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鷗軍不定点観測2022【14】

5月10日(火)vs. 楽天 @楽天生命パーク
[敗]小島 ●7−0[勝]田中将



残業しながら横目で「パTV」を観た。
田中将は気合と出力の歯車がしっかり噛み合っていた。制球の格が違う。炭谷が思い描く軌道を狂いなくなぞっていた。
小島も悪くない。球がキレている。

二回裏。四球の島内が二盗(リクエストが覆った)。2死後に黒川の左前打で島内が本塁を狙ったが、菅野が阻んだ。ホークス戦に続く好返球だった。

三回裏まで観て、駐車場に向かう。東北放送の解説は山村宏樹さんだ。まだ甲府工業で教えているんだっけ?

四回表もあっという間だ。エンジンをかけるころには2死になっている。佐藤都が2球で三飛に終わり、田中将はここまで42球だ。
小島も中軸を抑え、四回を終えて58球。

五回表。レアードと安田が連打して一、二塁。それぞれが引っ張っての安打だ。どんな当たりだったのか。
山口には初球からバントのサインが出た。バントなんだ?エッちゃんと柿沼に賭けるんだね?山口はバントを2つ失敗し、サインがバスターに変わった4球目を空振り三振した。ベテランのバッテリーは全く慌てていない。
エチェバリアは初球を遊ゴロで安田が封殺。柿沼に今日2本目を期待したけれど中飛で万事休すだ。前打席は2死無走者の場面だった。田中将も少しギアを上げたかな。

農道をハイビームで走る。この季節はたまにカメが横断していることがあるから気を付けないといけない。

五回裏。1死から黒川と辰己が連打で一、三塁。炭谷が2球目にセーフティスクイズするが、黒川本塁死で2死一、二塁。
西川が8球粘って四球。嫌だな、と思う。
村林に、代打銀次。ベンチが勝負してきた。銀次の代打成績は6打数5安打だ。村林の打球は大きく跳ねて小島を頭を越え、カバーしたエチェバリアもどこにも投げられない、らしい。0-1。
2死満塁で浅村。初球を柿沼が捕逸して0-2。低めの変化球が股間を抜けたらしい。思わず唸ってしまう。浅村は左飛。もったいないなー。

七回表。佐藤都が遊内野安打。レアードが四球を選んで一、二塁。
自宅に車を入れた。
安田にはバントのサインは出ない。中飛で1死。
「わー、やまぐちー!」車を降りたら妻の声が聞こえた。
「打った?」玄関を開ける。
「ゲッツー!」

小島は七回裏を6球で終えた。113球。今日も「ハイクオリティスタート」のまま負けてしまうのか。

マリーンズの八回表が9球で終わると、小島が大写しになった。嘘だろ?八回裏に交代するのは捕手だけだ。
台所の事情を慮っての続投は美談で済む話ではない。昨年の美馬を思い出す。疲労の溜まる夏過ぎあたりに肉体的なしわ寄せがこないか。
佐々木朗は無理で小島は大丈夫という保証はない。本人了承のうえだろうし、科学的な根拠もあると信じたい。

結果的に続投は裏目に出た。山﨑が四球。初球に二盗。浅村が9球粘った末の遊ゴロをエチェバリアが野選。無死一、三塁。浅村も初球に二盗。お株を奪われている。
島内は一ゴロで1死としたが、マルモレホスに左中間を破られた。0-4。

小島が横山にマウンドを譲る。勝つための模索がまた1週間続く。
今日二軍から上がったばかりの横山には荷が重くないか?四球と2連打で3点を失う。0-7。

今日の田中将には4点でも十分すぎた。
八回、九回と、次第に咆哮が大きくなっていく。打者が気圧されている。
107球で完封。さすがの投球でした。

浅村の奥さんのツイートに優しさよりもあざとさを感じてしまう僕は、連敗で料簡が狭くなっているんだ。きっと。


5月11日(水)vs. 楽天 @楽天生命パーク
[勝]河村[S]益田 ○3-1[敗]藤井



「今日は『土居-加藤』が先発だわ」スーパーとドラッグストアを行脚する助手席で妻が二軍のチェックをしている。
「土居が先発やんのか」
「足りないんじゃない?二木もやっぱり故障だったし」昨日、吉井ピッチングコーディネーターが自身のブログにさらっと書いていた。
「巨人の4番誰?」
「香月だよ」

1時間遅れて一軍の試合も始まった。radikoを東北放送に合わせる。
「え?ポニョ先発じゃないのか?」
「藤井が左だからかな?」
「いや、最近のポニョの打撃なら左右関係ないと思うけどな。岡、嘉弥真のときに代打でちょっと酷かったし」
「福ちゃんだって左打ちだもんね」

今日と明日は仙台市内の小中学生が課外活動の一環で、球場内外の仕事を体験しているのだそうだ。スタンドには球団が県内の高校生を招待しているとのこと。それで14時試合開始なのか。楽しい試みですね。

