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日本刀の歴史 

黒羽麻璃央がナビゲート「THE HEROES 刀剣×浮世絵ー武者たちの物語」BSテレ東を見た。展覧会を監修された原田一敏先生(東京芸術大学名誉教授)「2018年頃から、ボストン美術館所蔵の600口の日本刀を調べていて、日本刀の歴史が分かるような20口をセレクト。名刀ばかりです!」

この本をもとに、日本刀の歴史を簡単にまとめてみた。

日本刀の移り変わり

①古刀 平安時代中期から室町時代末期
平安時代は優美な姿。鎌倉時代は上品な姿から力強い姿。反りも刀身の中間で反るようになる(元寇の役)。南北朝時代、大型化。室町時代初期(安定した時代)鎌倉時代の名品を写した刀。応仁の乱以降、歩兵戦に適した刃長60cm前後のもの。

②新刀 江戸時代初期から江戸時代後期
江戸時代初期は室町時代末期の雰囲気を残す。平和な時代が戻り、その姿形は鎌倉時代や南北朝時代の姿を映し写したものが作られる。1660年以降上質な出雲や千種の玉鋼が全国に行き渡るようになり、時代を反映して華やかで明るい波紋の美術工芸品的な刀が多く作られる。

③新新刀 江戸時代末期から明治初期
黒船の来航など刀の需要が増えるが、それまで作られた新刀では需要を満たせず、刀が武器であった鎌倉時代や南北朝時代の刀を作ろうと復古刀の機運が高まる。

④現代刀 明治以降
廃刀令(1876年)、敗戦と日本刀はその時々に存続の危機を迎え、美術工芸品として現在も残り、その技は次の世代へと伝えられている。

反りのついた最初の刀。平安時代らしい優美な優しい美しさ。

太刀 銘 安綱 平安時代(11世紀)鉄、鍛造

古墳時代に使用された直刀から反りのついた日本刀が完成したのは平安時代中期と考えられている。その最古の刀工が伯耆国(鳥取県)の安綱である。安綱の作風は鍛えが大模様の板目で、刀文は小乱となって古様を示すが、この太刀も細直刃調の小乱、その特徴がよく現れている。源頼光が大江山で酒呑童子を退治した際に使用した名物童子切もこの安綱の作である。

展覧会解説文より
森アーツセンターギャラリー 2022年1月

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