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なぜ緊急避妊薬や中絶薬はこんなにも高額なのか?2年間かけてビジネスモデルの解像度高めた結果(最近つるたまはこんなことを考えているYO)

このnoteは全体的に「責任を持てない仮説ばっかりの並べられたnote」ですので、参考程度に!!!!あんまり期待しないで読んでください笑
もし、ここに間違っていることが載っていたら、wikipediaのように徐々に編集して直していきます。

みなさんこんにちは!一般社団法人ソウレッジのつるたまです!
ソウレッジでは、現在民間で緊急避妊薬などの避妊薬を無償提供をしており、最終的には国の制度での無償化を目指しています。

2023年3月まで2病院での試運転をおこなってきましたが、同年8月には 16病院まで拡大し、9月には22病院に達する予定です!

詳細はこちら!↓


そんな中で、「どうして緊急避妊薬は低用量ピルなどと同じ成分を用いているのにこんなに高いのか?」という質問をいただく機会が増えたので、ここまで活動をするなかで得た情報をもとに自分なりに仮説を立ててみました。(多分そんなに外れてはないだろう)


製薬業界とは、どのようなビジネスモデルなのか?

まずは、販売できるようになるまでに下記のような初期費用がかかります。大体の「商品をつくって売る」という形式のビジネスはほぼこんな感じです。まあこれも予想が含まれているので違ったらすみません。

《初期費用》

初期費用
=先駆者に作り方を教えてもらうのにかかるお金(ライセンス料)
+薬の開発費・準備費(人件費+材料費+研究機関の家賃とか光熱費とか)
+販売のための承認・免許などの取得費(治験とか)

例として、あすか製薬が日本では承認されていない種類の緊急避妊薬の承認を行おうとしたが、承認申請を途中で取り消して68億円の損失を計上していました。初期費用の金額感は大体このくらいなんかな〜と思っています!(数万円とかのレベル感じゃなさそう!という話)
https://www.aska-pharma.co.jp/news/filedownload.php?name=b8c2130a5c5c0ae96dd2973375d758bd.pdf

この初期費用がまず最初にどーーーーーーーんとかかって、しかも承認は降りるかどうかわからない賭けで、失敗したら何十億円かけて準備した薬は販売できないかもしれない。こりゃあ、ぜっっっったいにたくさん利益が出そうな病気か、かなり安全性が高い薬以外はなかなか踏ん切りがつかないし慎重になりますね。(しかも失敗した分は他の薬で売り上げをたててて補填しないといけない!)

販売できたとしても、その会社が先発薬で市場を独占できるのは10年間だけで、それ以降は同じレシピでもっと安い後発薬(ジェネリック)が開発され、販売シェアを奪われていきます。

逆にいうと後発薬(ジェネリック)は開発費にあまりお金をかけなくてもいいので、安くなります。

商品の価格は、一旦、初期費用を1〜3年くらいの売り上げで回収できるくらいの値段に設定します。(この期間は適当です)

売り上げは、「使用する人数×頻度×値段」で決まります。一旦値段を最後に決めるので、使用者数と頻度を考えてみます。

《使用者数》

計算する便宜上「女性」や「年齢」で区切っています
・全女性人口
・そのうち生殖可能年齢(15歳〜40歳)
・日本の避妊普及率はだいたい半分くらい(参考)
 6000万人×33%×50%=1000万人
つまり、どんなに広げたとしても、全人口の12分の1くらいが上限になります。(コロナのワクチンは、ほぼ全人口が上限なので、これだけで12倍の値段設定が必要になります)

《頻度》

緊急避妊薬を使用する頻度がどのくらいあるか、たとえば低用量ピルのように1ヶ月に何十回使用するか、それとも年に1回程度になるのか、などで値段に影響があります。1人当たり何度も使用する薬の方が安くできます!理屈だけで言うと同じ人が1年間で1回だけ使用するか2回使用するかで、値段は半額になる(かも)

緊急避妊薬においては、アンケート調査で「緊急避妊薬を過去10年間で何回使用したか」という質問には10年で1回が72.3%、2回が20.5%だったので、平均を出すと1年間で0.125回とする。(この計算の仕方があっているかは不明)

《値段予想》

つまり、
上限使用者予想1000万人×0.125回(年)×値段=68億円
(初期費用を回収するための)値段=5440円
初期費用を1年で回収するなら 薬の金額=(人件費+家賃+材料費)/錠+5440円
初期費用を3年で回収するとしたら 薬の金額=(人件費+家賃+材料費)/錠+1813円

先発の緊急避妊薬は病院で販売する段階で10000円〜15000円くらいが多いです。製薬会社→卸しの会社→病院→患者の販売までの過程でそれぞれ手数料を上乗せされるので、まあ適当に製薬会社の取り分が3分の1だとして、15000円の3分の1で5000円となると「妥当そう」な感じの数字が出ました。
つまり、この考察中での結論としては結構値段設定としては、一般的な感じの値段設定なのだと思います。(でも適当だから信用しないでね)

ちなみに中絶薬は
中絶件数14万件×50%(半分の人が飲むと仮置き)×1回(年)×値段=68億円
値段=9万7142円
(中絶薬10万円って値段設定としては激安なのかも…)
https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_1556.html

じゃあなぜ海外は安いのか?

