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VALORANTプレイヤーのAim LabスコアとtDCSの関係

VALORANTプレイヤーがAim Lab内のゲームをやった場合、レベルとスコアに関係はあるのか?今回は簡単にその検証を行ってみました。
また、それと合わせて経頭蓋直流電気刺激(tDCS)と呼ばれる技術を使って脳を外側から刺激した場合、スコアに影響が出るかについても検証しました。

背景

僕たちはGhoonuts株式会社という会社でtDCSと呼ばれる技術を用いて脳のパフォーマンスを向上させるデバイスの開発を行っています。
直近ではこんな取り組みなども行っています。
tDCSは脳を外側から微弱な電気で刺激する技術であり、脳機能の様々なパフォーマンスを向上できる可能性があります。
そんな中、今回注目したのが、tDCSで「ゲーム」パフォーマンスは上がるのか?です。

今回の検証概要

ゲームのパフォーマンスには、「反応速度」や「集中力(注意力)」、「空間認知能力」など様々な能力が必要です。
tDCSの効果として「反応速度」や「注意力」の向上に関する論文はいくつかあり、今回はこのようなtDCSの効果がゲームスコアにも影響を与えるのか検証したいと思いました。
その効果を測る為に今回使用したゲームは「Aim Lab」内の3つのゲームです。

1.Detection

画面上にボールが出て来た瞬間にキーボードのボタンを押すゲームです。


2.HORDESHOT

壁から出てくる人型のターゲットを打つゲームです。

3.Gridshot

画面上に常時3つのボールが出ており、それを素早く打っていくゲームです。

今回はこれら3つのゲームをVALORANTプレイヤーに実践して頂きました。
また、レベル感を一定にするため、今回はVALORANTのランクがゴールド以上の方に参加して頂きました。
その上で、普通に3つのゲームをした群(以下、コントロール群と呼びます。)とtDCSを実施してゲームを行った群の2つに分けてデータを取りました。
スコアは各ゲームを2セット行ってもらい、tDCS群はそのセット間にtDCSを行い、コントロール群はいわゆる偽(シャム)の刺激を行いました。このセット間の比較をPreとPostという形で評価しました。

ただし、今回の検証は参加して頂いた人数が想定より少なかった為、統計的な有意差を出すことを目的としていません。ただ、このままお蔵入りしてしまうには勿体ないデータだったので、仮に同じようなスコアで人数が倍だったらどうか?というデータを出しています。あくまで見世物として見て頂ければと思います。

結果

まずはじめに、ランクと3つのゲームのスコアの関係は↓の様になりました。これはPre時点での評価なので、tDCSは関係ない状態です。
なお、実践は2022年2月だったので、アセンダントのランクは無い時です。

レベルは、ゴールドが1、レディアントが5です。

HordeshotとGridshotはVALORANTのランクと相関関係が見られ、特にHordeshotは比較的きれいな相関関係がありそうです。
もしかしたら、Hordeshotを鍛えることでVALORANTのレベルも上達するのかも知れません。

続いてそれぞれのゲーム結果です。
なお、下図のanodalはtDCS群を、shamはコントロール群を指します。

Detectionの結果を見ると、tDCS群とコントロール群のどちらも大きな差はありませんでした。むしろ差だけで言えばtDCS群の方が遅くなっています。

Hordeshotの結果を見ると、コントロール群の方が大きくスコアが落ちていました。もしかしたら、tDCSによってゲームに対する注意力などが維持された結果として、tDCS群の落ち幅が低くなったのかも知れません。

Gridshotの結果を見ると、tDCS群の方でよりスコアの増加傾向が見られました。もしかしたら、tDCSによって注意力や反応速度が維持・向上した結果かもしれません。

総括

今回の結果は、あくまで参考程度に見てもらえればと思います。
少し参加頂いた人数が少なくなったので、じゃあその数を倍にしてみたら?という結果です。
その一方で、VALORANTのランクとHordeshotやGridshotの結果には相関がありました。この部分は特に補正などは行っていないので、真に近い結果かと思います。もしかしたら、これらのゲームでトレーニングをすることでVALORANTも上達するかも知れません。

今回の検証は、2022年2月に岡山で実施しました。その際は地元のe-Sportsチームである「SETOUCHI ENLIFE(限SPARKS)」さん方にご協力を頂きました。
ご協力を頂き誠にありがとうございました!

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