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自主練と津軽三味線

上は来ず、中は昼来て昼帰り、下は夜来て朝帰り、下下は居続け、そのまた下下は居残りをする。

こんな語りで始まる落語、『居残り』というお話。

吉原などで、お店の女性(いまでいうキャバクラのお姉さん的な?)からしたら引留めるのは社交辞令で、お金払ってさっさと帰って欲しいというのが実情だったりします。

そこへ行くと私なぞは朝来て昼帰るお客ですし、長くても5時間までと時間を決めて、ちゃんとドリンクもフードも最低一品は頼むので、まぁ中の下くらいな人かもしれません。

あ、カラオケ屋さんのお話です。

度胸づけに海で自主練。毎度、犬に吠えられます。

三味線を始めるにあたって悩んだのが『練習場所』でした。家を出てから賃貸を転々としていた私は、楽器OKの物件に出会うこともなく。音痴なこともあって家で楽器や歌を、なんて娯楽とは無縁で、特に困ることもなく過ごしてきました。いざ楽器を始めようと思うとどこでどうやって練習していいものやらネットであれこれ探さなければならず。

実はコロナ禍、私にとって好都合なこともありました。『歌わないカラオケ屋さんの使い方』なんて特集がテレビやネットで散見され、『なんだ、練習できるじゃないか!』とこれもまた和楽器を始めるきっかけのひとつになった訳です。

海外では、カエルの歌が弾ける程度でも路上でパフォーマンスをすると拍手が起こる、なんていう話を聞きました。日本ではというと、知ったふうな話になってしまいますが、少なくとも我が家の近隣では楽器=騒音扱いで、奏者でもない限りは路上パフォーマンスなんてもってのほか、家でこっそり練習していたって苦情が来るのは当然という状況です。我が家に限らず、ご近所トラブルの多くは騒音問題だというのも、楽器を始めるにあたって、障壁のひとつかもしれません。気軽に音楽を楽しむことすらできないとは、なんとも寂しい限りです。

前述の通り、歌は歌いませんのでカラオケ屋さんへ行ってもほぼ機材は触りません。マイクを使いませんから消毒の必要もなく、なんなら機械が壊れていたって構わないわけですから、お店の方にとっては好都合なのではないか?と勝手に妄想しつつ、時間を作って足を運ぶのです。

初めて借りたスタジオは無音でちょっと怖かった

先日、はじめてスタジオなるものを借りました。壁一面がガラス張り、自分と向かい合わせになりながら黙々と練習ができる、こりゃすごい。外の音も聞こえませんし、自分で用意しなければBGMもありません。ただ心配なのは、「ダンススタジオ」と書かれており、楽器屋ていいとは書かれていない無人のスタジオだということ。あとで「うるさいので出禁です」と言われるのではないかと内心ドキドキしています。

レンタルスタジオ スタジオディライツ大船

他にも色々練習できる場はあるのかもしれません。見つけたら後日談でも書いてみようと思います。あぁ、安息の地、心置きなく練習できる場所が欲しい。

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