河村も藤井も3ボールにすることが多かった。
マリーンズは二回表、イーグルスは三回裏に、四球を絡めてチャンスを迎えたが、両投手が踏ん張った。特にイーグルスは2死一、三塁で浅村だったが、一塁走者の山﨑が二盗に失敗した。走塁が中途半端だったというから、何か別のサインプレーだったのかもしれない。

四回表。1死から山口が四球を選ぶと、安田左前、岡左中間二塁打、福田秀中前と連打して3点を先取した。僕たちは行脚最後のマツキヨの店内にいた。安打のイラストが3回続くとは。
「3点入ったよ」シャンプーを選んでいる妻の背後から声を掛けた。
「とっきー、もうそんなに打たれた!」
「こっちが取ったんだよ」

買ってきたものを玄関に運び入れている間に投手が藤井から石橋に代わった。五回表2死二塁。石橋は山口に死球を与えたが、安田が浅い左飛に終わった。

五回裏。黒川左前打。辰己が送って武藤も左前打。一、三塁。詰まりながら(わざと詰まらせて)遊撃手の頭を越す。イーグルスの左打者は皆、嫌らしい打ち方をする。
炭谷の初球スクイズに河村は慌てなかった。黒川本塁死。西川が7球粘って四球。満塁になっても河村は表情を変えなかった。山﨑をカウント3-2から二ゴロに打ち取って凌ぐ。

小野郁が好調を維持している。
弓削が中継ぎとは、なんと厚い投手陣か。

七回裏。東條登場。今季は左打者にも攻めた投球をしている。
辰己右前打。武藤三振。炭谷の二ゴロで4-6-3の併殺。当たりが弱かったが、打者走者が炭谷で助かった。この併殺はとても大きい。

八回裏。投手は西野。西川中前打。鈴木は遊ゴロだが、ランエンドヒットが掛かっていて1死二塁。西野はボールが先行する。
浅村は三振してくれたが、島内がフォークボールを三塁線に弾き返す。1-3。
マルモレホスも右前打。黒川四球で2死満塁。
こういう時の辰己は嫌だが、2球で追い込んだのが大きかった。3球目が二ゴロとなる。最少失点で終わった。

「まっすーかな?」
「でしょ?」

九回裏は益田だ。ホークス戦で中谷に同点打を被弾した試合も、悪い投球ではなかった。躍動感が戻っていると思う。とにかく先頭打者は出さずにいこう。
武藤二飛。炭谷の投直を益田が鮮やかに捌く。元遊撃手だ。西川は中飛に終わった。炭谷に代打を送らなかったところにベンチの勝利への執念を感じた。

ヒーローインタビューに河村が呼ばれた。伏し目がちに、恋心を打ち明けるように話す。

「チームの雰囲気が悪かったので」。

直球の告白。


5月12日(木)vs. 楽天 @楽天生命パーク
[勝]美馬 [S]益田○5-2[敗]岸



菅野が抹消された。昨日からどこかを痛めていたようだ。一軍常駐のチャンスだったが、残念。代わってマーティンが戻ってきた。

端末で契約書を作成しながら、横目でスマホの「パTV」を見る。
「そんがいばいしょうせいきゅう」が「損害賠償制球」と変換されるようになった。

岡が二塁ベースをゆっくりと回っている。文書に集中している間に本塁打を打った。四球のマーティンを置いて2ランだ。リプレイを観る。直球を左中間の一番深いところに運んだ。ツボに入ると飛ばす。三回表、2−0。

美馬も岸も丁寧に投げている印象だ。走者は出しても、ここぞというところの請求、じゃなくて制球は間違えないように。
岸のほうが少しばかり甘い球が多かったかもしれない。

四回表。1死からマーティン右翼線二塁打。岡三振のあと、エチェバリアがカーブを思い切り引っ張って左翼線二塁打。3−0。エチェバリアは前の打席に同じ球で空振り三振していた。ヤマを張っていたかもしれない。

五回裏。辰己四球のあと、山﨑が右中間三塁打で3−1。炭谷遊ゴロで1死を取るが、西川の2球目が暴投になった。3−2。右打者の頭の上くらいの球だった。何を投げようとして抜けたのだろう。
それでも西川を三振、鈴木をニゴロに抑えて、美馬は勝ち投手の権利を獲る。
六回裏も2死二、三塁のピンチを作るが凌いだ。絶対に高めには投げない、というバッテリーの意志が垣間見れた。

七回表。エチェバリアが右中間二塁打。松川がスリーバントを決めて1死三塁。髙部のニゴロでエチェバリアが突っ込む。浅村の送球が少しだけずれた。炭谷のミットがそのぶん遠回りする。エチェバリアのスライディングが早かった。イーグルスベンチはリクエストしなかった。4−2。

東條とゲレーロが好投する間に、久しぶりのレアード弾で1点追加した。
九回裏。益田2連投。2死から山﨑が7球粘って四球。炭谷の4球目に捕逸で二進。カウント3−2から直球にバットが空を切った。

西川と浅村を抑えた(調子が下降気味だった?)のが2連勝の要因だと思う。

ベンチ前で抱き合う美馬と益田の姿があった。

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