日本とアメリカとイタリアが混在する異空間、京橋。
『京橋URAで他人のミッション遂行を監視した話』と同じ日、夕食後に京橋駅付近を少し案内してもらった。
「京橋には自由の女神がいるんだよ」
と京橋URAのけんたろくんが上の方を指差したので、嘘だろうと思って空を見上げた。
本当にいた。
しかも、パチンコ屋の上に立っている。
「あっちにもう一体いるんだよ」
と言うので、再び彼の指差す方へ視線を向けると、またいた。道路を挟んだ向こう側に。
二対になっている感じが阿吽や仁王像みたいでだんだん怖くなってくる。漫画の『GANTZ』を思い出して、ここは本当に現実世界だろうか、と眩暈がした。
「あっちの方に行けば真実の口もあるよ。巨大すぎて誰も手を入れられないっていう」
そんな話を聞いたら、もう見に行くしかない。
人ごみの間を縫って、煌々とした光があふれ出している商店街に足を踏み入れる。
すぐそこに真実の口があった。たしかにでかい。精一杯背伸びをして手を伸ばしてみたけれど、指先すら触れることができなかった。
(せっかくなので記念撮影。大勢の人が行き交う中、けんたろくんが頑張ってくれました)
ヒビまで再現されているあたり、よくできているなと。
頬のあたりには吹き出しマークが付けられていて、そこにはこんな言葉が書かれている。
地震・台風・大雨 日本中どこで起きても不思議ではない じゃろ大阪だけは大丈夫だよなんて 神話はないんじゃ 自分の身は 自分で守らねばじゃな今一度 防災意識を考え根ば起こっからでは遅いんじゃ!
お告げ的なことが書かれているのかと思ったら意外と普通。ていうか、何か説教臭いぞ。そして誤字脱字が気になる。
これは誰がどういう頻度で張り替えているのだろう。まったく関係のない人が勝手に貼り付けていたりして。
居酒屋と酔っ払いの街くらいにしか思っていなかったけど、京橋ってこんなにおもしろい街だったのか。探せばまだまだ濃いスポットがありそうだ。
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