UL(Ultra light)もいいけれど…
ここ数年の登山業界では、
登山の荷物は軽く、コンパクトにという傾向が強いような気がしています。
山を走るトレイルランナーの装備は必要最低限、10Lくらいのバックパックで登るようですし、
一般的な登山者もテント泊であっても30〜40Lのザックで登る方がいるようです。
いわゆるUL(ultra light)、
あるいはULスタイルというもので、
不要な機能や荷物を削って重量を軽くすることで登山を快適にする
より自然と近い状態になって山を楽しむ
そんな考え方が流行っているようです。
確かに軽い荷物であれば長い山行も疲れないですし行動も早くできます。
本来であれば2日かかる場所も1日で行けるかもしれませんし、
疲れない分、道端に咲いている花に意識を向ける余裕が出てくるかもしれません。
しかし大学の部活上がりで、
ULと真逆の環境で育った私は、
その傾向に意を唱えたい。
部活で買わされたのは110Lのザック、
(一般的なアウトドアショップで販売されている中でも最大級)
全盛期は30kgの荷物を背負っていました。
お陰様で大学卒業後も20kgくらいなら
無理なく背負えるようになりました。
だから20kg以上背負え、というわけではなくて…
荷物に余裕がある、
あるいは重い荷物を背負える体力があるということは、山に持っていける楽しみが増えるということでもあります。
例えば
好きなお菓子をたくさん持っていこう、
食材をたくさん上げて山の上でスペシャルなディナーを作ってみよう、
ワインでも飲んでみようか、
お気に入りの本を持って上がって山小屋で好きなだけ読む、
カメラやレンズを数種類上げて、こだわりの写真を撮る、
広めのテントで寛ぐ、
楽しみ方は色々あります。
まだ体力のある若い方が、ULだけに傾倒しているのはなんだか勿体無い気がします。
色々な山を一度に効率的に歩くのも良いですが、1つの山をゆっくりのんびり歩くのも良いものです。
年を重ねて徐々に足腰が衰えてきたら、
それに合わせて荷物を軽くして、
負担を軽くしていけばよいのではないでしょうか。
若いうちから荷物が軽いと
それ以上軽くはできなくなってしまいますから。
私も仕事柄、重い荷物を持つ機会が多いので、
トレーニングも兼ねて普段から荷物は多めに背負うのですが、
山の筋肉はやはり山でつけるのが一番。
繰り返し荷物を持って登っているうちに自然と重いものも持てるようになります。
まだ体力に余裕がある方であれば
ぜひ大きめのザックに好きなものをたくさん詰めて山を歩いてみませんか?
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