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ごくうが行く:(初の)/バレンタイン用のチョコ、いかがですか。

お大師堂まで散歩したとき、橋のたもとで、白っぽいカードが目に飛び込んできた。プラスティックの学生証だった。

住所を見ると、同じ地区だ。しかし、番地は知らない。地元の高校というのは書いてある。近所だろう、と踏んだ。近くに新しい小団地がある。ギターを弾くのを止めて、ごくうを可愛がってくれた女子大生が住んでいる団地かもしれない。

番地を示しているかも知れない。行ってみることにした。しかし、番地の標識はない。表札も半分くらいの家しか表示していない。全然思い当たるような家はなさそうだ(勘)。

お大師堂近くに住居看板が今でも表示されている。確認のため、見分することにした。スマホを持っているが、あいにくwifiだけだ。フィットネス・アプリはある。家に帰ればネットがある。しかし、2度出るのは面倒だ。

住居看板を指さしながら追っていると、名字の同じ家が「あった」。でも、古い住居が並んでいる。そういえば、新しい家が立てられているのを、先代犬・さくらの散歩時に見ていた。行ってみるにしくはなし。

比較的新しいデザインだ。年代により家はスタイルがある。最近の家は窓が少ない。耐震構造はどうなっているか、心配になるが、どこかの国の様なことはない。一時代前の新しい家を訪問した。最近は、チャイムを鳴らしても出てこない家があるという。自分の家のドアホンも切ろうと思っている。

名前を告げると、奥さんが出て来た。ごくうを見て、ビックリしている。犬が怖いらしい。撫でようとして手を引っ込める。名前を確認し、学生の氏名を確認した。学生証を見せると、「そうです」と確信を示す。間違いないと思い、学生証を手渡すと、

「バレンタインのチョコがあります」という。

優しく「いえ、いえ」と応じるが、「ちょっと待ってください」チョコ箱を携えて出て来た。

「いやー、バレンタインチョコは貰ったことがないんですよ。勤務先では、バレンタインデーにいることはないですから、義理チョコも貰ったことはないです。初めてになります。(14日ではない)残り物のチョコの方に福があった、なんてね。

妻もチョコを買ってくれたことはない。「いつも自分で買うので、いいのよね」(妻の言葉)

ありがたく頂くことにした。頂けば、相手の気持ちが治まる。ごくうは早く終われと言わんばかりに鼻泣きを繰り返している。かわいそうと思ったのか、2度ばかり撫でようとするが、ごくうの頭付近で手が飜る。犬が苦手のようだ、本当に。

用事が終われば、ごくうの散歩。いそいそと散歩に戻る。余分に時間が掛かり、ごくうは拍子抜けの散歩だが、どういうわけか、家に直行で帰宅。

身体をきれいにすると、ガムが飛んできた。しかし、まだ食事を終えていない。今晩も長い戦いになりそう。

チョコは、妻の希望・習わしで、仏前に。