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ムロフェス 2024 初日 レポ(軽く)


やっと、この季節がやってきた。いや、やってきてしまった。
灼熱の横浜赤レンガ倉庫にて行われるMURO FESTIVALに今年度は両日参加することになった。

この日は一段と暑く休憩に休憩を重ねてしまい、ほとんどのバンドを通しで見ることが出来なかったため、通しで見たバンドのみを書いた初日のレポ。
(シンガーズハイ→藍坊主→the 奥歯's→KALMA→炙りなタウン→打首獄門同好会→ヒトリエ→Maki→四星球→Atomic Skipper のみのレポ)


10:00〜 【ムロ海ステージLEFT】

シンガーズハイ


朝から猛暑というより酷暑な横浜。そんな朝早くからここに来たのはシンガーズハイというバンドがトッパーを務めているから。
今やJAPAN JAMのクロージングアウトも務めているバンドを朝から持ってくるムロさん流石である。

climaxからスタートする。歌い出しが聞こえたとともに湧き上がるフロア。Vo.内山ショートも朝イチと思えないくらい力強いハイトーンが出ている。そしてエリザベスニタリという不気味でカッコイイ、シンガーズハイらしい曲の応酬に目が覚める。

曲が終わると水分を摂ることなく内山は横浜出身のBa.みつを目立たせるかのように紹介する、そのみつのベースから始まるセッションを経て人気曲のノールスが流れると大歓声が上がる。結成4年とは思えない完成度の高いバンドアンサンブルにオリジナリティの高い楽曲がシンガーズハイの強さを確固たるものとしている。
続く新アルバムよりパンザマストでも汗だくになりながらほぼノンストップで演奏を続ける。

歌い終わると内山は「ロックとかポップとか区別することすら洒落臭いと思ってる。ごめんね、俺こういうめんどくさい人間なんだわ!」

「でも愛してるって伝えることは出来ると思う!」としてラストにショートチューン愛の屍を叫んだ。

楽曲やボーカルの雰囲気から馴染みにくそうなイメージを持っていたのだが、先のMCに加え
最後には「熱中症気をつけてね〜」と呼びかけるメンバーを見て寧ろ接しやすささえ感じた。
しかしながら35℃を超える中、水分も採らず汗だくになりながら演奏し続けた姿は最高に尖っていた。早起きは三文の徳である。

シンガーズハイ  セトリ

リハ:すべて

1.climax
2.エリザベス
3.ニタリ
4.ノールス
5.パンザマスト
6.愛の屍


11:55~ 【ムロ海ステージ LEFT】

藍坊主

シンガーズハイの次のFOMAREを途中まで見たところで暑さに耐えきれず退散してしまい、体調が改善したところでたまたま見た藍坊主。
名前は聞いたことある程度であったが、ぶっ刺さってしまった。

着くともうスプーンが始まっていたのだが、そのメロディーと歌声と歌詞全てが自分好みでその場から動けなくなった。
"「ただいま」とスプーンに話しても 疲れた自分が映るだけ  「おかえり」が待っている台所がこんなに幸せだったなんて" なんて素敵な歌詞だろうと唸ってしまった。
高校までの学生時代を思い出してしまうような、鞄の中、心の中や日常の一部を切りとったようなハローグッバイにも共通してノスタルジーを感じる。

「夏にピッタリの曲を!」として演奏された プールサイドヒーローズは特に心に残った。
なにか解像度の高い歌詞が少年に戻してくれる。こんな曲があるならこの暑さも許せるくらい、さっきまで「少しでいいから曇ってくれ」と思っていたのに遠く透き通る青空が愛おしくなるような……初めて聞いたのに初めて聞いた感じがしなくて涙が出そうになった。

最後は伝言を歌い上げて終わった。
私が聞いたこの5曲の全てが胸に刺さった。
成人して不安や焦りばかりが蔓延ってるような毎日に、音楽だけが心の拠り所である自分が、こんなに暖かい楽曲に出会えるとは……。
余裕が出てきたらしっかりと聞き込みたいと心の底から感じた。出会えてほんとによかった。


藍坊主  セトリ

1.スプーン
2.鞄の中、心の中
3.ハローグッバイ
4.プールサイドヒーローズ
5.伝言



12:40~   【ムロ赤レンガステージ RIGHT】

 the 奥歯's

大好きな炙りなタウンや、THE BOYS&GIRLSなどがよく対バンをしていたり目にすることは多かったものの生で見たことは無かった 奥歯's。ようやく見れることに。
リハの段階でVo.アサベシュントが「僕の声嫌いなんでめっちゃ(音)下げてください~!」
と笑いを誘っていた

