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Beautiful landingの笑み叫び

久しぶりのフライト。長いアプローチの後に、滑走路を飛び立つぞと、ひときわエンジンが唸る。機体が滑走路を力強く疾走し、まもなく眼下に海の広がりが見える。

フライトエンジンの音はロスアンジェルスから乗り継いだ飛行機が中西部(トルネードの発生する州の隣)の地方空港に降り立ったことを思い出させた。まもなく着陸というとき、強い横風が小型の機体を煽り、機体は左右に大きく波打つ様に、揺れる。揺れるたびに、乗客はヒャーヒャーと。ジェットコースターに乗っている感覚なのか、悲鳴ではない。

3分くらい揺れていただろうか、機体は着陸して滑走路を走り続けるが、左右に揺れ、翼がいかにも地上に擦れそうになる。そのたびに乗客が悲鳴ともいえない叫びをあげる。やがて、スピードが緩み、機体が安定した。

機長が思わず叫ぶように強く、安堵した声の響きで発する。

「Beautiful landing」

安堵の喜びが乗客に伝わっていく。乗客は安堵の笑みを含んだ拍手の嵐。

ボーディング・ブリッジではなく、乗客は直接地上に降りながら歩き、口々に着陸の状況を語り合っていた。

機長が思わず発した「beautiful landing」が未だに呼び起こされることがある。