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私がなぜ鶴ヶ島市議会に行政文書開示請求をしたのか: @tsuru_shigikai @tsurugashima

本日6月4日、鶴ヶ島市議会に対して行政文書の開示請求を行いました。
以下に内容や動機などを書きます。

開示請求の理由

以下の理由から請求を行いました。

  • 鶴ヶ島市議会に不穏な動きを感じた

  • 市民にとって重要な事項を決める代表者会議および全員協議会を市民は傍聴できず、市民の知る権利が侵害されている

  • 議会のルールである申し合わせ事項が市民に公開されていない


背景と問題提起

私はこれまで約2年間にわたり、鶴ヶ島市議会を傍聴してきました。傍聴を始めたきっかけは、齊藤市長のコロナ対応に疑問を持ったことです。
傍聴を重ねるにつれ、齊藤市長に対する問題意識が高まると同時に、鶴ヶ島市議会に対しても疑問がわいてきました。

市長の市政運営をチェックするのは市議会の仕事ですが、鶴ヶ島市議会は議会としてのチェック機能を十分に果たしていないと感じました。例えば、自民党系会派や公明党の議員は市長が出す議案にほとんど賛成しています。一方で彼らは、3月定例会では市民による「給食費無償化を求める請願」に反対しました。反対した議員はこれまで給食費無償化を求める質疑・質問をしてきたにも関わらず、です。給食費無償化に消極的な市長に忖度したのでは、と疑ってしまいたくなります。このような一貫性のない態度に強い疑問を持ちました。

また、会派に所属していない新人議員に対するベテラン議員の態度にも問題意識を持っています。会議録や議会中継の録画では確認できませんが、現場に行き傍聴すれば、自民党系会派や公明党の議員から新人議員への聞き苦しい野次が飛び、新人議員の発言が妨害されている場面が確認できます。


福島めぐみ議員に対する鶴ヶ島市議会の対応

私は鶴ヶ島市議会に対して中立の立場ではありません。福島めぐみ議員の支援者です。

福島めぐみ議員は昨年の選挙で初当選した新人議員です。当選当時42歳の女性議員です。特定の団体や組織のためではなく市民全体のために働きたい、誰の顔色も見ずに市民全体のために働きたいという理由で、政治団体や宗教団体はもちろん、会派にも所属していません。また、鬱と発達障害で精神障害2級を持っています。このような困難を抱えて、福島めぐみ議員は孤軍奮闘しています。

福島めぐみ議員は新人議員7人の中でトップクラスの回数の質疑・質問を行い、市民からの給食費無償化の請願に賛成し、市民のためにならないと判断した予算案に反対しました。誰も守ってくれない無会派の新人議員にとって、これは大変なことだと想像します。

そのような福島めぐみ議員に対して、鶴ヶ島市議会は差別的な取り扱いをしているのではないかと、私は疑念を持っています。なぜそのような疑念を持つに至ったかの理由は開示請求の内容に関わるので、今回の記事では伏せておきます。
議員は市民からの負託を受けている存在です。無会派の新人議員が多数派の圧力を受けて議員としての仕事に支障が出かねないとしたら、それは市民にとっての大きな損失です。

しかし福島めぐみ議員は多くを語ってくれません。
そこで私は、議会の中で何が起こっているのかを確認するために、今回の行政文書の開示請求に至りました。


開示請求した行政文書

私が確認したい行政文書は以下の通りです。

  • 令和6年4月1日から5月末までの代表者会議および全員協議会の配布資料と会議を記録したものすべて

  • 6月1日時点の申し合わせ事項

「会議を記録したもの」には音声データも含まれます。鶴ヶ島市議会では記録のために録音をしていることを確認しています。録音した音声データが行政文書であることは、総務省も認めており、裁判例でも確認できます。

申し合わせ事項とは、議会内のローカルルールです。破っても罰則規定などはありませんが、暗黙の拘束力が働きます。議会内のルールである以上、市民が求めれば開示しなければいけない行政文書です。


開示の見通し

無会派や少数会派に不都合なルールを画策できる代表者会議と、代表者会議から出された案を多数決で決める全員協議会。これらの会議は市民の傍聴を許していません、密室の会議です。しかしここで決められる全ての事柄は市民の生活に影響を及ぼします。
言うまでもなく、市議会議員の会議を記録したものは行政文書です。必要を感じれば行政文書の開示を請求するのは市民の正当な権利です。

開示決定の期限は2週間後の6月18日です。申し合わせ事項はともかく、「会議を記録したもの」の開示請求を鶴ヶ島市議会は却下してくると私は予想しています。予想される却下理由は、「不存在」か「個人情報が含まれるため」か「代表者会議や全員協議会は非公開」か「公にすることにより、率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ」(鶴ヶ島市情報公開条例 第7条-4 )でしょう。

しかしそれらの理由は、後に覆されることになる可能性が高いです。存在していることは確認していますし、仮に市民の個人情報が含まれればその部分だけ「一部不開示」にすれば良いだけです。残る2つの予想される却下理由は、次に示す他の自治体の事例では認められていません。


参考になる他自治体の事例

情報公開条例は自治体によって微妙に異なりますが、以下のような事例があります。

「各派代表者会議の記録(平成17年1月以降)」の非開示決定に対する異議申立てに係る答申書

https://www.pref.gunma.jp/uploaded/attachment/42736.pdf

核ごみ議事録の非開示は違法 寿都町議会の決定を取り消す 函館地裁

https://www.asahi.com/articles/ASQ3Y7GWTQ3YIIPE02L.html

ざっくり言えば、

代表者会議や全員協議会の会議を記録したものを住民が行政文書の開示請求を行う

議会は開示請求を却下

住民は審査請求・行政訴訟

審査会・裁判所の結論 → 【開示せよ】

という感じです。
傍聴を許していなくても、議員の会議は公開が原則なのです。また、それら会議を記録したものは行政文書であり、請求があれば開示しなければいけないのです。


他の自治体、たとえば仙台市では各派代表者会議を市民が傍聴できます。

https://faq.callcenter.city.sendai.jp/app/answers/detail/a_id/7050/~/各派代表者会議の傍聴方法について教えてください。

また、鶴ヶ島市の近隣市である日高市は、全員協議会を市民が傍聴できます。

https://www.city.hidaka.lg.jp/soshiki/gikai/gikai/iinkai/17123.html

このようなオープンな議会は、2024年現在、決して特殊な例ではないでしょう。


まとめ

率直な印象として、今の鶴ヶ島市議会は市民に対する情報公開の意識が薄く、「開かれた議会」とはほど遠いと感じます。これは2年間傍聴してきた、私の率直な印象です。

今回の開示請求を鶴ヶ島市議会が却下すれば、私は即座に審査請求をする予定です。鶴ヶ島市議会議長の大野洋子(おおのひろこ)氏ほか鶴ヶ島市議会議員各位は、行政文書の情報公開の意味や民主主義について改めて思いを巡らしていただき、市民が納得できる真っ当な判断を下して頂きたいです。

動きがあり次第、また書きます。


鶴ヶ島たろう

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