初期衝動継続時間から軽快にスタートする。
曲終わりには何故かQUEENのWe Will Rock Youを歌い出し、笑いを誘いながらしっかりと一体感をだす。そして私の大好きな夏休みへと移るのだが息をつく暇がない。そして何より楽しい。

夏休みが終わるとDr.ジンから高速ビートが飛ぶ。"ゴーゴーリビドー グッドバイブレーション"の力強いシンガロングが巻き起こる 男子中学三年生は正にこれからの歌詞のように終始、Gt&Voアサベシュントが"頭のネジが吹き飛んで"いるかのようなパフォーマンスに目を奪われる。(この曲だけでは無いのだが)

"日本人万歳万歳!!" と叫ぶトラッシュシャワーはリハでもやっていたショートチューン。

「あちぃぃ!!」と何度も唸るアサべだが自分用の水のペットボトルをフロアに投げ込む。

1st e.p.収録の のうふるえるうた羊が好きな君は共に初聞きであったがとてもよかった。特に羊が好きな君は奥歯'sにしか作れないような強くて速いビートに乗せるセレナーデのようであった。

代表曲である鈴鳴メモリーズはやはりいい曲だなぁ~としみじみ思ってしまうくらいに聞き入ってしまう。

「暑くて○にそうだけど、○なないでくたばることは出来るだろ!!」とアサベが叫ぶと最後もトラッシュシャワーで駆け抜けた。
恐らく1番暑くてしんどい時間帯であったが、休憩もほとんど無しでいい意味で"頭のネジが吹き飛んで"いて最高にカッコよかった。
音源を早急に買ってライブハウスで見てみたい。


the 奥歯's   セトリ

リハ さよならラプソディ
リハ トラッシュシャワー

1.初期衝動継続時間 (途中We Will Rock you)
2.夏休み
3.男子中学三年生
4.トラッシュシャワー
5.のうふるえるうた
6.羊が好きな君
7.鈴鳴メモリーズ
8.トラッシュシャワー


14:25~  【ムロ海ステージ RIGHT】

KALMA

ムロ海ステージの中でも若いスリーピースバンドKALMA。昨年無料ステージからのメインステージへの躍進はやはりこのバンドの勢いがすべてである。
個人としては昨年のロッキン以来となるKALMA、1年間で新曲も多くリリースしていたためたのしみにしていた。昼ご飯に時間がかかり過ぎたため本編からの参加となった。

いきなり初期曲のSORAからスタートする。
大好きな歌であるし、エバーグリーンなこの曲はKALMAらしさが詰まっている。
そして今日もGt&Vo畑山悠月は初っ端から全力投球で歌い始める。
続くでは歌い出しにもある"グレッチ"でふと思い出すのだが、畑山はグレッチのギターなのだ。畑山の体からすると少し大きいグレッチのギターだが、厳しい暑さに煽られてなのか体の一部のように体全身で弾くようなプレイングに圧倒された。
ショートチューン1分間の君が好きのあとは人気曲ねぇミスターへと移る。

ねぇミスターでも相変わらず畑山の激しいギターのプレイングが続く。しかし、ラスサビ前に体を打付ける。数秒演奏が止まると「ドラム音ちょうだい」と言ってモーソーが始まる。

こちらもショートチューンで盛り上げたが、どうやらギターヘッドを壊したらしくスペアのギターに持ち替える畑山。
これまた代表曲これでいいんだ が演奏されると、更にフロアは活気づいていった。

どうやらスペアのギターもダメにしたらしく、チューニングに時間がかかりこの日も長袖のBa.斉藤にMCを促す。
チューニングが終わると、「僕たちは北海道の石狩という海に近いところ出身でここも海の隣ということで海にゆかりがあります!」と言ったから ふたりの海を少し期待したが、やはり
夏の奇跡であった。

この曲も約1年ぶりに聞いたがシンガロングが楽しいし心無しか、ムロフェスの参加者は歌が上手い気がする。だからかこのシンガロングが特に気持ちよかった。
ラストはムソウで鮮やかに締めくくった。


畑山はギター2本をダメにしたが、酷暑の中いつもより激しいライブパフォーマンスであったためよりカッコよく映った。

MCではムロさんへの感謝を口にしつつ、「俺たちは言葉より音楽でその気持ちを返していく」と、若さを感じさせなかったが、演奏はいつも通り激しく必死で、そして楽しそうに若々しさ全開だったKALMA。
来年はこの海ステージで、トリ前あたりに来てもおかしくない気がする。


