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【北海道国立公園巡り】阿寒湖から知床へ行くならバスツアーがおすすめ

北海道東部には釧路湿原国立公園、阿寒摩周国立公園、そして、世界自然遺産にもなっている知床国立公園と3つの国立公園があります。
同じ東部ですが、思った以上に距離が遠く、車移動だと体力が必要ですし、巡るコースも悩ましい。そんな方におすすめなバスツアーがあります。

阿寒バスの定期観光バス『釧路知床号』

2022年7月15日〜2022年10月19日までの限定となりますが、釧路駅前〜阿寒湖温泉〜知床斜里ウトロまでの定期観光バスが運行されています。
女満別空港や中標津空港、JRの美幌駅・網走駅・摩周駅でも乗降できるので、他の交通機関との組み合わせも可能な便利な観光バスです。

利用の際には事前予約が必要です。

観光バスということもあってガイドさんもつきます。

阿寒摩周国立公園エリア

というわけで、実際に1泊2日で乗車してきたのでその様子をお伝えしていきますね。
バスの出発は7:55の釧路駅前バスターミナルですが、私は阿寒湖温泉在住なので、阿寒湖温泉の花ゆう香から乗車しました。
阿寒湖温泉街は阿寒湖バスセンター9:40、鶴雅ウイングス9:45、鄙の座9:50、花ゆう香9:55出発となり、そこから阿寒横断道路を通り、道の駅摩周温泉へと向かいます。

道の駅摩周温泉

ここでの滞在時間は約20分です。
トイレ休憩や売店でおやつを買ったりします。

今回のおやつは地元の温泉栽培で作られているイチゴ『摩周ルビー』を使ったいちご大福に決定。
道の駅摩周温泉がある弟子屈町は、温泉熱を利用した果物栽培が盛んになっていてイチゴやマンゴー、メロンなどが特産になっています。

摩周湖第一展望台

摩周湖には3つの展望台がありますが、このバスが立ち寄るのは売店がある第一展望台です。
摩周湖といえば霧に煙る光景を思い浮かべる方が多いと思いますが、この日の摩周湖は霧に煙るどころか雲の中に入ってしまっていて真っ白。湖が全く見えない天気でした。何回も来ている摩周湖ですが、ここまで真っ白なのも逆に珍しい。

さて、この摩周湖第一展望台はこの夏に『摩周湖カムイテラス』にリニューアルされました!

展望デッキには摩周湖をゆっくり眺められるベンチが設置されます。
このベンチ、ふかふかで、うっかりすると寝ちゃいそうです。

イートインスペース、売店もリニューアルされていて、摩周湖を眺めながらおやつタイムが楽しめます。

イートインおすすめランキング
1・摩周ブルーソフト・摩周霧ソフト
2・摩周いもだんご
3・摩周の大豆で作った珈琲

摩周湖第一展望台の滞在時間は30分。しっかり遊べます。

硫黄山(アトサヌプリ)

そして、緑豊かな光景の後には、白い噴煙が立ち上り荒々しい光景が広がる硫黄山へ。

山から噴き出す噴煙は火山活動によって出される亜硫酸ガス。そのガスは焚き付けの原料となる硫黄成分や温泉を産み出していて、この温泉は麓にある川湯温泉の源流となってます。

硫黄山(アトサヌプリ)は標高512mと低い山なのに、亜硫酸ガスの影響で植物の生育ができない環境です。その代わり、ハイマツやエゾイソツツジなどの高山植物の群落が見られます。

