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Nihon Ookami Kamui
2022年9月4日 00:16
もう何ヶ月。誰かと口を利くこともせず、部屋は安酒のウイスキーの空瓶がいくつも横に縦に床を埋めている。金を稼ぐのに使ったきりのPC、身を立てられないまま放ってあるギター、そして独りの男が手をのばす煙草はそんな日常と付き合う、ただ一時の慰安であった。目の前に迫ってきていた。彼は彼の世界に追われ、生きることを選んでいる自分を省みて答えを出そうと躍起になっていた。五感の情報が更なる情報を引きよ