KALMA  セトリ

1.SORA
2.隣
3.1分間の君が好き
4.ねぇミスター
5.モーソー
6.これでいいんだ
7.夏の奇跡
8.ムソウ


15:10~   【ムロ赤レンガステージ LEFT】

炙りなタウン


どんどん進化し続け8月には新譜、9月にはツアーも決定するなど精力的に活動する岡山出身の我らがスリーピースガールズバンド炙りなタウンは、ムロフェス初参戦。
個人としては2月の愛像ツアー以来だったので非常にワクワクしていた。

炙りなタウンの前にRIGHT STAGEでは、我儘ラキアというアイドルユニットが出演しており、Gt&Voゆきなりは  「可愛さでは負けてるらしいので今日は1番可愛くないライブをしに来ました!」と高らかに宣言する。

リハでは8月に発売される新譜も披露した。

まもなく本編に入ると、「海より君に飛び込みたかったぜ」の合図とともに63円から幕開けする。そしてパンクな彼女へいくとゆきなりが客側にダイブをする。それに当たらないように客もステージに向けてダイブするというなんともカオスな状況になるのだが、フロアの熱気は上がり続ける。

馬鹿に続き狼煙をあげろという流れは全く休む間もなく、ダイブとシンガロングの嵐だった。

MCでゆきなりは「正直フェスなんて出なくていいと思ってた。たった20分、30分でワシの何がわかるんじゃ、分かられてたまるかと思ってた。」

「お前らはたった20分で、たった3分の曲で人生がひっくり返ったことあるか?ワシはあるんだよ!たった3分で今まで生きてきた何十年間が!」と叫び続ける。

「今日はそういう日だよ!だからお前の20分をワシらにくれ!!」と叫んで始まったのは炙りなタウンを代表する1998であった。

この日のMCの中で1番グッときた。私も同じ経験をしたことがあるから。(直近だと藍坊主の時とか) その場にいた炙りなタウンを初めて見た人はこのMCから1998聞いたら必ず心が揺れ動いてしまったことだろうと思う。

そしてろくでなしの唄ライブハウスという畳み掛け。2月のツアーでこの2曲に感銘を受けたようにこの日も涙が出そうになった。
やっぱり自分はライブハウスがロックンロールが好きなんだと噛み締めた。

ライブハウスをゆったりと終わらせ、拍手大喝采の中、みなが他のステージへと向かおうとすふと再び不意打ちかのごとく狼煙をあげろを掻き鳴らすして終演した。


炙りなタウン、さすが。楽曲もさることながらやはりゆきなりさんのMCには毎回思いがあり、それが心の奥まで届く。だからこそその想いが込められた楽曲が沁みるのだ。


炙りなタウン  セトリ


リハ プルースター(新曲)
リハ 橋本環奈  (Bメロから)

1.63円
2.パンクな彼女
3.馬鹿
4.狼煙をあげろ
5.1998
6.ろくでなしの唄
7.ライブハウス
8.狼煙をあげろ


16:25~  【ムロ海ステージ RIGHT】


打首獄門同好会


今年結成20周年の打首獄門同好会。生で見るのは初めてだが、SNSでツアーの様子やライブの様子をちょこちょこ拝見していたため興味があった。終始楽しい25分間だったレポ。
(セトリズレてるかもです…)


筋肉マイフレンドで始まった本編。筋肉の部位を一緒に叫びながらヘドバンするのがとても楽しかったし、めちゃくちゃかっこいい。

「お金欲しい〜。皆さん高いチケット代出来るなら戻ってきて欲しいですよね。」として始まったカモン栄一は元々あったカモン諭吉から今年度紙幣が変わったことによって作られた新曲、知らない人でも歌って盛り上がれるからどんどんとフロアに人が増えていく。
"魚魚魚魚"のシンガロングから始まる島国DNAではサカナ(イルカかシャチ?)の浮き輪が頭上を飛び交う。

「今日の横浜、最高気温…36℃……それはもう体温なんですよ…」

ボサノバチックなイントロから急にデスメタル調に"あついあつい"を連呼するなつのうたから水分と塩分補給を促すBUNBUN SUIBUNの流れは夏フェスというか今日ならでは。最後は代表曲日本の米は世界一。暑さにへばって食欲が無かったが、このフェスが終わったあとの夕飯を楽しみにできるくらいにはなれた。

