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ヘミングウエイ『老人と海』のモデルは長寿 ※作品の話ではありません。

画像:出所不明(失念)。
*キューバはスペインの植民地であった。

キューバの首都ハバナから10キロメートル未満、西にコヒマル(Kojimar:スペイン語)がある。コヒマルにはハバナの北東部を流れてくるアルメンダレスAlmendares川がある。川はコヒマルの近くでカリブ海に注ぐ。入り江近くには船の係留所がある。漁村も近くにあるのだろうか。

一説によると、『老人と海』のモデルとなった「グレゴリオ・フェンテス」Gregorio Fentesはヘミングウエイの船「ピラール号」の船長であったらしい。*この作品で、ヘミングウエイ・ノーベル賞受賞1954年。

モデルの一人として、年老いた「サンチャゴ」Santiagoを登場させる。漁に出て、死闘ともいえる闘いの末、巨大なカジキを捕獲するが、サメに襲われ、カジキを食い尽くされてしまう。

*『老人と海』は1952年(東西冷戦時)、ヘミングウエイのノーベル賞受賞は1954年。キューバ革命は1959年。ヘミングウエイとカストロ会見は1960年。ヘミングウエイ没は1961年(1923年生まれ)。

このモデルとなった「グレゴリオ・フェンテス」は2002年104歳で天寿を全うしている、といってよい。長寿である。「壮健だった」とある。

キューバの長寿者は彼だけではない。多くの長寿者がギネスブックにも記録されている。キューバの人口は約1,125万人(2021年)であり、100歳以上長寿者は2800人以上いる。1人当たり所得で見ると、キューバはインド並みだろう。しかし、新生児死亡率はヨーロッパ諸国並みであり、BRICsを軒並み凌駕している。しかも、さらに改善に向かっている。

※ちなみに、キューバの高齢者比率は15%を超えている。それとともに、キューバの年少人口は1975年以降、ほぼ趨勢的に減少を続け、現在は180万人を切っている。

長寿者が多く、乳児死亡率が低く、平均寿命も先進国並みであれば、その理由の一つが医療体制にあるといってよい。外務省によると、「キューバは国民には食糧、生活物資の配給制度があり、医療、教育は基本的に無料で受けられます。」とある。実際(最近)は医療費の自己負担額は年110ドル程度らしい。いわば、医療制度は健康度に貢献している、といってよい。

しかし、最近は問題がある。経済が国際依存していると、外貨が必要となる。その外貨稼ぎの筆頭の一つが、キューバの医療体制である。医療団の海外派遣が増加し、国内は医師不足に陥る。キューバでは、医療サービスが劣化していくのだろうか。


・吉田太郎(2007年)『世界がキューバ医療を手本とするわけ』築地書館。

参考地図
*コヒマル(Kojimar)はハバナの右手・東に10キロ未満の距離にあり、アラマールの左手(地名は表記されていない)

・キューバのハバナのホテル「アムボス・ムンドス」(Ambos Mundos)ヘミングウエイがホテルの一室で執筆したと言われる。

*ヘミングウエイ生家博物館(毎日だが、9時から5時まで)時間厳守だそうです。

*キーウエストのヘミングウエイ生家とキューバ。