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鷗軍不定点観測2022【13】

5月6日(金)vs. ソフトバンク @ZOZOマリン

5月6日(金)vs. ソフトバンク @ZOZOマリン
[敗]田中靖●3−5 [勝]津森[S]モイネロ


17時30分。テントや机をたたんで物件の玄関にしまう。最近は建売にもシューズインクロークが備わっていて玄関が広い。
ウエアに着替えて17時50分。日の落ちるのがだいぶ遅くなって、まだ明るい。

「今夜は朗希じゃぞー」道路に出てストレッチをしていたら向かいの集合住宅のベランダから声が掛かった。主人が洗濯物を取り込んでいた。
「ラジオ聴きながら走りますー」僕はイヤホンを見せながら答える。
「おおそうか。気を付けてなー」彼もランニング愛好者だ。

スタンドは満員御礼らしい。RKBラジオ実況の菅野さんが「NPB最高峰のマッチアップ」というフレーズを何度も繰り返す。ホークスの先発は千賀だ。

一回表。三森がいきなり遊飛。やはり初球から打ってくるよね。牧原大の捕ゴロが内野安打になる。当たりそこないが幸いしたみたいだ。柳田の二ゴロで封殺。グラシアル右前打で2死一、二塁。
中村晃が三遊間を破った。職人的な流し打ちが目に浮かぶ。柳田が三塁を回った。右翼手は菅野だ。好返球のようで、実況の菅野さんが興奮している。柳田と松川のクラッシュを想像した。タッチアウトだ。
どの打者も仕掛けが早い。柳田も中村晃も初球だった。
こないだのオリックス戦と同じ出だしじゃないか。今日も荒れるのか?

一回裏。髙部と中村奨が左前へ連打。佐藤都が初球で送ったが、山口三振、菅野左飛で無得点。「カットボールの制球が甘いかも」と解説の薮田さんが言う。

国道を選んで走った。長辺3km×短辺2kmの長方形を一周する。小山市内は歩道が広くて走りやすい。ファミレスも寿司屋も焼肉屋もコメダも広い駐車場が埋まっていた。営業を終えた小さな不動産屋がカウンターのテレビを観ている。野球のようだが窓越しではどの試合か判らなかった。

両投手とも良いときの「圧倒的」という感じではなさそうだが、走者を出しても得点を許さないイニングが続いた。どちらも決定的なフォークボールを持っていて遊び球もほとんど投げないから、打者は基本的に早打ちだ。

1時間弱のランニングを終えた。
四回表。1死から柳町が左中間二塁打。フェンス直撃のようだ。上林がカウント1-0からファールを6球続けたが、8球目のフォークを空振りした。2死。
ネクタイを締めていたら今宮が右中間を破った。0-1。

車を出す。
四回裏。菅野が左中間を破る二塁打。菅野は好調を維持している。スタメンが増えるだろう。安田の三ゴロに菅野は動けず1死。詰まった当たりではない。左打者が3球目に本当に選択するべき球だったのだろうか、と考えてしまう。
小山市内を抜けて新4号国道に乗る。
レアード中前打。投ゴロだった可能性もあった打球で、菅野は一度二塁に戻りかけたみたいだ。一、三塁。
エチェバリア三ゴロ、松川三振で無得点。千賀の尻尾をつかめそうでつかめない。

五回表。佐々木朗は1番からの攻撃を3者三振で終えた。

今日はチバテレで中継がある。茨城県内に入ったところで試しにチャンネルを合わせたが、静止画だった。ダイアルアップ接続時代を思い出す。ラジオに戻ったら髙部が出塁していた。五回裏だ。中村奨が送って、佐藤都は四球を選んだ。
山口が初球、三塁線を破った。僕はぱたぱたとハンドルを叩く。1-1。
菅野も初球だ。打球が千賀の脚に当たって三遊間を抜けたみたいだ。走者2人が還った。3-1。菅野は今日が誕生日だ。1死一塁。

