道路の青い看板は、非常に挑戦的だ。
この話はパリ・オリンピックが盛り上がっている 2024 年 8 月初旬に書いています。
世界が全く注目していない、歴史的な記録も残していない、なんら特別なこともない、一人のおじさんの話になります。
おじさんには、とある背景から「スター山本」というニックネームが付いています。その背景については、またいつか、話すとしましょう。
「道路の青い看板は、非常に挑戦的だ。あおっている。青色だけに。」スター山本は一人、呟いていました。
仕事が終わって、趣味のランニングを楽しんでいる最中のことでした。
スター山本には行きつけのサウナがあり、24 時まで営業しています。最終入館が 23 時です。
そのサウナに車を乗り付け、近隣をランニングしてから、サウナに入る習慣があります。
ランニングできるのは、この日であれば、サウナに到着した 21 時前から 23 時までの大体2時間です。片道1時間の場所までしか行けない、ということです。
1時間走ったところに、青い看板はあるのでした。
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「富士吉田 5km ・・・ほんの少しに見えるが、往復 10 km じゃないか。行ったら、サウナには入れず、汗ビショビショで家に帰ることになる。悔しいな・・・。僕は富士吉田には行けないのか・・・道路の青い看板は、非常に挑戦的だ・・・あおっている」
スター山本はつぶやきました。
そうして、折り返して、サウナに行ったのでした。
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サウナの受付の人が、「月曜日の河口湖の花火大会にランニングで行ったらいいんじゃないですか?」とお勧めしてくれました。
河口湖は、富士吉田からさらに 10km 先にある湖です。
まあ確かに、時間さえあれば、サウナから往復 50 km くらいなので、走っていくことはできそうです。
時間さえあれば・・・
そう、スター山本にないのは、時間なのです。
次の日曜日、スター山本はチャンスを手にしました。
午前中から友人と沢登りに行って、帰りにサウナに着くと、まだ 18 時でした。そう、ランニングできる時間が 4時間あります。
しかし、前日に 10 km のトレイルランニングをし、3 時間睡眠で友人と沢登りした後で、体力的にはまあまあきついものがあります。
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スター山本の住んでいる都留市では、18 時でも気温が 30 度以上あり、ペースは下げざるを得ません。
スター山本が行けても、富士吉田でしょう。
先日のリベンジということです。
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熱を帯びたコンクリート・車の排気ガス・・・灼熱のなか、塩タブレット・アミノ酸・GREEN DAKARA、ポカリスエットを頼りながら、ゆっくりと進み、富士吉田につきました。
富士吉田への道は、富士山に向かって伸びる道で、ひたすらに緩い登り坂が 15 km 続きます。
汗ビショビショになりながら、なんとか富士吉田の入口の交差点につきました。
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「富士河口湖 9km ・・・道路の青い看板は、非常に挑戦的だ。あおっている。青色だけに。」
そうして、折り返して、サウナに行ったのでした。
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実際、目的地についてしまうと、往復しないといけないので、距離がかなり増えてしまいます。サウナに戻ってきたときの「ゴール感」が非常にありました。
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飲み物を買ったコンビニの定員さんにも、なんか不思議な顔をされたし、サウナの受付にいた、他のお客さんにも、注目されてしまいました。
そして、道中に河口湖 9km 、富士宮 59 km という看板を見てしまったのは、紛れもない事実です。
今後も僕は、青い看板にあおられて、生きていくのかもしれません。
道路の青い看板は、非常に挑戦的だ。
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