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『紫乃さんの三段切れ記事考察』 つる

こんにちは。☆
俳句幼稚園、園医 つる です。♪

紫乃 さんが、三段切れについての
ご解説をされていました。

以下、紫乃 さんの記事です。

三段切れの是非はともかく、
よく、俳句って、
季語に託して詠むといい、と
言われます。

要は、季語を引き立てるための、
残りの言葉(一節)という
考え方が一つあるかと
思われます。

一番、俳聖とも呼ばれる
松尾芭蕉さんの俳句を
三句見てみることに
します。

1.不精さやかき起されし春の雨

(ぶしょうさや
かきおこされしはるのあめ)

2.旅に病で夢は枯野をかけ廻る

(たびにやんで
ゆめはかれのをかけめぐる)

3.秋深き隣は何をする人ぞ

(あきふかき
となりはなにをするひとぞ)

松尾芭蕉翁は、
一体何に気を付けて
詠んでいるでしょうか、
考えてみました。

まず1です。

不精さや、で
切れ字「や」を使って
不精さ、を強調しています。
おそらく一番言いたい
ことなのでしょう。

それに連ねて、
残り12音は、

かき起されし春の雨

と一気に体言止め(名詞、
あるいは名詞形で終わる)
まで詠んで締めています。

切れ字「や」を主役に
立てるため、
体言止めで終わらせる
大人しい十二音を
選んでいる訳と読みます。

不精さを立てるための、
十二音に収めている意識が
伺えます。

その上で、「春の雨」という
季語が立ち上ってくる、
という寸法に思えました。

そして、2です。

旅に病で、との詠み出しには、
連用形で、動きが感じられます。
結局句末も、
かけ廻る、として、
一句の最初から最後までよどみなく
動きに終始させる意図、意識を
感じさせます。

季語、枯野の効用が一見
薄いように見えますけれども、
舞台は、しっかり枯野です。
季語をないがしろにはして
いない印象です。

そして、3です。

秋深き、と連体形で、
次に続く言葉に係ります。

それゆえ、
この時点では、
一句の謎は解けていません。

秋深き、とこれも
少し季語の威力の弱さを
感じますが、
結局は、
隣は何をする人ぞ、と

切れ字「ぞ」を句末に付けて、
一句にメリハリを付けることに
落ち着けています。

人「ぞ」と強く詠嘆できるのは、
ここでも季語、
「秋深き」があるからこそ、
効くのでしょう。

このポイントを押さえて、
拙句を詠んで練習してみます。

季語は、『 春めく 』を
使ってみます。テーマは『本』です。

さて、芭蕉に習えているでしょうか。

1.不精さやかき起されし春の雨

(つる句)春めくや帯の楽しき文庫本

2.旅に病で夢は枯野をかけ廻る

(つる句)春めきて本の帯より楽しめり

3.秋深き隣は何をする人ぞ

(つる句)春めける図書館までの景色かな

くり返しますが、

1は切れ字やに対して

2は連用形を最後まで活かす

3は連体形で始まる上五に
強い印象「切れ字」を
最後に持って来て、
メリハリを付ける。

本文の最初に戻りますけれども、
季語を立てるための、
残りの言葉なので、
一節の「意味、気持ちは一つ」で
詠みたいところと
思われました。

そしてようやく、
三段切れのお話になりますけれども、

実用的な理由として、
季語を立てるために、
二つの節(気持ちなど)が
ありますと、
季語との照応があいまいに
なってしまいます。

季語+一節+一節、の
三段切れに好ましくない面が
あるとすれば、
以上に上げた例による
視点からも追究できるかと
思いまして、
拙い記事とさせていただきました。☆

あくまで、私個人の
俳句観ですので、
色んな考え、作句姿勢のあって、
然るべきとも思っております。☆

私なりの視点から、
三段切れに迫ってみました。

む、難しいぃ。。orz

それではまたです。^^/

つる かく🍂

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