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MTG①単色アグロデッキのすすめ

マジック・ザ・ギャザリング(Magic The Gathering:MTG)は25年前の中学生時代にドハマリし、朝から晩まで友人たちとプレイしていました。昨年末にMTGアリーナというPCゲームを知り、再び戦場に戻ることになりました。今の所ランクで言うとちょうど偏差値50あたりをウロウロしています。そこまで上手いプレイヤーだとは思いません。しかしながら「中学校のときにこんなこと知っていれば」ということも多かったので、それを踏まえて記事を書いてみたいと思います。

この記事はMTGプレイヤーで、基礎ルールを把握している人向けです。

1.入門するならアグロデッキがオススメ

アグロデッキとは「アグレッシブ」由来のスラングのようで、クリーチャーでアグレッシブに攻めきる戦略です。いわゆる「勝ち切る戦略」です。反対に「負けない戦略」を取る場合、そのデッキは「コントロール」と呼ばれることがあります。クリーチャーでアグレッシブに攻めるタイプのデッキは初心者に多いですが、色々と初心者に都合が良いことが多いです。私も完全にアグロユーザーです。私のデッキをお見せします。

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黒の単色でクリーチャー22枚に、クリーチャー強化が5枚、クリーチャー除去が8枚入っています。4マナ以上のカードがないので土地の枚数は23枚にしています。典型的なアグロデッキです。このような軽量アグロデッキは「ウイニー」とも呼ばれます。

私の勝ち筋は、1ターン目で「チフス鼠」、2ターン目に「スカイクレイブの影」、3ターン目に「マルドゥの先導」、4ターン目にマルドゥの先導に「悪魔の抱擁」をエンチャント。これで2回アタックすれば最速5ターンで勝つことができます。そのあたりの解説も行います。

2.確率と戦略からデッキの構造を考えよう

デッキ構築する際に「どのようなデッキにするか」をある程度考えます。アグロデッキの場合は「勝ち切る(ライフ20減らす)」が目標になります。さらに私のような軽量デッキの場合「最短で勝ち切る」が至上命題となります。

このような戦略を実現する時、まずは望ましい効果が得られるカードを高い確率で引く必要があります。なので基本的には同じカードを4枚入れます。そこで「60枚のデッキ」をから、4枚ごとに区分を考えます。理想的には60÷4=15ブロックのカード種類が内蔵されることになります。

それに加えて土地も適正に入れます。土地は一般的に「60枚デッキなら24枚入れる」と言われています。4枚1ブロックの単位で見ると6ブロック使っています。確率的には6/15です。最初に手札7枚引きますので、その中に2.8枚入る計算です。多くの場合は3枚引けます。さらにこの確率(1/2.8)であれば手札の土地を3枚出す間にもう一枚引けます。5回ドローの間に6割くらいの確率で5枚目の土地も手に入るでしょう。半分以上の確率で5ターン5マナが実現できる有効な数字です。5マナ以上のコストを持つデッキであれば、これくらいの土地が必要なのは納得できると思います。

逆にクリーチャーやその他はデッキの9/15に相当する部分を担います。9のうち6に相当する24枚程度がクリーチャー、12枚がその他のカードであればアグロデッキとしては十分なバランスと考えます。土地以外で2/3の確率でクリーチャー、1/3の確率で補助だからです。

3.クリーチャーの攻撃で最速勝利を目指すために

理想的なモデルを考えます。毎ターン1枚土地を出して、各ターンにマナを使い切りマナ数と同じパワーを持つクリーチャーを召喚します。そして毎ターンダメージを与えて全てが通るとします。何ターン目でライフ20を削ることが出来るでしょうか。

答えは5ターン目です。

2ターン目以降「1, 1+2=3, 1+2+3=6, 1+2+3+4=10」と増え、累積ダメージは「1, 4, 10, 20」このように増えるからです。マナとカードの強さのコスパを考えると、5ターンが平均して最速であると考えられます。

しかしこれでは上手く行かないです。相手が対応するからです。そこでいくつか手段を考えましょう。

1.エンチャントによる最大値ダメージの保護と確保。パワー強化に加え、飛行や能力で攻撃通過率を高める。

2.クリーチャー除去で防御クリーチャーを除去し、こちらの攻撃を通過させる。

3.ダメージ源の分散。2マナ時に1, 1、3マナ時に1, 2、4マナ時に2, 2とクリーチャーを分散する。

先に述べた勝ち筋のパターンで5ターン目で勝利できた場合、マナ火力を使い切ったと言えます。クリーチャーを出す代わりにエンチャントでダメージ速度を上げています。

1番は特にショックなど赤呪文を使うデッキに有効です。2番は、除去を使う対象に気をつけましょう(無駄撃ちしないように)。3番は、相手がクリーチャー除去や「手札に戻す」などバウンスさせる相手への対応として有効です。分散すると残る可能性もありますし、相手の除去呪文を消費させられます。

クリーチャーによる攻撃は順調にキャストできれば加速度的に伸びます。これこそがアグロデッキ最大の魅力です。逆にインスタントやソーサリーで直接ダメージを与えるデッキでは、そうも行きません。毎ターンマナ数に応じたダメージが与えられるとすると「1, 2, 3, 4, 5, 6」と6ターン目に20を超えます。しかし防御クリーチャーは出せませんし相手のクリーチャー除去に火力を使わざるを得ません。また4ターン目以降の4,5,6ダメージ達成は複数手札が必要になります。

また毎ターンクリーチャーが1体だけでも攻撃が通過し、順調にエンチャントなどで攻撃力を伸ばせさえすれば6ターン前後で勝利することも可能です。

逆に5ターン未満で勝利は可能か?という疑問もあります。可能ではあると思いますが平均的ではないため、デッキ構築がイビツになる可能性があります。100回戦って多くの場合でそれができないのであれば、狙うのはオススメできません。

次回は高速アグロに見る土地の重要性と「先手必勝の定理」などゲーム理論についてご説明します。

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