妻の語り草：ツバメが電線に集まる

画像：大潟村公式ブログから。

スワローズ：
・燕　https://note.com/n_kojuro_k_0829/n/n9cbce3e89ea6
・ツバメが運ぶしあわせ
https://note.com/mhideki1234/n/nb82a190957c7
・ツバメ日記　２号店の事情
https://note.com/nagata_s/n/nd2103106f214
・ツバメのヒナ ひかるちゃん
https://note.com/joujoux1/n/ncbb2e9c0138e
・第931回 ツバメ(12回目)とイワツバメ(3回目)
https://note.com/hiho2351/n/n02033b59d72e

＊　＊　＊

「いつもこの時期にツバメが集まってくるよね。」

ごくうの散歩で、電線に一列に集まってくるツバメを見て、不思議がる。

足下には、ツバメの糞が白く並んでいる。ごくうは巧みによけながら、先を急ぐ。

日本は瑞穂の国と言われる。稲穂につく虫を食べるツバメは「益鳥」として考えられている。妻はお米が、ご飯が大好きである。

「ツバメがお米を守ってくれるのよね。」

とは言わなかったが、

「あのツバメがいつの間にか、いなくなるのよね。」

晩夏、ごくうの散歩に出かける、ある日、ツバメは白い線の糞だけを残し、南へ飛び立っている。

「また、来年も来るかねー。」

妻の声には寂しそうだが、期待を込めた響きが籠もっている。