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人生に乾杯 35(もう少し若ければ...)

安宅和人さんの「シン・ニホン」(NewsPickパブリッシング社、2020年)を読み始めた(写真下)。家族と雑事を話していて「さっきその話してたじゃん」と同居する妻や子どもらから叱られるのを避けようと、また、脳腫瘍になった頭を少しでも老化から遠ざけようと、さらには自分の仕事を少しでも前に、などなど思ってのことだ。「さっきその話してたじゃん」で言えば、脳腫瘍の後遺症か、肺に大腸がん転移腫瘍があるからなのかとか、いろいろ気にすればキリがない。抗がん剤点滴(直近は6月16日ー19日、辛いのは翌月曜日くらいまで続く)があったりすると、体のあちこちが不快になるので余計気になる。

シン・ニホン

安宅さんの本に戻る。内容はすこぶる面白く、下手なノンフィクションより自分が嬉々としていて、かつ新しい知識の吸収が脳の中でグルグルと起きているのを感じる。中には、しかし、職業人としての僕には刺激的な表現が出てくる。一つ、かなりショックなフレーズがあった。それは「情報」についてだ。

若い人の方が知識が少ない分、吸収が早いが、齢を重ねた人は「集め過ぎ」「知り過ぎ」で進歩が限られる(P183)というのだ。グラフをイメージした時に、横軸を年齢、縦軸に知識量を取ると、年齢を重ねるごとに「ロングテール」に自分が移行していくということらしい(「ロングテール」の使い方、合ってるかな?)。うーん。

それに比べると、自分の子どもたちの可塑性の高いこと高いこと。特に小6の息子は、最初はあれだけ嫌々行っていた週2回の塾通いも、最近は「勉強面白い」と言い出し、この春に合格した姉の高校と同じ付属の私立中学を受ける気満々。もちろん、妻の誘導あってのこと。自分が在宅勤務(「主夫」とも言う)なので、彼が学校から帰ると僕が家で迎えるのだが、側で見ていて彼の変化にただただ驚くばかり。

自分も息子みたいになったらいいのに。あ、それが「若いころに戻りたい」という気持ちなのか。

(冒頭の写真は、息子が使っているランドセル。ランドセルは日本特有で、帰国した時は少々戸惑っていたらしい息子も、今ではナイキのマークが気に入って使っている。シンガポールからの知り合いで、今は帰国して件の私立学校に通う中2の男の子からのお下がり。続く。)