安田も左中間を破った。菅野は三塁を回ったようだ。回すんだ?余裕なのかな?-タッチアウトだった。三塁を狙った安田も甲斐が刺した。
1死だ。走者をためる選択ははかったのだろうか。中継プレーがよほど良かったのか。相手は千賀なのだ。
四回の安田の打撃同様、疑ってしまう自分が嫌だった。

茨城と千葉の県境を越えた。チバテレが動画になった。
千賀は五回を投げて降り、松本裕が継いだ。
佐々木朗は六回も三者凡退で終えて東條に代わった。

七回裏。1死一塁で菅野の場面、ホークスは嘉弥真に代える。嘉弥真はストレートの四球を与えた。
マリーンズは安田の代打に岡を送る。代えるんだ?さっきの打撃できるんなら、このまま打たせても面白いんじゃ?だから疑うのやめろってば。
岡は空振り三振だった。

ゲレーロもどうにか八回裏を無得点で凌いで、益田に繋いだ。
柏市に入った。今日は酢を頼まれている。
上林が振り逃げで出塁した。柿沼がファールをアピールしたが受け入れられない。リプレイでもバットにかすっているように見えるけれど。今宮は一直で1死。難しい外角球をミートした。アウトにはなったが、今宮はコンディションがとても良いのがわかる。明日以降も怖いと思った。

代打に中谷が送られる。今日の益田は躍動感あって、球のキレも良かったと思う。この低さで制球できていれば長打はなさそうだった。
21時になったら野球中継はサブチャンネルで行うと、アナウンサーが伝えている。中谷のカウントが3-2になるのと、21時になるのと、僕がウエルシアの駐車場に入るのがほぼ同時だった。
ギアを「P」に入れ、iPadで「パTV」を開いた。一度目は上手くいかなくてリロードすると、映し出されたのは大きく目を見開いた益田のアップだった。

中谷が三塁をゆっくりと回っている。2ラン?マジで?
リプレイが出た。外角のスライダーが高い。ライオンズに勝った試合の最終回にも、外崎に同じ球を適時打されていると思う。シンカーでよかったんじゃ…

「まっすー、やっぱりまだ完治してないのかな」酢を受け取りながら妻が言う。

試合は十一回表にホークスが2点を勝ち越した。
1死一、三塁でグラシアルの飛球が前進守備の中村奨の頭を越えた。バットの先端だった。内角は怖いよなあ。でもなあ…

やめよう。配球は結果論だ。

5月7日(土)vs. ソフトバンク @ZOZOマリン
[敗]石川●0-16 [勝]大関

昨日来場したお客様が、ご主人の両親を連れてきてくれた。約束よりも1時間早くて驚いた。積極的でうれしい。
最近は両親が僕と同年代ということが増えたが、今日はもう少しご年配だ。少し訛りがある。ふうん、栃木はこういう感じなのか。
6年生の男の子が通う小学校区の別の物件にもお連れしてご覧いただいた。

お見送りして、「速報」を開いたら石川が5点取られていた。5点?
三森の先頭打者本塁打。
二回表は甲斐のスクイズ(案内の途中に妻から『スクイズかあ』とLINEがあった)。
三回表は四球と3連打で3点。

弁当を広げながら経過を見た。先週の石川とは別の投手みたいだった。前カードで山本由伸を打ち、ほぼ全員の調子がいいホークス打線だとしても。

四、五、六回表を小沼が跨いだ。
五回に1点は取られたが、良い投球をしているのが文字でも分かる。僕は連休中の観戦で通信量をすでにリミット近くまで使ってしまったので、「速報」で我慢していた。余程のことがあれば「パTV」を開こう。

