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読書メモ:サツマイモは奴隷の食料にも

サツマイモが、人類によって栽培されるようになったのは1万年前からと考えられている。原産地はペルーやメキシコ付近が濃厚である。紀元前3000年頃には熱帯アメリカで広く栽培されていることが知られている。

コロンブスが1492年にアメリカ大陸に到着し、サツマイモをスペインに持ち帰った。ヨーロッパではほとんど普及しなかったが、奴隷がアメリカに「運ばれた」とき、食料はサツマイモだった。サツマイモはアフリカ西海岸に伝わり、アフリカ大陸の内部に伝播していった。

16世紀から17世紀にかけて、植民地開拓が盛んに行われ、移民と同時にサツマイモは世界中に広く伝播していったものと思われる。

北アメリカにも、サツマイモは1694年にバージニアに伝わり、地球を一周したことになる。

日本には、中国を経由して、16世紀末に沖縄に伝わり、全国に広がったものと思われる。

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・坂井健吉(1999)『さつまいも』法政大学出版局(ものと人間の文化史90)。

・ド・カンドル著/加茂儀一訳(昭和16年)『栽培植物の起源』 改造社。<国立国会図書館によってデジタル化されている。>