夕闇交差点

 小学生の頃近所の書道教室に通っていた。
あまり上手くはならなかったが、続けていたね。住んでいる所は丘陵地で坂が多い。
登り坂はツラいが、下り坂は楽しい。暴走特急である。

 教室が終わった帰り道、あたりは夕方で少し暗闇が迫る時刻。急ぐ理由など小学生にはないのだが、下り坂は意味もなくスピードを出す。左、右と繋がる下り坂の交差点。スピードの出た自転車の乗り手は安全確認などしなかった。
右に曲がろうとしたその時

ガンっ

右から来た運送業者の車の土手っ腹にぶつかり
吹っ飛んだ。
道に散乱する習字道具。慌てて立ち上がる自分。運転手の「大丈夫?」の言葉に
「大丈夫です!」と荷物をまとめその場を去った。怪我は擦り傷くらい。
家に帰ってからのことはよく覚えていない。

今思うと、車の前方に飛び出していたら
命はなかったかなぁ。

夕方の交差点は気を付けなきゃね。

それでは、また。

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