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「ゼロ・グラビティ」に見る「富者の偶然

映画「ゼロ・グラビティ」、原題は単に「Gravity」だった。

ご多聞に漏れず、宇宙がスキである。映画「2001年宇宙の旅」(1968年)も見たし、映画「2010年宇宙の旅」だったか、それも見た。

映画「ゼロ・グラビティ」(2013年)を見たとき、出演者の数の少なさに驚いた。エンターテイメントの映画にしては、映画の大げさな起伏はない。静かな緊張感の中にシーンが展開していく。頭の中にどのように撮影したのかという「疑惑」が広がり、ステレオタイプといってもよい展開で終わる。

*スペースシャトルは「エクスプローラー号」

監督・アルフォンソ・キュアロンやスタッフなどを除いて、声のみで出演する人が5人はいるが、主な出演者は、サンドラ・ブロック(Sandra Annette Bullock、ライアン・ストーン役)とジョージ・クルーニー( George Clooney、マット・コワルスキー役)の2人。

この映画製作にあたり、出演者と間に、「ファースト・ドル・グロス契約」(first-dollar gross deal)、あるいは(first-dollar gross participation)が結ばれた。

・first-dollar gross deal=総興行収入
・participation=参加報酬かな。

ファースト・ドル・グロス契約
映画俳優が映画の興行収入の一部を受け取る報酬体系の一つ。この契約では、俳優は映画の製作費やマーケティング費用などの経費を差し引く前の総興行収入から一定の割合を受け取る。

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この契約方法は、サンドラ・ブロック+ジョージークルーニーが映画「グラビティ」に出演した際に採用されたことで有名になった、という。

映画「ゼロ・グラビティ」が大ヒットし、興行収入は「全世界で7億2000万ドル以上」(当時の円相場は高い、100円台だが)と言われている。円換算で、700億円以上の興行収入をあげている(映画のみ)。※他にも収入がある。

サンドラ・ブロックは、映画の興行収入の15%を受け取れるので、1億0800万ドル(108億円=億り人108人分)を得られる。※100/ドルで計算。

ジョージ・クルーニーはいくら受け取ったのだろうか。ジョージ・クルーニーは映画『オーシャンズ11』(2001年)にも出演している。こちらも大ヒット。いくら手にしたかは定かではない。しかし、エピソードが知られている。

2013年に、『ゼロ・グラヴィティ』が公開されたとき、友人14人を呼び出し、日本円にして約1億円ずつをキャッシュでプレゼントしたという。総額にして、14億円。

この逸話は、2017年に、クルーニーの友人の1人、ランド・ガーバーRande Gerberが米MBCのドキュメンタリー番組で明かした、という。ガーバーは、クルーニーと一緒に、テキーラ・ビジネスを運営している。

ちなみに、ランド・ガーバーの妻は、元祖スーパーモデルと言われる「シンディ・クロフォード」Cindy Crawfordで、モデル業界に疎いが、知っている。

サンドラ・ブロックにしろ、ジョージー・クルーにしろ、無名だったわけではない。映画「ゼロ・グラビティ」のヒットにより、僥倖を得た。※監督・アルフォンソ・キュアロン(スペイン語: Alfonso Cuarón Orozco)は言うまでもない。

富者の僥倖収入はどのように使われるのだろうか。ここも大きな課題。映画『Gravity』の映画制作会社は、「Warner Bros. Pictures」だが、興行収入の行方も気になる。いや、もともとの事業活動の源泉と行方も気にかかる。