全体を通してしっかり見たのは初めてだった打首。ユーモアに溢れた演出や歌詞にキャッチーで他のバンドと一線を画すメロディーで奏でられる楽曲は振れ幅が大きく、どの曲も聴きごたえがあった。ツインボーカルも力強かったし、生で見てもjunkoさんの年齢は未だに疑いの余地がある。


打首獄門同好会  セトリ※

1.筋肉マイフレンド
2.カモン栄一
3.島国DNA
4.なつのうた
5.BUNBUN SUIBUN
6.日本の米は世界一

※セトリ多少のズレがあるかも


16:55~  【ムロ海ステージ LEFT】

 ヒトリエ


個人的な目当ての1つあるヒトリエ、ただ目当ての1つであるSAKANAMONが被るという予期せぬ事態だったがここは昨年のムロフェスで初ライブを見てツアーにも行っているヒトリエを選択した。

リハではシノダの話題にちょくちょく上がるハヌマーンのリボルバーの歌い出しとゲノゲノゲを披露し、舞台袖に掃けることなくそのまま本編へと移行する。

ツアーと同じセッションからジャガーノートで幕開けする。夕暮れに治安の悪そうな楽曲が響く。そして「これが俺たちの3分29秒」との口上からツアー同様に3分29秒をかき鳴らす。ツアー同様に超攻撃的なヒトリエがフェスで見れているのもその後のMCでも「次のシネマスタッツィ……笑  次のcinema staffどうしてくれようか…」触れているように次のステージが盟友cinema staffであることも一因だろう。

ハンドマイクに持ち替えるシノダ、まさかとは思ったがイガラシによる新曲Selfy charmを披露する。リハの時点からというか今になってシノダの歌唱力の高さについて触れることでも無いかもしれないが、この曲ではシノダの歌唱力が際立つ。

「今年結成10周年の俺たちの最前線を表すような曲を」正に3人のヒトリエが進化し続ける象徴にも感じる渾身の新曲オン・ザ・フロントラインはアニメのタイアップということもありフロアもよく手が上がっていた。

「最後に我々から皆さんに1つお願いがあります。今日1番の声をください。」

そのシンガロングは回数を重ねる毎に大きく強靭なものになっていく。

「wowakaより愛をこめてアンノウン・マザーグース!」今年もムロフェスでこの曲とライブハウスさながらのシンガロングが聞けたこと。
この曲がヒトリエをよく知らない人にも認知されてることが嬉しいし、改めて我々ファンにとってかけがえの無い特別な曲だと実感した。



ヒトリエ   セトリ

リハ  リボルバー(ハヌマーン)
リハ  ゲノゲノゲ

1.ジャガーノート
2.3分29秒
3.Selfy charm
4.オン・ザ・フロントライン
5.アンノウン・マザーグース



18:25~  【ムロ海ステージ RIGHT】

 Maki

今年出会って3度目のステージを見ることになるMaki。未だに5月にクアトロで行われたボイガルとの対バンでのパフォーマンスが脳裏に焼き付いており後方で眺めてきたが、どのバンドよりも前方で見ることにした。

リハで斜陽を連続で流すMaki。いやリハだよね?と疑ってしまうほどのダイバーの数とジャンプする人の多さ、リハの時点でこのバンドの強さに改めて気付かされる。

いきなりアルバムRINNE(サブスク未解禁)収録のこころという驚きのスタートをする。どよめきも起こり、自分も唖然としていたがダイバーの数に目が覚める。
人気曲のストレンジが流れたら先程の倍のダイバーが出てくる。そしてそのダイバーはダイブを終わるとステージの右側から再びフロアに走って戻ってきてまたダイブしに中央へと走っていくという異様な光景を目の当たりにする。
ちょっと他のバンドと訳が違うと思いながら、生活の行方という驚きの選曲に大歓声が起こる。まるでMaki主催のように。

「みんな暑い?俺は今年夏に勝つために体動かし続けてきたから、全然大丈夫なんだけど?」
と煽るBa&Vo.山本に湧くフロア。

そして再び斜陽が流れると「分からない人も一緒に跳ぼう!」とサビで全員でジャンプ、野外なのにかなり揺れてるように感じた。
続けてユースというこれまた珍しい選曲。斜陽に続けてショートチューンを畳み掛ける。
全く勢いを落とすことなく更にギアをグッと上げるように。2分ほどあるからショートチューンとは言い難いが、普通の曲1曲分くらいの時間でここまで満足度の高い時間が過ごせる。
かなり印象的な約4分間であった。

