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自伐型林業と山主

言葉の意味がわからない時にネットで検索する時、どの様な言葉を検索窓に入力するでしょうか。僕は単語の最後に「とは」と付けて検索して見るのが第1歩です。「津和野ヤモリーズが推進するのは、津和野自伐型林業です」と何かしらで見つけたら、津和野は街の名前ですので後でWikipediaでも見るとして、「自伐型林業とは」と入力するわけです。

実際に自伐型林業とはと調べれば、自伐型林業推進協会のホームページが最初に見つかります。都合がいいことに、「自伐型林業とは」という項目もありました。


自伐型林業(じばつがたりんぎょう)とは、採算性と環境保全を高い次元で両立する持続的森林経営です。参入障壁が非常に低く、幅広い就労を実現します。今、国土の7割を占める山林を活用する「地方創生の鍵」として期待され、全国各地で広がっています。

残念ながら求める答えには行き着きませんでした。自伐型林業推進協会の求める林業像は理解できますが、自伐型という言葉との関連性が不明です。ページをさらに読んでいくと自伐型の特性が示されています。ざっと羅列しますと
「幅広い就労機会、原稿林業比10倍の就業者創出力、500万円程度の低投資、環境保全型林業、自家伐採と小規模機械で低コスト、択伐施行で長期的な森林経営を展開」と示されています。これが自伐型という言葉とどう繋がるのでしょうか。

では自伐型という言葉を分解して考えてみます。「自伐」と「型」の単語に分けられますが、ここでいう「型」は〜を模したといった意味で捉えて差し支えないと思われます。ネコ型ロボットと同じ使い方ですね。なぜ模する必要があるかと言えば、自伐林家+αを対象とする為に概念を拡張しているのではないでしょうか。実際に協会は自伐林家だけでなく、山林を所有しない者の支援も行っています。

であれば、上で羅列した特性が協会の考える自伐の在り方であり、これを自己所有山林のない人も対象にしようというのが、自伐型林業の意味なのでしょう。

さて、ここで気になるのは山を持たない自伐型林業を行いたい者と自伐ではない山主との関係です。これは、津和野ヤモリーズと山主の関係にも繋がります。上で見た自伐型林業の特性を山主がどう捉えるかということです。特性のうち山主に関わると思われるのは、環境保全と択伐による長期経営の2つが主だと思います。この2つは所有者にとってメリットでしょうか?

環境保全について所有山林の環境の保全を求めますかと直接聞いて、求めないと答える人は少ないかもしれませんが、択伐による長期経営はどうでしょうか。林業に対する希望の薄い昨今に長期的に木を育てたいと思う人がどれだけいるのでしょうか。
これらを求めなければ、皆伐して手元にいくらかお金が戻って、あとは天然更新といったことを求めても仕方がないのだと思います。今全国で盛んに行われていることです。

我々はこの問題に立ち向かって行かなければなりません。長期的経営で木を育てることで、山主に金銭の還元が十分に出来る時代は来ます。ただし、この時期は次かその次の世代になってしまう可能性が高いです。
また、他にも問題があります。長期経営を請け負うということは、長期間任せられるだけの信頼を得るということです。我々で言うのであれば、林業を初めて間もない素人にというおまけ付きです。

伐採の請け負い業はこれらの問題を払拭します。返すお金を見積もって契約すれば、信頼はさほど問題になりません。切って天然更新であれば、相続のことも気にしなくて良くなります。

つまり、このハンデを覆していくことが自伐型林業を実行する上で求められるのだと思います。

記事:尾沼


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