七回表に、療養から戻った佐々木千が投げた。
『千隼のフォームが変わった』妻からLINEが入った。「パTV」を観た。
『2段モーションやめたのかな』
『ね』

中村稔が八回表に2点を追加された。長打の間に四球を挟んでピンチを広げている。確かに怖いとは思うが向かっていってくれ、と思った。0-8だ。
跨いだ九回表は1つのアウトも取ることができなかった。6連打のうち4本が二塁打だった。ホークスのチーム全体が「ゾーン」に入ったか。大量リードの気楽さか。0-13になった。
このあとに柳田を迎えてマウンドに登る田中靖を気の毒に思った。相当の胆力がないと火消しできないだろう。初球から更新に時間がかかった。
「①左中本塁打 +2点」。
昨日今日で柳田が逆方向に打ったのはこれが初めてだった。無駄な力が抜けたか。

大関は九回116球の完封だ。被安打3、奪三振6。荒れ気味の投球内容に感じたが、与四球は1つだった。見事な投球だった。

八回表に1死満塁で、柳田の一ゴロで1点入った際の「送球できず(エチェバリア)」が理解できなかったので帰宅してからリプレイを観た。
一、二塁間のゴロで「3-6-1」の併殺が成立していなかった。中村稔が一塁ベースカバーを怠っていた。もうあの時から平常心ではなかったのかもしれない。

5月8日(日)vs. ソフトバンク @ZOZOマリン
[敗]ロメロ●4-8 [勝]杉山

朝8時、家を出る。柏サッカー場の裏手から、柏駅までのショートカットになる細道を使って国道向かう。赤い出で立ちの小さな集団がいくつも逆方向から歩いてくる。ホームのサポーターより出足が早いじゃん。

今日は13時試合開始だ。テントの下で弁当を広げた。ロメロが3球目を三森の肩にぶつけた。今宮にはストレートの四球だ。開始からまだずっとボールだ。ロメロが少し苛ついている。柳田の3球目にようやくストライクが入った。柳田とグラシアルは抑えたが、中村晃に左中間を破られた。0-1。ロメロが打球の方向を見ながら小さく首を振る。

マリーンズのユニホームは肩もピンク、帽子のつばもストッキングもピンク。主審のマスクも腰に着けたボール入れも、ベースまでピンクだった。母の日だ。

一回裏。髙部が投強襲安打で出塁すると、菅野のバットは特に発色がきれいでイチゴポッキーみたいだった。そして3球目をそのバットに乗せた。右翼席中段へ美しい軌道が描かれる。鶏モモの塩焼きを咀嚼しながら少し泣いた。勇気が出る。

ロメロはエンジンがかからなかった。三回表に3安打1犠打で2点、四回表は3安打1死球で3点を失う。ホークス打線は確かに好調だが、三森への死球から、ずっとボタンの掛け違いが続いてしまっているみたいな投球だった。本人もかなり不本意だっただろう。

マリーンズ打線は振れていないから強気に内角を攻められ、点差もあるから遊び玉なしで勝負球を放られ、面白いように(面白くないけど)アウトを重ねていく。攻撃が加速度を増して淡白になっていく。

「速報」に切り替えて昨日のお客様を待った。今日は6年生の男の子が午前中に野球の試合を終えてやってくる。
五回表に、代わった佐々木千も2点失った。千隼も勢いを止められないのか。

男の子は「8番・センター」だそうだ。試合には勝って、ご機嫌だった。
どこのファン?「巨人とエンジェルス!」

マリーンズは4連敗だ。
中村奨かレアードのどちらかでも「通常営業」してくれたら打「線」になると思うんだけれど。
おそらく中村稔が抹消されるだろうが、そうなると一軍ブルペンに左腕がいなくなる。鈴木昭がどれくらい復調しているだろう。二軍も雨やコロナで中止が続いているから未知数ではないか。
もしかしたら、次のカードから捕手の使い方を変えるだろうか。

「こんな試合ばっかじゃ書くことないよ」
「たまにはいいんじゃない?あんたの文章、最近長いから」
はーい。

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