私の不妊治療②「最初のステップ」

2019年の5月に初めて不妊治療を受けるために産婦人科を受診した。
その頃は不妊治療の「ふ」の字も知らず、どういうタイミングで、どういう段階を踏んで、どういう治療をするものかは全く分かっていなかった。
その為、生理中に受診する(内診台にあがる)のがいかがなものかと思い、あえて生理が終わってしばらくしてから受診してしまった。

しかしながら、不妊治療経験者の中では周知の通り、不妊治療とは通常生理中から始めるもの。
最初は内診と、前回(他院)の血液検査の結果からPCOSであることを確認し、「次回の生理が始まったら5日目から飲んでね」とクロミッドの処方だけで終わってしまった。
話によるととりあえず排卵誘発法から始めるとのこと。

クロミッド錠:
女性ホルモンバランスを調整し、卵巣を刺激して排卵を起こりやすくする働きがある。
生理5日目から服用(病院による)


6月末に生理が始まり、言われたとおりにクロミッドを服用して再度受診した。
しかし内診するも排卵する傾向が全く見られない。
それでは今のうちに、とクラミジアや卵管造影の検査をした。
卵管造影検査は激痛ではなかったものの、生理痛に似たような、下腹部をぐっと押さえつけられるような鈍痛がした。

…話は逸れるけれど、私が不妊治療を始めて、初めて経験した迷走神経反射の話もしておこう。

検査後着替えを済ませて会計を待っていたところ、会計ロビーで気分が悪くなってしまう。
乗り物に酔った時のように目が回る、ほんの少しだけ吐き気がする。
その時あろうことかその場で席を立ち、会計受付に「気分が悪い」と申し出た。
しかし受付担当との会話もろくに出来ないまま…ほんの数秒で失神して倒れ込んだ。(よりにもよって受付のカウンターに額を強打してしまう)。
目が覚めた時には多くの病院関係者に囲まれて抱えられ、車いすに乗せられているところだった。ぼーっとして身体が思うように動かない。
頭も打っているため、1時間ほど寝かせられることとなった。
あとで看護師である姉に話したところ、それは確実に「迷走神経反射」であり、一番のタブーは立ち上がること。
立ち上がると血圧が一気に下がってすぐに意識を失ってしまう。気分が悪いとなったら出来る限り横になること、最低でも座っていないとダメ、とのこと。
(この後私は不妊治療中の採血で上手く針が入らなかったことがあり、2度目の失神を経験している。私の失神を目の当たりにした看護師はその後必ず私を横にさせてから採血するようになった。)


話は戻って不妊治療、排卵誘発法について。
排卵誘発法は合計4周期チャレンジした。
薬を飲んで卵胞を育て、そろそろ排卵するだろうという時に肩にHCGを打って排卵させる。
その日とその翌日にタイミングを取り、二週間後生理が来なければ判定、陽性が出れば妊娠成立、という感じ。

HCG(注射):
胎盤から抽出したホルモン。発育した卵胞を排卵させるための注射剤。

元々生理周期が遅いというのもあってか、判定日まで生理が来ないことの方が多かった。けれどもいつも内診台で「残念だけど」「子宮の中はもう生理二日目くらいになってるよ」と言われた。
治療をしているのだから結果は出るものだとその頃はまだ思い込んでいて、度重なる陰性に落ち込み、そして驚いていた。
もっと簡単に妊娠できるものだと思っていたから。


「排卵誘発法(タイミング法)はせいぜい5回までと言われている。本人の気持ち次第だけど、人工授精に進んでも良いのかもしれない」と言われ迷わず進むことを決意した。
しかしながら通院スケジュールの都合上、近くの産婦人科へ転院することになる。
転院先では体外受精もやっており、保険のつもりだった。

その頃私たち夫婦は「3万円で人工授精が出来るなら、さっさとやっちゃおう」とそれなりに前向きだった。


次回「結果が出ない日々」

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