チームで爆速で施策リストを作り出す、クレイジー8+RICEスコアリングのすすめ

はじめに

PdM/PMMの仕事の醍醐味と言えばプロダクトに関する企画・立案ではないでしょうか。会社の方針を理解しつつ、プロダクトをよりよい方向へ導いていく。利益もしっかり追う。そのために、何百何千の施策を思案することになると思います。
とはいえ、ユーザー体験や業績に良い影響を与える施策の打率は知れたモノ。もちろんもっともっと優秀なPdM/PMMは超高打率をたたき出すのかも知れませんが、ここでは打数を増やすことで打点を増やすというアプローチをご紹介します。

方針としては単純明快、施策リストを一杯作り、良い感じに上から順繰りにやっていく、です。

クレイジー8とは

「クレイジー8」は、アイデアを大量に生み出すためのアイデアスプリント手法です。

1つのアイディアから8つのバリエーションを考え出すエクササイズとなっており、MITハーバードビジネススクールのゲスト講師であり、デザイナーのジェイク・ナップ氏が、Googleで勤務していた時期に編み出しました。

以下に、具体的な手順を説明します。なお、オフラインでの実施を前提にしていますが、もちろんオンラインでも出来ます。その際は、手順2.をオンラインのツール(MiroやFigjam)にしたうえで、手順3.を個別作業として実施しましょう。

  1. チームメンバー全員がテーマに関する情報を収集し、各自のベストアイディアを短時間(3分程度)でプレゼンします。

  2. A4用紙を八つ折りにする。

  3. チームメンバーの役割: 各メンバーには、8つのアイデアを考え、手順2.の紙に表現します。アイデアは付箋紙やホワイトボードに書き留めることで、後で整理しやすくなります。

  4. インスピレーションを促す: 制限時間内にアイデアを思いつくのは難しいかもしれません。そのため、問いや刺激的な画像、プロトタイプ、競合他社の事例などを提供し、アイデアを刺激しましょう。

  5. 共有とディスカッション: 制限時間が終了したら、各メンバーが考えたアイデアを順番に共有します。他のメンバーからのフィードバックやアイデアの組み合わせにより、より良い施策が生まれることもあります。

詳細については以下の記事がわかりやすく詳しいです。こちらもご覧ください。

オンラインでやる場合は、Miroのテンプレートもあります。

RICEスコアリングとは

施策のスコアを、RICEの頭文字の概念でつけていくモノです。

  • Reach:施策が効くであろう範囲

  • Impact:目標・目的に対する影響度

  • Confidence:どれくらい信頼に足るか

  • Effort:どのくらい大変か

  • 上記4つの項目をスコア=R*I*C/Eで算出するわけです

Jitsuzon sanの記事が詳しいのでこちらをご覧ください。

具体的なやり方をまとめると

  1. クレイジー8でアイデア出し:

    • 前述したとおり

  2. アイデアのカテゴライズ:

    • 全てのアイディアを壁やテーブルに貼り出し、類似するアイディアをグループ化します。ポストイットを使うと便利です。

  3. アイデアのマージと重複削除:

    • 重複するアイディアを統合し、ブラッシュアップします。

  4. アイデアのリスト化:

    • 統合したアイディアをリストアップし、全体像を把握します。このリストは後の評価やスコアリングに使用します。

  5. RICEスコアリングの適用:

    • リスト化したアイディアに対してRICEスコアリングを行います。それぞれのアイディアのReach(リーチ)、Impact(インパクト)、Confidence(信頼性)、Effort(工数の大きさ)を評価し、スコアを算出します。

こんな良いことがあるよ

「クレイジー8」と「RICEスコアリング」を組み合わせることで、ただ多くのアイデアを出すだけでなく、それらのアイデアの中から最も影響力の高いものを効率的に選び出すことが可能になります。
この一連のプロセスは、チームの創造性を刺激し、プロダクト開発やGTM戦略の方向性を明確にするのに役立ちます。また、具体的な数値に基づく評価は、チーム内での意思決定を合理化し、より戦略的なアプローチを可能にします。このアプローチにより、時間とリソースの節約はもちろん、プロダクトの市場での成功確率を大幅に高めることができるのです。

注意した方がいいこと

アイデア生成の際には、質より量を重視することがポイントですが、その後の精査と評価には細心の注意を払う必要があります。また、全てのアイデアが等しく有用であるわけではないため、RICEスコアリングを活用して、最も効果的な施策を選定することが重要です。特に、スコアリングの根拠を明確にすることが必要です。リーチとインパクトについては、それぞれが何を指すのかを事前にメンバー間で合意を取るようにしましょう。
チームメンバーからの異なる視点を尊重し、建設的なディスカッションを促進することも忘れてはならないポイントです。

おわりに

この記事を通じて、PdM/PMMとしてのアイデア発想や施策実行の醍醐味を感じていただけたら幸いです。クレイジー8やRICEスコアリングなどの手法を駆使し、日々の業務に活かしてみてください。プロダクト開発の道のりは容易ではありませんが、この記事がみなさんの新たな挑戦のきっかけになればと思います!!

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