ごくうが行く:体温を測ろう
コロナで非接触型の体温計を買った。折に触れて、おでこで体温を測る。
「ピッ」
自分の体温を図ると、36.2度、妻の体温を図ると、36.5度。妻の方が高いが、平熱だ。
続けること、3ヶ月以上になる。ごくうの側で体温を測っていた。たまに、ごくうの体温を測っていた。大体、35度台である。
ある時、キッチンに体温計を持って行き、妻の体温を測る。
「ピッ」
36度台の平熱である。自分の体温を測ると、やはり同じ平熱の36度台である。
「ごくう、体温を測るかい。」
とわざとらしく声を掛けると、サマーベッドで寝ていたごくうはとことことキッチンにやってきた。
ごくうの額に体温計をかざして測る。
「ピッ」
と、35度台。
「ごくう、平熱だよ。」
ごくうはもう目の前にはいない。
いつもアヒルが飛んでくる場所に駆け寄り、待っている。アヒルを投げると、ごくうは一目散にアヒルを追いかけ、咥える。
「ご褒美、ちょうだい。」
と顔が言っている。
ーーー
今は体温を計るときには、いつの間にか側に来ます。