硫黄山(アトサヌプリ)の滞在時間は30分あるので噴煙の見学がしっかりできます。

川湯温泉の各ホテルへ

硫黄山を泉源とした豊富な湯量を誇る川湯温泉。強酸性硫化水素を含む明ばん・緑ばん泉、日本でも数少ない火山性特有の泉質で療養泉としてのリピーターが多いそうです。

川湯温泉の『川湯』は、湯の川があることに由来しているそうです。道南に湯の川温泉があることで、文字を入れ替えて川湯になったんだとか。

その川湯温泉街の各ホテル(お宿欣喜湯別邸忍冬・川湯観光ホテル・お宿欣喜湯)で乗降車できます。

屈斜路湖 砂湯

お次は日本最大のカルデラ湖、屈斜路湖畔にある砂湯へ寄ります。

砂湯というのは、湖畔の砂を掘ることで温泉が出てくるところで、自分で掘ってその温泉を楽しむことができます。

砂湯に向かって左側にレンタルショップがあり、砂を掘るスコップのレンタルや寛ぎグッズのレンタルがあります。

とはいえ、滞在時間が20分なので、設置されてる足湯を楽しむか、既に掘られている砂湯を楽しむくらいの時間です。
屈斜路湖で1970年代に始めて目撃されたという未確認生物『クッシー』の像で記念撮影。

ご当地キャラにはあまり反応しないタイプなんですけど、せっっかくのバス旅だし。いつもとは違ったことをしたくなります。

道の駅ぐるっとパノラマ美幌峠

砂湯を出発して、屈斜路湖プリンスホテルを経由したあとは、屈斜路湖のパノラマ景観を楽しめる『道の駅ぐるっとパノラマ美幌峠』へ。北海道道の駅ランキング景観部門では6年連続の1位を獲得する、景観スポットでもあります。
ですが、この日は雲の中で辺りは真っ白。標高が高い場所なので、寒さもあり施設内で過ごすことに。
滞在時間が1時間と長めなので、ここでランチタイムです。

『道の駅ぐるっとパノラマ美幌峠』のレストラン、売店は2022年4月にリニューアルされました。レストラン『海空のハル』は地元美幌町の食材を使っています。

今回は『美幌豚と行者にんにくの醤油ラーメン』にしました。麺には美幌町で栽培した小麦が使われています。

そして、器がとても綺麗!

こちらも美幌で作られているものだそうですよ。
青が綺麗なオホーツク焼き

お隣の売店で購入可能です。

阿寒摩周国立公園からオホーツクへ

ここまでのルートは阿寒摩周国立公園内となります。
約4時間ほどで阿寒摩周国立公園の見どころスポットの半分以上を廻れました。

さて、ここからはオホーツク方面へと向かいます。

ひと山越えだけなのに景色はガラッと変わります。
オホーツク地域の内陸部は農産物が盛んで、広大な畑の景色が広がります。
夏の風物詩ともなっているのが、刈り取った後の麦をまとめる『麦稈ロール』です。

畑の向きによってロールの向きが違ったり、並べ方に特徴があったりで、この光景を見るとなぜかテンション上がるんですよねー。
いつもは車を運転している状態なのでじっくりその姿を見ることができなかったんですが、今回はバス旅。念願の車窓からのショットをゲットできました!

JR美幌駅では乗降車、女満別空港で降車のために停車し、畑の光景がまるで絵画のような『メルヘンの丘』を通り、JR網走駅を経由して海沿いへと向かいます。

道の駅流氷街道網走

港にポツンと浮かぶ帽子岩を見ながら、オホーツク海の景色を楽しむことができる『道の駅流氷街道網走』へ。

ここでは約20分の滞在になります。

海沿いの道の駅ということもあって、海産物がたくさんあります。海の活気は独特な雰囲気がありますね。
網走は映画のロケ地となったところが多くあって、ロケ使われたセットの展示などもあります。2階のフードコートは15:30までの営業なのですが、映画の機材の展示もされています。

オホーツク海の景色に沿いながら知床斜里へ

そして、ここからオホーツク海の景色を楽しみながら、知床斜里方面へと向かいます。

網走から知床斜里の海沿いはJR釧網線が走っていて、各所の駅を見ることができます。
駅自体は無人駅なのですが、カフェが併設されている駅や、展望台がある駅、映画のロケで使われた駅など、それぞれに特徴があります。

オホーツク海にいちばん近い駅『北浜駅』

通りすがりに車窓から見る程度ですけど、駅舎の風情がしっかりと見えます。

そして、海で釣りをしている人の姿も。
鮭釣りをしているんだそうです。浜沿いに竿がたくさん並んでました。

かたや、内陸側では、放牧されている牛や馬の長閑な光景を見ることができます。

濤沸湖(とうふつこ)はアイヌ語で山の口の意味

横長の濤沸湖。
運転しながらだと、その景色をなかなか楽しめないのですが、バスに乗っていることで見慣れた景色もしっかりと楽しめます。車高が高いので、見晴らしも素晴らしいです!

