「すみません、ほぼ日の経営。」を再読して

「すみません、ほぼ日の経営。」を読みなおして、おもに、ふたつの感想を得た。

ひとつは、本書をブランド論として読めることだ。

つうじょう、ブランドはマーケティングと地つづきで、客観的なこと、たとえばデータをもとに、かたられることが多い。

一方、本書で「どうして好きなのか、どこが好きなのかを、じぶんと仲間に問い続ける」(29ページ)とあるように、

ほぼ日では、社員自身のおもしろいこと、好きなことが深堀りされ、それが商品化されていくらしい。そして、それが、おのずと、ほぼ日のブランドになっていっているんだとおもう。こういう感じの会社、あまりないんじゃないかなぁ。

本書を読んだ、ふたつめの感想。

ほぼ日の社長である糸井重里さんは40年前に、西武の「不思議、大好き。」というコピーを書いている。

本書の「第1章」を読んでるとき、このコピーが頭にパッと開いた。

たとえば、このような一文がある。

「好きと言っているものは、やっぱり、どこかに魅力の分量がたっぷりあります。」(27ページ)

念のため、「不思議、大好き。」のボディコピーを、あらためて読んでみると、やはり、ほぼ日は「不思議、大好き。」っぽい印象が再認識された。

さらにいえば、糸井さんのほかのコピー(「おいしい生活。」「ほしいものが、ほしいわ。」など)や、作詞(「自転車でおいで」)も、なにか、ほぼ日っぽい。

糸井さんの思いがあって、あるときは、それが広告のコピーとなり、あるときは詞となり、またあるときは事業になり...という印象。この、ブレのない感じ、そして、なによりそれが実現して社会に出ていくところがスゴイなぁ。





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