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第931回 ツバメ(12回目)とイワツバメ(3回目)

①https://ikilog.biodic.go.jp/Investigation?invReq=life&life_id=80&eventremarks_id=57より引用のツバメの比較

   日本に飛来する種類はツバメイワツバメコシアカツバメショウドウツバメリュウキュウツバメの五種だそうで、その他にアマツバメ(アマツバメ目アマツバメ科)、ハリオアマツバメ(アマツバメ目アマツバメ科)と、ヒメアマツバメだと思います。私が春先になると出会うのは二種で、ツバメイワツバメです。ツバメは三月半ば頃には帰ってきますが、イワツバメツバメより一か月早くに帰ることも多々あります。この二種はどう棲み分けて、秋先まで過ごしていくのでしょう。

②http://blog.livedoor.jp/myacyouen-diary/archives/7202127.htmlより引用のツバメ(右側、体長約17㌢)とイワツバメ(左側、体長約14㌢)の比較

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   ちょうど上手いことに、二種を比較できるのがこの②の写真です。体長だけを見るとツバメ17㌢で、イワツバメが14㌢と差がありそうですが、それはツバメの尾羽が特にオスは長いからです。写真をご覧になれば、そんなに体長の差はないと思います。ツバメの背は光沢のある藍黒色で、喉と額が赤く、腹は白く胸に黒い横帯があります。尾羽は長く切れ込みの深い二股形です。イワツバメの尾羽はアルファベットのV字状をして、クチバシの色彩は黒く、趾は白い羽毛で覆われています。

③http://ada-kitakyu.com/bird/s5tubame.htmlより(左から、ヒメアマツバメ体長約13㌢、イワツバメツバメコシアカツバメ体長約18㌢、アマツバメ体長約19㌢)

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   全国的に見ても、この二種のツバメはちょっとした田園風景が見られる地域なら、普通に見られると思います。それほど私たちの身近な存在だということです。基本的にはどのツバメも昆虫食です。そのため、渡りは春夏の虫が発生している時期に生まれ故郷に帰ってきて、繁殖して、ヒナから若鳥になるまで、この日本で子孫を育てます。その若鳥を親や親戚縁者までが、渡りの時期を伺って、集団で越冬地まで渡っていきます。日本に帰ってくるのは、その育った成鳥の自由です。

 ④https://bird-book01.com/archives/58より引用のツバメの営巣

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   もう皆さんも知らない人がいないほど、④の写真のようなツバメの営巣をご存知でない方はおられないと思います。私たちはいつも思います。ツバメは夏の渡鳥で、野生で育った野鳥のひとつです。しかし、怖いはずの人が住む民家に断りも入れずに軒先などに堂々と営巣します。あの以前に人間に飼われていた当時の種名がカワラバトだった今のドバトですら、人に群がって餌をねだることは致しますが、わざわざ人が出入りする玄関に営巣するなんて、スズメにすら出来ないです。

⑤http://superbirder7588.blog24.fc2.com/blog-entry-341.htmlより引用のイワツバメの営巣

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   それではイワツバメも民家に営巣するのかといいますと、そうではありません。イワツバメツバメと違って集団行動するのです。同じツバメといっても、ツバメ属とイワツバメ属に分かれるらしいです。営巣の巣材は土と枯草と唾液ですが、ツバメは人の住む民家、イワツバメは架橋などの屋根裏に⑤の写真のように、集団営巣をいたします。仲間であるショウドウツバメが崖に穴を掘って営巣するその習わしから、穴を掘るような営巣になります。二種のツバメにも違いはあります。

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