知床斜里の見どころスポット

知床斜里を代表する『斜里岳』が見えてくると、いよいよ知床地方に入ります。

佇まいがかっこいい『斜里岳』
斜里(しゃり)はアイヌ語の「シャル」が訛ったもの。葦の生えた生えた湿原と言う意味。

天に続く道

道の先が空へ向かっているように見えるこの景色、『天』につながっているように見えることから『天に続く道』と名付けられています。
道東・斜里町の峰浜から大栄地区まで続いている直線ルート(国道334号・244号線/斜里国道)は、その高低差で不思議な光景を作り出しています。

『天に続く道』の見学場所は、スタート地点と呼ばれるスポットがあるのですが、大型バスは駐車できないので、その下にある「名も無き展望台」からの見学になります。
見学時間は約10分ほどですが、充分に景色を堪能できました。

この展望台は地元の方が作られたんだそうです。
オホーツク海をはじめとした、斜里の景色を大パノラマで楽しめます。北海道ならではの広大な景色は解放感たっぷりです。

9月下旬から10月初めにかけては、夕暮れ時がおすすめです。
夕陽が道の先端に沈んでいくのですが、その光景は幻想的を通り越す絶景が見られます。
釧路知床号での立ち寄りは9月30日までとなります。

オシンコシンの滝

知床八景のひとつに数えられ、知床最大の滝として知られる「オシンコシンの滝」
途中から流れが2つに分かれていることから「双美の滝」とも呼ばれ、「日本の滝100選」にも選ばれています。

滝の中ほどの高さまで階段で登り、間近で見る幅約30メートル、落差約80メートルの滝は迫力があります。
夕陽に照らされる滝の姿は、神々しさも感じられます。

オシンコシンとはアイヌ語のオ・シュンク・ウシ(そこに・エゾマツが・群生する・ところ)に由来にしています。
滝になっている川はチャラセナイと呼ばれていて、アイヌ語のチャラセ・ナイ(チャラチャラと滑り落ちる・水)に由来にしています。

この滝を振り返ると、オホーツク海の美しい景色も見ることができて、一度で二度美味しい観光スポットです。

駐車場の前からの景色も素敵すぎます。

オシンコシンの滝に立ち寄れるのは8月末までとなっています。
9月に入ると日没が早まるため、この夕景を見ることができません。

オホーツク海に沈む夕陽を見ながら宿泊施設へ

知床に入ると、オホーツク海沿岸には大小さまざまな岩が点在しています。
それぞれに特徴があって、名がついている岩が多いんです。

親子岩の間からは夕陽が見えたり…

亀岩は、夕陽に照らされて物憂げな感じを醸し出していました。

オホーツク海の夕景をたっぷり楽しみ、18:30前後に各宿泊施設へと、バスは向かいます。

知床には観光ホテルがいくつかあります。
今回私は『北こぶし知床ホテル&リゾート』さんへ宿泊しました。

足湯でまったりしながら旅の余韻にまったり浸ってました。

かなりボリュームのある内容となってしまいましたが、一日かけて回るコースなので、満足度がかなり高いです。
各スポットの立ち寄り時間もちょうどいいですし、なんといってもガイドさんの解説がとても楽しく、詳しく話してくれるので、見どころをしっかり押さえることができました。
その場所の経緯を事前に知ると、写真も撮りやすいんですよね。

じつは、バスの旅って窮屈なイメージがあったのですが、今回乗車してみて、そのイメージは間違っていたなと反省しています。

次回は知床から釧路へ戻る『知床釧路号』をご紹介しますね。

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