私の不妊治療⑰「ジェンダーリビール」

ジェンダーリビールってご存知ですか?
私は数ヶ月前まで知りませんでした。
海外発祥なのか?
お腹の中の子供の性別を、夫や両親、友人にお披露目することだそうです。

Twitterのフォロワーさん達が自作のケーキを作ったり、様々な方法で性別お披露目会をしているのを目にしました。


でも私自身は今まで経験したこともなく…姉たちの子供の性別も口頭ですっと聞いただけ。

そんな大袈裟に披露するものか?とピンと来ませんでした。

自分のお腹の子の性別はなんと16週(!)という早い段階で分かったのですが、その場で夫に電話してすぐ伝えてしまったほど。

それでも夫に「両親に話しても良い?」と聞いたときに「せっかくならサプライズをしよう」と言われました。

“夫がそう言うなら、やってみるか?ジェンダーリビール。”
軽い気持ちで検索をかけました。


ジェンダーリビールケーキって検索してみてください。
様々なパターン、工夫を凝らしたケーキの画像がたくさん出てきます。
見た目だけでは性別は分からず、ケーキを切って中身がピンクのクリームなら女の子、青や緑のクリームなら男の子、というのがありがちなのですが、、


美味しそう、可愛い、とは思うものの
お腹の中の子の性別は男の子。
…青や緑のクリームって…何…?合成着床料なの…?

イマイチピンと来ず、ただただ自分の好みでフルーツたっぷりケーキにしようとだけ漠然と考えている間に時が過ぎていきました。

でもいよいよ具体的に考えなくては、と思い立った時、
仲間が助けてくれました。

…なんとフォロワーさんにパティシエさんが!!
夏のオススメはマスカットと桃だと教えてくれました。


男の子なのでマスカットたっぷりのケーキ!!
あんまり食べたことないけど美味しそう!!いや絶対美味しい!!

夫に相談して即決しました。
じゃぁケーキに使うフルーツはイチゴとマスカットにしようと。

でもそれ以外のデザインはさっぱりです。
私は昔からイラストやデザインが苦手なので、独創的なアイデアもなく…フルーツだけでも良いかな、とも思ったのですが、夫は出来るだけ派手にしたい様子でした。
凝るところはとことん!一生に一度だから!と。


じゃぁ…と次に頼ったのは高校時代の親友。
芸大卒、現役デザイナーがいるのです(笑)


彼女もジェンダーリビールの存在を知りませんでしたが、
説明すると話に飛びついてくれ、色んな画像を一緒に検索しつつイメージを膨らませました。

アドバイスをもらいながら自分で作った最初のデザインがこれ。(笑)

画像1

…自分でも色合いがおかしい自覚はあるんですが…

ケーキを頼むお店のパティシエさんが「見た目で性別がわからないように中性的な色を」とおっしゃっていたので、結果迷子になってしまいました。


でも大丈夫、私の親友はデザイナー。

この案を素晴らしくアップグレードしてくれました!

画像2

…もはや別物…。非の打ち所がありません。
これを印刷してドヤ顔お店に持って行きました(笑)


そして…
私のジェンダーリビールパーティは7月中旬実家で開催されました。


サプライズを、というのが夫の希望のため
「ケーキを買っていくね」とだけ事前に告げて。
(言っておかないと、姉がケーキを焼く習慣があるため…)

ちなみに…ケーキのサイズは24cm。数キロありました。

何故そんなに大きいのかというと
その日は私の両親に加えて、姉家族×2。
姪っ子甥っ子含めて総勢13人!!
子供と言っても、「あなたは小さいからケーキは無しね」とでも言おうものなら大号泣&戦争勃発しそうなメンバー。
ちゃんと全員にわたるサイズにしなくては。

“10人以上で食べられるサイズ”で調べると、一般的に8号以上必要とのこと。
そんなサイズのケーキを作れるお店も限られているようで、数店断られましたが、
最終なんとか近所で見つかって助かりました。

さてさて15時に実家に持ち込んだケーキのお披露目です。

画像3

この再現度!

気温のため少しクリームが溶けてブルーベリーが落ちちゃってますが
それでもこの美味しそうなケーキ。
みんな歓声をあげてくれました。


ケーキは私の母に切ってもらいます。
姉たちはカメラを構えてソワソワ。

…中身はぎっしりマスカット。
男の子でも女の子でも、どっちだって構わないとは思うけれど。
喜んでくれるかな、と…私もカメラを向けたその先で…


中身を見て涙を流す母。
私もつられて涙腺が弛みました。


そう。たかが性別発表。
でもここに来るまでが長かった。。


こんな日を迎えられたこと、それが本当に奇跡のように感じられ、本当に尊い瞬間で。

1年前の今頃は、1度目の採卵手術が全滅という結果に終わった頃だった。
半年前は、3度の採卵手術、1度の移植を終えて、未だ結果が出ていない頃だった。


不妊治療の沼に足を踏み入れ、いつ自分が報われるのか、報われる日が来るのか、
知る由もなかった地獄の日々。

結婚して”子供を授かった”。
一見ごく当たり前のように思えるその事実が
私たち夫婦の人生を救ってくれた。
そして些細なことでも家族で祝える瞬間を与えてくれた。


ジェンダーリビール。

まだ通過点でしかないけれど。
小さな事でもやって良かった…こんな機会を持てて良かったと心から思えました。


これを書いている今も
お腹の中で小さな命がモコモコ自己主張しています。


予定日まであと約3ヶ月。
慌てずしっかり大きくなって、元気な姿を見せてくれますように。


次回「キラキラ妊婦」


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