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僕とファイターズ①

◆杉谷拳士との出会い


子どものころから野球が嫌いだった。

野球やってるやつ、なんかイキっててウザいし、
観戦したらしたで長いし、3時間見て0-0とかもあるし、
何が面白いんだかわからなかった。

所沢で生まれ育ち、駅出てすぐの商店街:プロぺ通りでは
いつだって西武ライオンズの歌が流れてた。
街全体がライオンズカラーだから、好きになったら楽しいだろなと思って
何度も好きになろうと思った。けどなんかダメだった。


そんな僕が2023年、急に野球、しかも縁も所縁もない
北海道日本ハムファイターズを好きになった。あまりにも突然に。
今では試合結果に一喜一憂する毎日。
前半好調だったのに、一時的に5位まで落ちて本当に苦しかったよ!!


それもこれも全部、ある選手、正しくは元選手のせい(おかげ)だ。




杉谷拳士。



野球に興味がない人でも知ってる人が多いのではないだろうか。
かくいう僕もその一人だった。



僕は群馬県生まれで、斎藤佑樹と同郷だ。
だから野球に興味はなくとも、斎藤佑樹のことは何となく応援していた。
なかなか成績が伴わず、笑いもの的に扱われているのも知っていた。


そんな斎藤佑樹が、2022年に引退した。
うわ、とうとう引退したのか。まあだいぶ厳しそうだったもんな。
そんなことを思いながらテレビを見ていたら、
先輩の門出を祝うために2軍の選手たちが「勇気100%」を歌う映像が流れた。
その中心にいたのが杉谷拳士だった。


最初の印象は「良い人なんだろうな」だった。
本当に余計なお世話だけど、成績が伴わない斎藤佑樹がチームの中で
どんな風に思われてるのか勝手に心配していたから、
斎藤佑樹を心から慕っていそうな杉谷の姿に、「ありがとう」と思った。

それから少しだけYouTubeで杉谷のことを調べた。
出てくるのは活躍したシーンより、いわゆる珍プレーというか、
なんか面白いシーンばかり。いじられキャラなんだなと知った。

それでもそこから追いかけることはなく、その時は存在を知っただけで終わった。
そして翌年、今度は杉谷が引退した。
ええ!?杉谷も!?驚いた。
そしてまたテレビで引退の映像を見る。
涙を必死にこらえて会見に臨む姿。
また「引退」ではなく「前進」と銘打った前向きな姿。

ちょうどその時、自分も転職して、新たな一歩を踏み出していたから、
勝手に自分自身と重ねて胸を打たれた。自分も頑張ろう!と思った。


それから数か月、WBCもあり、それまでと比べると少し野球に興味は沸いたが、それでもハマるということはなく、あくまで杉谷拳士単体のファンだった。
だから杉谷がインタビューに臨む姿、会見で笑いを取る姿を嬉しく見ていた。


そしてWBC後、杉谷が住宅展示場のイベントに登壇することを知った。
転職後の仕事がかなりの激務で正直かなり気分が落ち込んでいた僕は、
生の杉谷を見て元気をもらいたいなと思い、早起きしてそのイベントに向かった。



到着したのは10分前くらい。
やばい…ギリギリだ…もう人いっぱいだろうな…そもそも会場入れるかな…。
そんな不安を抱えながら会場入りしたところ、
40席くらいあるパイプ椅子がまだ埋まっていなかった。
肩透かしを食らったが、真ん中あたりに座れてラッキーだった。
ただ、杉谷が残念がるのでは…というところが気になった。


そして待つこと10分。満を持して杉谷が登場!
何とか席は埋まったものの、100名未満のまばらな拍手に迎えられ
颯爽と登場する杉谷。そして最初の一言。


「いやーーー!盛り上がってますねーー!!!!」


全身に電撃が走った。
人数の少なさに触れない自虐。
一言で一気に会場を笑いに包むサービス精神。


杉谷のファンだったのが、大大大ファンになった瞬間だった。
そしていよいよ始まったイベント。
僕としては、野球には興味はないけど杉谷は好き。
そんなスタンスだったから、引退後、今どんなことを前向きに頑張っているのか、そんな話を聞きたいと思っていた。
しかしWBC直後だったこともあり、話は野球中心。

正直少し残念だった。
ただ、大好きな杉谷がそんなに面白そうに話すってことは、
ひょっとして野球って面白いのだろうか?と、
過去一番野球に興味を持った。

杉谷がそんなに言うなら…
そんな風に、そこで初めて北海道日本ハムファイターズを調べ始めた。

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