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【メダリストSP6感想】理凰くんに必要だったもの

メダリストShortProgram6のネタバレ感想になります。
未読の方、特に理凰くん推しの方は今すぐ読みましょう!!!












理凰くん、いいですよね……。

つるまいかだ先生は小学生をリアルに描くのが本当に上手い方ですよね。
女子フィギュアがメインなので女の子のキャラが多いですが、私が作中で群を抜いてリアルでかわいいと思うのが理凰くんです。

メダリストの息子という重圧、後から幼馴染の天才に抜かれた絶望、思うように成長しない自分への歯痒さ。

そんな境遇もあって捻くれまくっていた理凰くんが、ノービスA優勝!金メダルですよ金メダル!!!


と、ファン目線では盛り上がったのですが、理凰くん自身は心の底から嬉しがれませんでした。
それはそうです、そう簡単には自己肯定感なんて高まりませんよね。


前職の塾でも、こういう子はよくいました。
例え100点を取ったとしても、「テストが簡単だったから」「たまたまやった所が出ただけ」みたいに答える子です。

謙遜で言う子も多いですが、本当に自信が無い子は本気でこう思っているんですよ。
やはり理凰くんみたいに、周り(特に兄姉)が優秀な子に多いように思います。

そして、こういう子のこういうシーンでは、つい大人がやりがちなのですが、ゴリ押しの励まし方は逆効果です。
すごいよ、すごくないよ、すごいよ、すごくないよ……みたいな押し問答になってしまって、最終的には『この人話聞いていないんじゃね?』となってしまうからです。

この場合の正解は、とにかくその子の話を聞くこと、そして認めてあげることです。
傾聴して、あなたはこう思うんだね、とまず受容すること。

叱ったり、より前向きな方向を提案するのはその後です。


そして今回、この流れを完璧にやってくれたのがいのりちゃんなんですよね。

理凰くんの卑下したくなる気持ちを理解して、その上でそれをしっかり否定する。
あなたはすごい、としっかり言葉にして褒めてあげる。

理凰くんは聡い子なので、親やコーチが「褒めてあげよう」と考えて褒めることを知っています。
だから多分、他の誰に言われても理凰くんには響かなかったのではないでしょうか。

同い年で、自分の努力を知っていて、そして逆に相手の努力も知っているいのりちゃんの言葉だからこそ、理凰くんは素直に受け止めることができたんだと思います。


前回の感想でも触れましたが、理凰くんには甘えられる存在がいなくて、そこに司先生が来てくれた、と私は考えていました。

しかし理凰くんに本当に必要だったのは自分のネガティヴを受け止めてくれる存在で、それがいのりちゃんだったのでしょう。


今回のいのりちゃん、どことなく大人に見えませんでしたか?
台詞だけでなく、絵面として少し大人びて描かれているように感じました。

もしかすると、今回の短編は理凰くんが主人公でしたので、理凰くんからはいのりちゃんがこう見えてるのかもしれませんね。


次回の本編からはまた、いのりちゃんと司先生が主人公に戻るのでしょう。
二人の成長と、理凰くんの更なる成長が今から楽しみです!

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