続いてシモツキではいきなりとんでもない声量からの1.2のコール。Makiのワンマンと錯覚するほどのシンガロング。そしてラスサビ前には「夏の暑さよりもお前らとやるいつものライブハウスの方がよっぽど暑ぃわ!!!」と煽り続ける。


ライブハウスでまた会うと約束し、"また君に会えたら"の大合唱が起こる憧憬へが流れたためこれでラストかと思ったのだが、曲が終わるとビール片手に話し始める山本。

集まってくれてありがとうと話し、
「周りに音楽好きなやつがクソほど集まってるムロフェスという空間最高だ」

「でもまだ今日見てない景色がある。今日聞けなかったけど今度聞きたいバンドとか…Maki見てない人もいるけど、みんな音楽が好きなことは一緒!分かるでしょ?」

「最後みんなが肩組んで歌う姿を見たい。素晴らしい景色見せてくれ!」として最後の曲はLuckyだった。
リハからぶっ飛ばしまくっていたMaki、最後の最後には皆で肩を組んで歌えるバラードをチョイスした。
日没が近く暮れ始めてきた赤レンガ、海の風を感じながら、顔も知らないけど同じ音楽好きの仲間と肩を組み歌った景色を忘れないだろう。


やはりMakiはライブがとにかく上手い。ライブハウスで見るMakiと変わらなかったし、この日1番会場をジャックしていたのは確実だった。
初めて見た者のこころをガッチリと掴んだであろう。
間違いなくMakiの時間だった。


Maki セトリ

リハ 斜陽
リハ 斜陽

1.こころ
2.ストレンジ
3.生活の行方
4.ユース
5.風
6.シモツキ
7.憧憬へ
8.Lucky



18:55~  【ムロ海ステージ  LEFT】

 四星球

日本一泣けるコミックバンド四星球。生で聞くのは初だったが、同行者に「本当に面白い」と太鼓判を押されていたり、色々な人から「むしろ知らない方が楽しめる」など様々な楽しみにさせてくれるお言葉を預かっていたからあえてあまり聞かずに行った。


リハーサルする為にメンバーが出るが、フロントマン北島がいないことに気づく。するとダンボール職人のまさやんが「すみません、午前中に静岡でライブしてたのですがボーカルが間に合っておりません…どうしよう…」と驚きのアナウンス。

すると、「私に任せなさい!」とチョンマゲをつけた北島が登場しいきなり笑いをかっさらう。ちょんまげマンのテーマを披露する。
この時にはもう四星球の世界に引きづり込まれており、まもなく私服の北島が焦りながら登場した。

すると産まれたての子馬を北島が演じて始まるUMA WITH A MISSIONでスタート。まさに寸劇。「産まれたての子馬が立つ瞬間みんなに見せたいから前の方座って貰えますか!」しゃがみこむ客。そして「応援して!!」とまさやんが叫ぶと各々\行けー!/\頑張れ〜!/など思い思いの言葉が飛び交う。
そして立ち上がると"ぱっぱかぱっぱからー"に合わせてサークルができ上がる。
続いてこの曲のメロコアver. UMA COREを披露するなど変幻自在のパフォーマンス。

そして間髪入れず代表曲のクラーク博士と僕ではどのバンドにも引けを取らない盛り上がりを見せる。楽しいだけじゃなく最高にかっこいいのである。

このままどう盛り上げるのかと思っていたのだが、北島が「フェスなんですけどバラードやっていいですかね?すみません。4分ちょっとの曲です。」と申し訳なさそうに始まったカーネーションは母親への思いを綴った心温まるバラード。この日にアクトした藍坊主のような日常の暖かみを思い出させてくれる、泣きそうになる素敵な曲だった。
日本一泣けるコミックバンドを思い知った。

そしてMr.Cosmoでも手をUにして無我夢中に叫ぶ面々を見て音楽でひとつになることの凄さを噛み締める。Makiとはやり方は異なるがそれに負けないくらいフロアをひとつにする四星球。
途中でO-Crestの住所の書かれたダンボールを持ち、「普通土日に渋谷でライブハウス空けるなんて出来ないんです!そんな甘くない!!このフェスみんな好きでしょ?なら今度渋谷に行った時O-Crest覗いて見てください!そしたらこのフェス続いていくからさ!」
とストレートに思いを綴る北島にここでも胸を打たれる。

