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結婚は「コスパ」が悪い?

結婚は「コスパ」が悪い、のだそうです。

結婚を「リスクテイク」と考えていませんか?
結婚は「リスクヘッジ」でしたよね。

そもそも、未婚率の上昇や晩婚化というのは、
「自分の結婚したい相手と、自分の結婚したいときに結婚しよう!」
というふうに考える以上、そのように社会が進展していくことは当然なのです。

なぜなら、人口問題に無関心でいることができた50年ほど前の日本では
<見合い結婚>が主流だったからです。
当時、結婚というのは、結婚する本人同士のものではなく、明治民法から続く、家と家の問題(「家」が存続するためのリスクヘッジ)だったのです。
ですから、個人が「結婚は自由であるべき」だという、この考え方を徹底していけば、結果的に、結婚しない人の割合が相対的に増えることになるわけです。


するとここからが問題で、非嫡出子を認めていない日本では、格差の問題・貧困の問題に直結しています。

以前から、日本は相対的貧困率がかなり高い国であり、その貧困層に占めるシングルマザーの割合が半分以上と、日本の相対的貧困率を押し上げる要因になっています。

貧困は世代を超えて連鎖していく傾向にあり、貧困によって教育の機会が奪われると貧困の再生産に陥いるのです。すると、やがて世代を超えて格差が固定され、あるいは社会的分断を生じることが懸念されていました。

とはいえ、離婚後に親権の9割は母親が持つことを考えると、シングルマザーの問題というより、

社会的弱者である「ひとり親世帯」に対する福祉の問題は、
前述した日本経済の構造的な問題とは別に考えるべきでしょう。

厚生労働省によると、母子世帯で就業している人のうち、およそ半数がパートや非正規雇用であり、シングルマザーにとっては、妊娠や出産後の雇用機会の制約がそのまま貧困に陥る原因となっています。
現行の生活保護制度では、収入があった場合はその分が減額されることになっていることに加え、生活保護の捕捉率も他国に比べてかなり低いというスティグマ問題があります。さらに、扶助を受けるためには、福祉事務所に直接行くなどの煩瑣な手続きの必要があります。

終身雇用の崩壊と同時に、企業内福祉の機能が崩壊しつつある状態で、家族福祉まで改変されつつあり、その負担は父母問わず「母親」役に重くのしかかっている、と言えます。

「人間は本能が壊れた生き物」だと、何かに書いてありましたが、
歴史が示しているように、子どもは親という「個」のものではなく、本質的にはその社会という「集団」の責任において育てるものであったはずです。なぜなら、人間は本来「個」では存在しえないからです。

つまり、子どもを育てるというのは「本能」のはずなのに、資本主義市場的な経済活動の方が優先してしまっている、だから「コスト」というふうに考えてしまう。もっと言えば、内田樹が「サル化」と指摘したように、結婚や子育てすらも経済活動と完全に同一化していて、身体的感覚を喪失してしまっている状態なのです。







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