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「北欧の出会いと学び。」 〜ひめインタビューvol.1〜

ちずプロフィール:
 フォルケホイスコーレでの対話や小さなチャレンジを通して、自分を知る機会をたくさん得る。自分自身の受容と、人の輪の中で生きる温かさに浸り、「つわのホイスコーレ」立ち上げを発起。津和野3年目。埼玉県出身。

ひめプロフィール:
 北欧の教育やデザイン、暮らし方に興味があり、いつか北欧に暮らしてみたいなと思っている。ちずちゃんにお誘いを受け、「つわのホイスコーレ」立ち上げに参画。津和野4年目。石川県出身。


ちず:今日は、ひめちゃんにインタビューをしていきたいと思います。
ひめちゃんといえば、「北欧好き」というイメージがあるよね。今日は、最初に「北欧に興味を持った理由」を聞いてみたいなと思います。
それから、もう一つ、ひめちゃんがよく使う「おとなの学び直し」という言葉についても掘り下げていきたいです。ひめちゃんは今、学校現場に携わっているけれど、どんな場面で「学ぶ楽しさ」に魅力を感じているのかな?というのも気になっているよ。

ひめ:よろしくお願いします!

「北欧」との出会い

ちず:じゃあ、早速。ひめちゃんが北欧に興味を持ったきっかけは何だったの?

ひめ:う〜ん......なんでなんでしょうね...北欧の中でも、「フィンランド」はなぜか、行ってみたことがないんだけど「暮らしてみたい国」だった。(笑)
何がそんなに惹かれるのかはわからないけど、すごくフィンランドが気になっていた...で、いつか、いってみたいな〜くらいには思っていて、たまたまFacebookのイベント広告で「フィンランドツアーやります!」というのを見つけたんです。

 そのツアーテーマが、自分の生き方とか人生に向き合うみたいなテーマのツアーだったんです。ツアー概要を読んでいて、なんだかすごくワクワクして。これは行きたい!と。

 フィンランドの幸福度の高さ、(北欧全体として幸福度が高いと言えるのかもしれないけれど)なんでそんなに幸せだと思えるひとが多いのかとか、教育も注目されているけれど、なぜそんなふうになったのかを知りたくて。

 あとは、なぜかわからないけれど、自分の中にある「フィンランドに暮らしてみたいな」という感覚とか、実際に自分がそこに行ってみてどう感じるのかを確かめてみたくて、そのツアーに行ったことがきっかけでした。

フィンランドで、たくさんのときめきとスキに出会った。

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マリメッコ仕様のフィンエアー。かわいいんです。
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機内もマリメッコ仕様。旅のおとも本は『かもめ食堂』に出演されている片桐はいりさんのエッセイ。

 1週間くらいの短いツアーだったのですが、現地のフィンランドの人たちのおうちにお邪魔したり、そのひとの人生の話を聞いたりする中で、すごく素敵やな〜と感動する場面(心が動く場面)がたくさんありました。

 「自由と責任」「何度でも学び直しができて、キャリアチェンジができる社会システムに満足していること」、「自分がいいなと思うものをゆっくり何年もかけて集めていきながら、おうちのなかに取り入れて暮らす」ということ、ここには書ききれないくらい学ぶこと感じることが多かった...

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お招きいただいた地元の方のおうちにて。スキ、がたくさん詰まった空間。
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認知症高齢者施設を見学。なぜ、椅子が倒されたままなのかわかりますか? 
最期をどう終えたいか、考えさせられました。
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サーモンスープもつくってくださいました。
おもてなしが本当にすてき。
「どうして、日本人は忙しそうにするの?」という
問いは、ハッとさせられました。
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青空のもとに開かれているマルシェ。
マルシェって、なんだかわくわくしますよね。
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どこにいっても、ムーミン。
国民的愛されキャラなようです。
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みんなのあこがれ、ARABIA
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おひとりさまカフェ。店員さんが
ムーミンのお友達と一緒にどうぞっ!と並べてくれた。
シナモンロールおっきい。

図書館と森での過ごし方から学ぶ、「自然体」「心地よく過ごす」

 中でも、一番心に残っているのは、「フィンランドのひとたちのリビングルーム」と呼ばれる図書館

 包まれるソファできもちよさそうに読書をしていたり、図書館なのに3DプリンターやVRがあったり、図書館って飲食禁止のイメージだったけどフィンランドの図書館にはカフェがあるから、ゆっくりコーヒーを飲みつつおしゃべりをしていたり。

 みんなそれぞれの過ごし方をしていて、飾らないというか。自然体心地よく過ごしている姿がすごくいいなと思って、やっぱりここにくらしてみたいかも、と思った。

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ヘルシンキにある図書館oodi
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ミシンもある。
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図書館とは?となるような設備がたくさん。
ラボみたい。
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子ども用の読み聞かせスペースや
日本のマンガコーナーもありました。
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包まれるソファー
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外を眺めながら読書ができる席。
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図書館内に木があるのも、フィンランドっぽい
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この丸、なんだと思います?

