見出し画像

ごくうが行く:ごくうが来た日から

おび

犬のさくらは2012年11月13日に前庭疾患を患い、一時治っていたが、食欲もあまりなく、立つのもやっとであった。iPadが発売されてしばらくして11月16日に我が家でも購入した。それからしばらくして、さくらは2012年11月30日朝亡くなった。

さくらが亡くなって、SNSで約束していたお姉さんが来たが、さくらを見ることもできず、さみしく東京に帰っていった。それからしばらくは夫婦で東京などに外出することはあったが、母が入院し、亡くなり、没後の法事で時が過ぎていった。気の抜けたような生活が続いた。ももちゃんも亡くなり、ワンちゃんが側にいない日が続いた。

子供が帰省したとき、さくらの死亡から時が経っていたので、「犬を飼おう。」と切り出してきた。躊躇していると、「僕が面倒見るから。」と促してきた。両親の様子を見る限り大丈夫だろうと判断したのだろう。

この間、ごくうは2014年1月17日に誕生し、ペットショップで買い手を待っていた。やがてお姉さんがごくうを飼うことになった。しかし、犬アレルギーが発症し、里親サイトに登録した。その里親サイトで新しいワンちゃんを探していたので、地域で検索すると、ごくうを知るのにそれほど時間は掛からなかった。

子供の要望は小さい犬だった。ごくうの体重は2.6kgだった。重さで判断すると、小さい方だが、座る姿を見ると、どうも中型犬ではないにしろ、大人の座る身体の半分以上ある。子供は「大きいよ。」と躊躇したが、考えた末、「お任せします。」のメールが来た。

この頃、「九州に行ってみよう。」と計画していた。列車の予約も取り、後は出かけるばかりであった。そこに熊本地震が襲ってきた。行くのも躊躇するような状態になった。行くかどうかも迷いながらも、九州に行く前に、ごくうを見に行ってみようということになり、見学に行った。

お姉さんは待っていたかのように、ごくうを連れて2階建てアパートの階段から降りてきた。渡して貰うとき、ごくうは堪らず飛び降り、背を丸めて用を足した。あまり話す必要もなく、メールで質問を済ませていたので、お姉さんは当然連れて帰って貰えると思っていた節がある。

連れて帰って下さいと言わんばかりにごくうを再び渡された。もう連れて帰るしかないと判断させられたのか、判断したのか、もう車の中にごくうはいた。ごくうは2歳3ヶ月であった。家に着いてからは狂気のように走り回ったが、すぐお隣さんがごくうが来たのを知り、可愛がりにやってきた。ごくうは落ち着いてきた。

来た当初はごくうは貰ってきたペットフードだったが、それなりにしか食べない。やり方が悪いのか、あまり食べなくなった。獣医さんに見て貰うと、「こりゃ栄養失調だよ。」と簡単に言われてしまった。2.6kgの軽さはこれが原因と思い知った。

これ以降、ごくうに食べさせるのが、毎日の日課になった。元気いっぱい、散歩も勢いよく歩く。ある日には散歩が2時間半以上。そんな日が結構ある。

食べさせ方が悪いのだろうと試行錯誤するが、「今日は食べてくれた」というのは週に2日くらい。ない週も多い。全然食べないのが、週に1日はある。残りの日は少し食べただけで、いくら工夫をしても食べてくれない。ごくうはそんな苦労は自分のことではないかのように過ごしている。

いつの間にか、栄養失調と言われた体重をはるかに上回って3.6kgもあるときがある。一時期、肥えさせすぎと言われたが、油断していると、瞬く間に食べない日が続くので、心配でしょうがない。「なんとかしてくれー」と叫びたい心境が続いている。もうこんなことを5年近くもしている。「これでいいのだろうか。」

おび