最後は薬草で笑顔でフィニッシュした。そしてきかんしゃトーマスのダンボール工芸品の顔のパーツを取っていくと最後は綺麗にムロの文字が残るというオチまで着いていた。

最初の遅刻の噺の掴みから、カーネーションで泣かせ、再び笑わせたかと思えばライブハウスやフェスへの思いを伝える。
濃密な25分であり、このバンド底知れなさを思い知った。四星球恐るべし。


四星球 セトリ

リハ  ちょんまげマンのテーマ

1.UMA WITH A MISSION
2.UMA CORE
3.クラーク博士と僕
4.カーネーション
5.Mr.Cosmo
6.薬草



19:40~  【ムロ赤レンガステージ RIGHT】

Atomic Skipper


アルカラ、そして久々の登場グッドモーニングアメリカと様々な候補がいる中、Atomic Skipperを選んだのは自分の好きなバンドとよく対バンしてることではなく聞いた全ての音楽が良かったから。


リハから気合い十分の4人。
SEで再び登場するとVo.中町は「ムロフェス!トリ任されたぜ! ストッパーAtomic Skipper始めます」として星降る夜から華麗にスタート。この頃には完全に日も落ちておりこの曲がよく映える。
そして再三煽る中町、そしてドンドン厚さを増していく"星降る夜の中"のシンガロング。
そんな中、空を見ると無数に雷が走っている。

曲が終わる前に中町が客側へどんどんと進んでくる。
「向こうにはデカイモニターがあるけど、こっちには無い。こんな奴が歌ってます。ぐしゃぐしゃな顔で歌ってる私は可愛い。だから、一緒にクシャクシャな顔で歌ってくれる君が好き!」

続いて幸福論。一曲目からあんなにかっこいいMCを見せられてこの曲で圧倒されてしまう。
飛びながらサビを叫ぶ。そして煽り続ける中町から目が離せなくなる。

「いいよなムロフェス、みんな恋しちゃってるんだよなムロフェスにAtomic Skipperに」

として"甘くてドケのある恋"を歌うハニーマスタードを歌い終わると雨が降ってくる。
「お疲れ様、みんな生き抜いてくれてありがとう!でも今が一番熱いわ、みんなで歌おう!」
としてメイビーが流れる。
ダイバーも増えつつこのステージには他のバンドと違った一体感があったように思える。
降り始めた雨に気にも留めるどころか、手が上がり続けて歌い続けるフロア、暗い赤に染る赤レンガ 目に見えるもの全てがこのAtomic Skipperというバンドを美しく見せる。

中町は歌い終わるとムロさんへの感謝を口にするとともに一年を振り返る。

「自分にとってライブハウスが好きとか、譲れない気持ち、自分はこうしたいっていうそれはいつか自分の強さになるって改めて思ったよ。だからみんなもその気持ちを大切にして欲しい。」と話して歌い始める中町。

"確かに恋をしていた" 一瞬で過ぎる日々を君とという新曲で締めくくったと思ったのだが、
中町は「アンコール無しで行く、あっちの海は何があるのかな?みんなで見たいな」

"ロックバンドならあなたの誇りでありたい"
Atomic Skipperがここまで愛されてる理由の曲。ロックバンドならを全員の目を見て歌う。
最後に「ロックバンドが好きな奴、世間から見たら少数派だけどこんだけ集まったら1つのフェスが出来上がるんだ!」と話す中町。

先述したこのステージの他とは違う一体感、それは最後のこの言葉に全て詰まっていた。

終わってみると途中で降り始めた雨と雷が走っていた分厚い雲はどこかへ行ってしまったようだった。
改めてバンドがそしてこのフェスが特別なものに思えた、素晴らしいクロージングアクトだった。


Atomic Skipper セトリ

リハ  幻になって
リハ  ランドマーク

1.星降る夜
2.幸福論
3.ハニーマスタード
4.メイビー
5.一瞬で過ぎる日々を君と
6.ロックバンドなら



(全てを振り返って)


シンガーズハイが出るから朝イチから最後まで参加したムロフェス。けれど実際は1本のアクトごと500mlを消費するし、前方でみれるほどの体力は無かった。
それくらいに酷暑だったのだが、やはり振り返ってみると藍坊主や四星球、アトスキなど初めて見て衝撃を受けたバンドがいるし、Makiや炙りなタウン、ヒトリエなど改めて強さに気付かされたバンドもあり1番好きなフェスだと実感した。

またこの暑い中、レッドブルウォッカ片手に色んなバンドが見たいと切に願う。





困った時のドーピング剤としてのレッドブルウォッカ

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