 あとは、森の暮らしがわたしのなかでは衝撃だった経験。
首都ヘルシンキから移動して、サイマー湖水地方に暮らしている方のおうちにお邪魔したんですけど、

 「お茶の準備ができるまで、わたしが普段から大事にしている『なにもしない時間』を、この森の中でそれぞれに味わってきて!」と言われました。最初は、不安でしかなかった。「なにもしない時間」って、どうしたらいいんだろう...って。

 ずっと、前から、余白をつくりたい!というあこがれのきもちはあったんだけど、なかなか実行できず。余白があれば、埋めてしまうという体質なんですよね...(苦笑)

 最初は、そわそわして落ち着かなかったけれど、徐々に周りが気にならなくなっていって、森の中に溶け込んでいく感覚を味わっている自分がいて、ただ、ここにいるだけでいいんだな、と満たされた気持ちになった。

 できない、と思っていたけど、できるじゃん、わたしと思って。ちょっと自分を見直したし、「なにもしない」も楽しめる自分がいることに出会えたって感じだったかな。

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滞在した森の中のコテージ。お母さんのごはんがとってもおいしかった。
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朝、ひとりで散歩をする。白樺がきれい。心地いい。
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「なにもしない時間」に見つけたお気に入りスポット。ここで、湖の波の音を聴きながら、
ぼーっとする時間が心地よかった。今、ここにいるだけでいい。
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サウナを出た後に湖に飛び込むのは
最高に気持ちがよかった!開放感!

ちず:フィンランドで、たくさんのときめきやスキに出会ったんだね。余白を味わう、という価値観にも出会った。

ひめ:はい。すごく惹かれるものが、たくさんありました。

北欧の国々の文化と歴史が、おもしろい。

ちず:ところで、北欧の他の国については、どう思っているの?

ひめ:ん〜、そうですね。フィンランド以外はまだ行ったことがないので、まだわからないな、というのが正直なところ。実際に行ってみてみたいな〜と思っています。
例えば、フィンランド人は日本人と気質が似ていて、シャイで寡黙な気質の人が多いんだけど、デンマークは北欧の中でもラテン系と聞いたんですよね(笑)。まずは、北欧を回ってみて、自分で行って体感してみたいなと思います。

フィンランド人のあるあるを描いた絵本「マッティ」


ちず:フィンランドはスカンジナビアじゃなくて、言語から見てもちょっと違うよね。フィンランドはまた違った文化を持っているのかな。「北欧」ってひとくくりにしちゃうけど、それぞれの国らしさみたいなものがもっとあるんだろうなとなんとなく思っている。

ひめ:比較ツアーみたいなのしたいですよね!フィンランドのツアーに行ったときに歴史や文化の背景を講座で学習してからツアーに行くって感じだったんですよね。そのときに講座を受けて、フィンランドって日本と似ているところが結構あるんだ〜というのもおもしろくて。イメージが覆ったというか。

例えば、第二次世界大戦の敗戦国だったところ。支配を受けていた時代も長くて、資源があるわけでもなくて、フィンランドらしさってなんだろう...となったときに「人こそ資源」と考えて、教育に投資をし始めた。

 女性も働かないと復興できないということから「福祉」が発達していった。女性が働きやすいように介護のサービスが発展したり、男性も育休が取りやすい環境や制度がつくられた。北欧全体がそうなのかもしれないけれど、そういう歴史的な背景があったからこその今があるのはおもしろいなと思ったんです。

ちず:歴史背景はデンマークも似ているような気がしていて、北欧を支配した時期もあるけれど、侵略されて領地がどんどん縮小して、もともと資源があるわけではなく「人」に、という感じで教育や福祉に力を入れていって。 エネルギー的なところは60~70年代くらいに自然エネルギーに方向を変えていて、北欧は資源が少ないからなのか、「人」に投資する方向になっていきやすいかな。

ひめ:日本もなにか資源があるわけではないけれど、「人」ではなく、「産業」に投資をして、高度経済成長になっていった。もし、日本が北欧と同じ「人」に投資をしていたなら、今、どんな未来ががあったのだろうか...というきもちになることがあります。背景としては似ているけれど、選択がちがったからこその今、なのかな。と思うと、すごく興味深いな〜と思って。

 北欧ってすごく遠い国なイメージだったけど、フィンランドだと直行便で9時間くらいでヨーロッパでも一番近い国だし。共通点も多いし、自分の中のイメージが変わりました。

まだまだ、学び続けたい。

ひめ:やっぱり、まだまだ知らないことはたくさんありますね。もっと勉強したいなと思っています。フィンランドや北欧の歴史や文化、なぜかすごく惹かれるんです。なにかしらで関わり続けたい、接点を持っていたいけれど、どんなふうにしたらいいのかわからなくて模索中で、そのタイミングで、ちずちゃんにつわのホイスコーレに関わってみない?とお誘いを受けたので、

 お!これは、なんか自分の興味がある北欧とつながれるチャンスかもと思ったところはある。それを日本にいながらできたらおもしろいかも、と思ったかな。

まだ方法はわからないけれど、北欧とはつながり続けたい。学び続けていきたいですね。

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今回はここまでです。つづきは、次のnoteで。

次回は、「学びの楽しさ」をテーマにお話をしていきます。





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