Record Store Day2016

自分がアナログ盤を初めて手に取ったのは確か2010年の春だったと記憶している。なんとなく音が良いと聴いていたこと、まだCDが世に存在していなかった頃の時代の音楽を聴くことが多いことが理由でなけなしのお金をTechnics SL-1200mk3につぎ込み、自分のアナログ盤収集人生が始まった。

それから約2年後、Record Store Dayというイベントが開始される。毎年4月の第3土曜日に開催されるこのイベントでは限定版のアナログ盤が発売され、その他にそれぞれの販売店でイベントが開催されている。自分は2013年から毎年参加している。初年度である2012年はイベントの存在は知っていたものの、発売されるタイトルも少なく正直あまり印象に残っていないが、2013年は坂本慎太郎の7インチが販売されると知り参加したのだが、なかなか新宿のディスクユニオンに入れなかったほど繁盛していた。それ以来毎年欲しい商品は全て買うをモットーに、その日に合わせてお昼ご飯を抜いて貯めたお金を一気に散財している。

今年2016年は4/16(土)に開催された。自分は開店約1時間前からJET SET TOKYOに並び(既に3,40人の行列になっていた!)、事前に作成したウォントリストの商品を全て購入した。本日はそれらの商品+その日に購入した中古アナログ盤を紹介したいと思う。


1.細野晴臣『COCHIN MOON』

このアルバムの存在は知っていたが、再発の情報を機に初めて聴いてみて今回の購入を決意。細野晴臣の作品の中でも異色な存在だろう。YMO前夜の作品と言われているが、実験的な要素が含まれているがあくまでポップであることを忘れていなかったYMOとは違い、こちらは実験的でしかない。細野晴臣の脳内で鳴っている音を当時最先端だったであろうシンセサイザーを用いて表現している。細野晴臣の脳内が知りたい人は必聴。

2.村八分『ぶっつぶせ!!』

村八分の1971年Live音源を中村宗一郎がモノミックスにした作品。村八分のギタリスト山口冨士男のギターの音は自分の理想の音の1つである。村八分はやはりモノミックスが似合う。

3.CARNATION『Mellow My Mind EP』

名曲「Edo River」が収録されているということでRecord Store Day前日に急遽ウォントリストに追加した作品。カーネーションは東京のインディーズシーンで活動しているミュージシャンを中心に作成されたトリビュートアルバム『なんできみはぼくよりぼくのことくわしいの?』で初めてカーネーションを手にしたを記憶している。ナイアガラ・サウンド直系の「愛する言葉 -Summer Children-」も必聴。

4.YAKENOHARA × CHABE『RECORD PLAYERS 2』

ジャケは好きだが、やけのはらもchabeもほとんど聴いたことがなかったためウォントリスト外ではあったが、店頭でなんとなく気になり直感で購入。ディスコポップサウンドが最高に気持ち良く、自分の直感は正しかったのだ!と良い気分になっている。今回購入した作品で唯一のダウンロード・コード付き。もっとダウンロード・コード付きのアナログ盤が増えてほしいと思う今日この頃。

5.FLYING KID『幸せであるように』

当時プロモオンリーでプレスしていたらしい。なぜ今FLYING KIDS?とは疑問があるものの、個人的には大好きな曲なので嬉しい再発。高校時代に初めて観たイカ天はすごく刺激的で、特に印象に残ったバンドがたまを始め幾つか存在するが、FLYING KIDSはその中の1つだった。

6.CAT BOYS FEAT. LUVRAW『FLY』

まさかのSMAPカヴァー!しかもFLYとか買うしかない!と今回いの一番でウォントリストに入れた盤。母がSMAPのファンクラブに入会していたため、小さな頃からSMAPを聴いて育ってきた自分だが、FLYは小学生から好きな楽曲だった。LUBRAWによるトークボックスのヴォーカルとシンプルな演奏が非常に気持ち良い。

7.TOKYO HEALTH CLUB『ASA』

ここからはRecord Store Day対象商品ではないが、当日に購入したアナログ盤である。Twitterで知ったHip-Hopグループの7インチ作品。B面が始めからVG(アナログ盤のコンディションを表す表記。VERY GOODの頭文字だが、コンディションとしては傷もそこそこあり、あまり良くないコンディション)の仕様というのが気になり購入。Rip Slymeのようなマッチョ性が薄いラップとアーバンなディスコサウンドのバックトラックが良い。B面は同曲をビッグバンドのJazzサウンド(ギターは¥に好きなギタリストであるKashifが参加)に施されたremixが収録されている。

8.V.A.『薔薇門』

最後はこの名盤を紹介。坂本慎太郎が雑誌で紹介していたことで知ったのだが、CDですらなかなか手に入らなかった。JET SET TOKYOでウォントリストの商品を全て購入し、かなり満足していたが、せっかく下北沢に来たのだからと寄ったDisk Unionで見つけ、即購入。寺山修司が企画、J.A.シーザーらが音楽を担当したという当時のアングラファンが歓喜しそうな人物が揃うが、本作の魅力は歌い手たちによる声だと思う。もちろん演奏も素晴らしいのだが、いわゆるオカマ(最近は聞かなくなったな)の人々が行っている演説、歌、語りには当時今とは比べものにならない迫害を受けていたであろう人たちの本気とユーモアが乗っかっている。聴いたことがない人は是非偏見を持たずに一度聴いてほしい。


来年のRecord Store Dayも楽しみである。

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