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澱(おり)の中に眠る

彼の部屋で手に取った六法全書の中
かつてのわたしたちの表現の一部が
言葉の檻に囚われていた

|罪|罪|罪|

寝返りひとつ打てぬ息苦しさ
文字たちのひしめきは
草いきれのように

その、ありとあらゆる罪を枕に眠る
今宵きみは、
澱の中に沈めたその身で
なにを夢見る

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