「緊急避妊薬は海外だとやすいのに、なんで日本は高いんだろう…??」

その理由は主に4つみえています。(これもあってるかわからんから参考程度にきいてね)

1 .  治験にかかるお金が安い。卸企業をかませないなど、材料費以外のさまざまな初期投資額が低い。

日本は「海外ですでに販売されている薬に対しても治験をやり直す」など薬を承認するのに慎重めな国で、それはかつて薬害で大きな被害を出してしまったからとのことです。世界には、法規制がされてなかったり、そこまで慎重ではない国もあるので、そういう国とかだと販売前にかかるお金が大幅に下がるので安く販売できるようになります。 

2 . 国が避妊や中絶のためにかかる費用を負担している。

→日本では避妊目的も中絶目的も保険適用にはできません。HPVワクチンのように公費負担の仕組みもありません。
フランスでは、保険で半分・税金で半分出しているから若者は避妊薬が無料、とかそんな感じだったと思います(割合の裏どりしてません)
→イギリスでは、医療費が全部無料なので、つまり医療費は全部無料です。(でも、この結果病院の予約が全然とれないので、メリットとデメリットありますね。あと国家予算の中での医療費の割合がすごくてやばいってきいたきがする。全部デマだったらごめんね)

3 . 市場が意味わからないくらい広い

中国とかインドとかは人口が14億人らしいので、売り上げに対して、初期費用が相対的に安くなります。日本の10倍の人口だったら単純計算で10分の1の値段になるかも。日本で売ったら1万円の薬が中国だと1000円で買えるかも…
また、アフリカなどの人口増加している国も今後爆発的に大きな市場になっていくことが予想されるので、モノの値段を安く設定できるのかも。
日本は人口がどんどん減ってきているので、この課題は深刻化していきます。

4 . 途上国などは、国際協力の文脈で財団や他国の外交などの予算からグローバルヘルス(医療支援)の予算がついている。

→日本は先進国なので、こういう予算はほとんどつきません〜!(これも本当は違うかもなので、気になる人は調べてね〜)

ということで、「ビジネス構造的に高くてもしかたがない薬が、なぜ他の国では安いのか??」を考えると主にこの4点あるかな〜と思います!

避妊を保険適用化すると起きる問題

一時期、出産妊娠が保険適用になるかどうかの議論が進んでおり、私は「避妊薬でも適用できるとよいのではないか?」と考えていました。

しかし、そのことを産婦人科医さんに聞いたら、「健康保険制度は欠陥があり、保険診療は実質赤字なので実現したらお産をとる病院は東京からなくなるよ」とおっしゃってました。

健康保険制度の仕組み

健康保険制度は、全国一律どこの病院でも同じ値段で医療が受けられ、患者さんはその場ではそのうちの3割を負担したら良い、という制度です。(避妊や出産は病気じゃないので、保険適用外)

ちなみに、残りの7割は大体の場合自分もおさめているお金が原資になっているので、「3割しか負担しなくていい!」のではなく「その場では3割負担、実質何割かはわからんね」だと思うのですが、困った時にはなんかお得感あります。
みんなが同じ金額を収めるということで重い病気になった人たちへの格差を是正するための制度としては設計されているのだと思います。(これも適当なこと言ってます。違ったらごめんね。)

健康保険制度の課題

  1. 全国一律だと、家賃や人件費の傾斜を考慮されていないため、地方の値段設定に合わせると都市の病院では「安すぎる〜〜〜給料払えないよ〜〜〜」となる。

  2. 薬の値段は厚労省が決める。しかし、薬の原材料費は年々上がっていくのに、大体の場合薬の販売価格は年々安くなるので、赤字だけど慈善でやっている製薬会社もある。でも、そんなの続けられないので大概は製造を打ち切ることになる。(緊急避妊薬は、いま富士製薬がほとんどのシェアをしめているので製造中止しちゃうとけっこうやばい)

  3. 保険証が必要。保険証使用後は親に通知がいってバレるので、親から性虐待を受けている子たちなどは保険証を使用できない。

  4. 3割は負担をしないといけない。コロナワクチンやHPVワクチンのように公費負担だったら負担がない。

こうなるとお医者さんも製薬会社さんも、保険適用に乗り気じゃない理由もわかります。だって続けられないんだもん。

じゃあ、ここからソウレッジはどうする?

ここまで構造が見えた上で、やっぱり緊急避妊薬と中絶薬は政策提言をして公費負担にする、というのが良さそうだなと思っています。(というかこれ以外に方法がまじでないぜ)

一方で、その他の長期的に使用する避妊薬に関しては、「我々が避妊に関する教育支援をおこなっていくことで市場を広げ、参入企業を増やしていく」などの既存のビジネス構造の中で値段を下げていくことが可能そうだなと思っています。でも、いま以上に爆速でやりたいけどね。
もしかしたら、創薬スタートアップの道をたどっていく可能性も一応ありますが、まだ全然そこまでは見えていません。

たどりつくのは、どこまでいっても「市場の可視化・活性化」になります。
それをいま私たちは性教育とおひさまプロジェクトで行っているのですが、何しろ爆速で進めないといけないので、資金が尽きる未来が見えています

なので!!!!ぜひ「noteおもしろかったよ〜」という方は寄付者になってソウレッジを応援してくれたらうれしいです!↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓


これまで4年間、たくさんの方々のの応援のおかげでソウレッジはこんな感じで進んでこれました!本当にありがとうございます!!!これからもどうぞよろしくお願いします!!!!!!!


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