戸籍謄本郵送請求についての疑問と答え

 家系図を作りたいと思い戸籍謄本の郵送請求をしまくった。それに伴って疑問が生じたが調べてもよく分からなかったことやお役立ちについてまとめます。家系図を作る気持ちになってお読みください。調べればすぐ分かるような基本的なことは載ってません。

1.筆頭者の生年月日などが分からない
 数代前の先祖をたどるとき、筆頭者の生年月日が分からないのが普通でしょう。分からない場合は仕方ないので書かずに出せば大丈夫です。本籍地や氏名が分からないのはマズいと思いますが、文字が読めない程度であれば、その読めない戸籍謄本の写しも同封することになるでしょうから、大きな問題はないと思われます。

2.直系尊属が(普通)養子縁組に入っていた
 直系尊属が(普通)養子縁組に入っていた場合は産みの父母の従前戸籍と、養父母の従前戸籍を請求できます。ただし養子縁組時の養父母が片親だった場合、片親とその直系血族が記載されている戸籍のみが請求でき、もう一方の系統は辿ることができません。このようなパターンの場合は名字は存続しても戸籍を請求できる者がいないという事態に陥る可能性があります。

3.直系尊属が再婚していた
 直系尊属が再婚していた場合は再婚前後であっても、その直系尊属が記載されている戸籍を請求できます。(再婚相手の戸籍であっても請求者の直系尊属が記載されていない戸籍は、たぶん請求できないと思います。知らんけど。)

4.そもそも従前戸籍なんて何通あるか分からないのでは?
 親切な市役所ならば請求理由欄から察して電話で聞いてくれますが、そうでないときは何回も請求する羽目になるかもしれません。「従前戸籍は貴庁に存在する全てを辿って請求いたします」等、詳しく説明したメモを同封するとよいです。従前戸籍も併せて請求する場合は、父母系や養父母系なども詳しく指定して、多めに小為替を同封すれば一回も電話せずに済むことも多いです。

5.郵送請求用紙を使いまわしてよいか
 多くの自治体で戸籍謄抄本等の郵送交付請求書がpdfで公開されていますが、使いやすいものを使いまわしてOKです。(大網白里市など、なるべく指定の用紙を用いよと記載のある自治体もあります。どの自治体も指定の用紙を用いたほうが楽なのだろうなとは思います。)戸籍の附票や不在籍証明は自治体によって値段が違う場合があるので注意しましょう。

6.郵便小為替の手数料が高い
 郵便小為替の発行手数料が1枚200円、普通為替証書の発行手数料は1枚550円か770円です(2022年5月現在)ので金額によっては普通為替証書を発行したほうが安くなります。また、郵送物の重さ次第では現金書留(基本料金+435円(さらに5000円ごとに+10円))も安くなります。いずれの場合でも念の為相手方に電話等で確認したほうがよいでしょうが、ダメだった試しはありません。また、金額が不足して再度郵便小為替を送る場合、25gまでなら郵便書簡がオススメです。郵便小為替を真ん中で折って(←あまりよくないけど)63円で送れます(2021年3月現在)。

7.返信用封筒の切手は何円がよいか
 慣例でしょうが、84円か94円切手を貼っておけば基本的に料金が足りなくても届けてくれる気がします。料金不足の場合はついてきた依頼信的なハガキに不足分の切手を貼ってポストに投函すればよいのですが、郵便局に迷惑なので、あまり不足しないように心がけましょう。私は94円切手貼付のうえ、50g超過に備えて46円分の切手、および100g超過に備えて70円分の切手を同封しました。

8.明治19年式戸籍で嫁ぎ先の戸主の上の文字が塗りつぶされている
 昭和43年の法務大臣の命令で塗抹されたようで、華族・士族・平民の別が書かれていたようです。ただし族称でない記述(「医師業」など)は、塗抹されていない戸籍を見たことがあります。