トクサで仕上げ*丁稚の松下幸之助・火鉢店に奉公
画像:トクサを1本選び、本来は縦に伸びるものを橫にして、左に「袴」を配置し、袴から袴までの一節を途中まで移したもの。袴間には、縦に「筋」が規則正しく並んでいる。筋間には凹凸がある。表面はザラザラしている。このザラザラが磨くときに役立つ。
トクサは湿地帯に自生している。日本では、中部以北北海道までに見られる。
地上茎は直立し叢生し(草木などが群がりはえる)、高さは1メートル未満で高いものではない。地上部は硬く、中空で、空洞となっている。
茎の表面は規則的に節があり,濃緑色であるが、冬には茶色になる。茎の節には袴がある。
トクサは時に壺庭などでも見かけることがある。見本はごくうの散歩時に「壺庭」(この庭は壺にも満たす、かなり小さいが、すっきりしている)に生えているものを頂戴した。
トクサの節でカッターの鞘を磨くと、汚れが取れる(画像では、白くなっている部分)トクサには白い粉が付着している。これは、表皮細胞の細胞壁にプラントオパールと呼ばれる珪酸(二酸化ケイ素)が多く含まれ、砥石に似ている。茎をゆでて乾燥させたものが研磨材としても利用される。
松下幸之助は、丁稚奉公時代、「火鉢店」で荒磨きした火鉢をトクサをかけて磨き上げた。高級品の火鉢は1日かけて磨き上げたという。
*トクサ(木賊)を使った研磨材の作り方が記されています。