音楽組合がリハーサル会場。Local 802と言えば、アーティストビザを取ったことがある人なら聞き覚えがあるはず。業界団体の許可を取って外国人アーティストを招聘するというあの段取りの「業界団体」にあたるのがLocal 802。僕は今アーティストビザ3回目だから、過去に3回はここのお許しをもらってアメリカに居させてもらってることになる。しかし、その団体の建物に入るのは今回が初めて。
ビッグバンド演奏は久しぶりだったし、しかもテナーとフルートでやるのは初めてだったから新鮮な体験だった。この歳で初体験なことがまだあるって恵まれてるなあと。
僕の強みは音色が良いことと、曲を沢山知っていることと、個性的なインプロだから、特に譜読みの早さと正確さが必要とされるビッグバンドでは他のバンドメンバーの迷惑にならないように努めるのがやっとだったけど、一曲だけソロを担当する曲があって、そこではっちゃけられたのは楽しかった。
リハ全体での自己採点は65点。客観的にはもっと低いかも。元々乱視が強くて五線もダブって見えるので初見能力には大分昔に見切りをつけていて、以来、記憶力と音色を強化する方にリソースを集中しているので、ビッグバンドの世界にプロとして入り込めるとも思っていないけど、管楽器アンサンブルのあのサウンドする感じは好きだなと思った。特にボイシングにおけるテナーのポジションが。昔は3rdアルトだったから余り夢中にならずに直ぐやめちゃったけど、テナーでならもっとやってみたいかも。
サックスセクションの人達は皆、僕より遥かに若手でめちゃくちゃ上手かった。若い才能が溢れてる中で自分はダメだなあと思う反面、井の中の蛙にだけはなるまいと一番レベルの高い場所で少しでも自己ベストを更新しようと頑張っている証拠でもあるよなと慰めたりもして。
あくまでリハのsubだったのでギグ本番は僕は出ないけど、有能な人達とお近づきになれて、自分さえ腕を磨けばまた一緒にやってくれるチャンスもあるかもしれないと良い刺激になりました。
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