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ヤマツツジも横を向く?

ツツジは上を向いて花を咲かせるものもあるが、好んで上を向いているわけではない。蕾が複数付くと、蕾によっては横を向いたり、やや下気味に向いたり。やや上向きに咲いたり、中には上まで向く。横に向いた花を見ると、ホッとする。

横に向いたツツジを見ると、上の方に3枚の花弁が下部で連なり、下に2枚の花弁が左右に分かれている。

上に広がり、咲いている真ん中の花弁には「蜜標」がキレイに描かれている。ヤマツツジは、赤い斑点が連なっている。規則的なような不規則的なような模様である。蜜標は左右の花弁にも「浸食」しているものがある。蜜標は昆虫の目印となる。

ヤマツツジには、蜜標の下には、オシベが5本とめしべが1本ある。昆虫がオシベに触ると、オシベの先端にある葯から白っぽい「花粉」が出だし、見る見るあふれ出す。昆虫が次のオシベに行こうとすると、釣られて「花糸」が伸びる。昆虫は次の蜜を求めて羽を持つ昆虫はホバリングする。ホバリングしながら、次のオシベに移り、花糸が伸びたりする。

昆虫が移動するにつれ、花糸が時に伸び、めしべに達するものが出る。昆虫がめしべでホバリングしたり、花糸がめしべの先端に触れれば、受粉する。受粉すれば、めしべの「花柱」を経由して、「子房」に達する。受精した子房はやがて実となり、実の中には、5つ(花弁数に等しい)に分かれ、複数のタネが収納されている。

実が熟し、晩秋になると、鞘が裂開し、タネがこぼれ落ちたり、飛んだりする。

落ちたタネは、時に、発芽する。時を経て、成長し、花を咲かせ、実をならせ、また近くにツツジが発芽していく。3年もすれば、かなり大きくなる。大きくなっても精々2メートル位。枝を張るツツジもあるが、通常、疎である。