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【初心者向け】確定申告の基礎知識と節税ポイント

こんにちは。
クラウンコンサルティング株式会社で、
管理部 兼 広報を担当している、つのだ(@tsuno_bgent)です。

 2018年「働き方改革関連法」が成立され、政府は働き方改革を推進しています。その一環として「副業・兼業の解禁」が推奨され、副業を解禁する企業が年々増えてきています。さらに、コロナウィルスの感染拡大の影響でテレワークが普及され、副業への関心も急速に高まっています。
 会社員の場合、会社が年末調整を行って納税してくれているため、基本的には確定申告の必要はありません。しかし、副業で一定以上の収入がある場合は確定申告の必要があります。確定申告をし忘れた場合、ペナルティが発生しますので、まずは確定申告の必要があるかどうかを把握することが大切です。

「そもそも確定申告って何?」
「忙しいし、面倒だな」
「収入が増えたから、やっぱり税金上がっちゃうよね?」
「確定申告って何をすればいいの?」

今回は、このような疑問のある確定申告初心者の方ために、確定申告の基礎知識と節税のポイントを解説します。

確定申告とは?

 確定申告とは、1月1日~12月31日までの1年間の所得から、所得税を計算して納めるための一連の手続きのことです。所得は、1年間の収入から必要経費を差し引いた金額です。年収=所得ではありません。確定申告の申告期間は、原則翌年2月16日から3月15日までとなります。

では、確定申告が必要になるケースはどのような時でしょうか?


 個人事業主やフリーランスの場合は、基本的には確定申告が必要となります。但し、1年間の所得が48万円以下であれば確定申告の必要はありません。確定申告では所得税の計算をする際、所得から所得控除を差し引くことができます。そのひとつにすべての人が適用される「基礎控除」というものがあります。基礎控除は原則48万円(年収2400万円以下で、それ以上は変動)が控除されます。そのため、所得が48万円以下の場合は、基礎控除を差し引くと課税所得が0円となり所得税が発生しません。確定申告が不要ということになるのです。

 会社員やアルバイト・パートなどの給与所得者の場合は、会社で年末調整を行ってくれるため、個人で確定申告をする必要は基本ありません。但し、副業収入が20万円を超えている場合などは、年末調整とは別に個人で確定申告が必要となります。

以下は、確定申告が必要となるケースをまとめたものです。

確定申告が必要なケース
【個人事業主・フリーランスの場合】
⇒所得が48万円を超える場合

【給与所得者の場合】
⇒副業収入が20万円を超える場合
⇒給与収入が2000万円を超える場合
⇒給与が源泉徴収されていない場合
⇒株式投資や不動産投資で20万以上の利益が出ている場合

青色申告と白色申告って聞くけどどう違うの?

 確定申告には、「青色申告」と「白色申告」の2種類があります。シンプルで簡単なのは、白色申告です。初心者や副業でまだ収入が少ない人は、白色申告から始めるケースが多いようです。一方、青色申告は記帳などの条件があり、白色申告より少し複雑で面倒なぶん、多くの節税メリットがあります。

白色申告のメリット・デメリット

 白色申告のメリットは、事前に届出をしていなくても確定申告が必要な人は誰でも使うことができる点です。また、複式簿記を使用する必要がないため、帳簿付けの負担が軽いことや確定申告時の提出書類が少ない点もメリットに挙げられます。デメリットは、青色申告だと受けることができる青色申告特別控除(最大で65万円)を受けることができません。また、赤字が出た場合に、年をまたいで繰り越すことが出来ないため、翌年以降に黒字になっても、所得から差し引くことができないため税金が増加してしまう可能性があります。他にも、家族への給与(専従者給与)を経費として取り扱える上限が決まっています。上限額は、配偶者が86万円、その他親族は50万円とされています。
 

白色申告のメリット
・事前の届出が不要で誰でも使用できる
・記帳や確定申告が簡単で負担が軽い

白色申告のデメリット
・青色申告特別控除が受けられない
・赤字の繰り越しが出来ない
・専従者給与を控除する金額に上限がある

白色申告に向いている人
・事業収入が少ない人
・記帳など経理業務が苦手な人
・忙しくてなるべくシンプルな手続きで確定申告を終えたい人

青色申告のメリット・デメリット

 青色申告の最大のメリットは、青色申告特別控除を受けれることです。青色申告特別控除の額は、10万円・55万円・65万円の3種類があります。要件は以下になります。

1)10万円の青色申告特別控除
・青色申告をする
・不動産所得、事業所得又は山林所得で生ずべき事業を営んでいる
・簡易簿記で記帳している

2)55万円の青色申告特別控除
・青色申告をする
・不動産所得、事業所得で生ずべき事業を営んでいる
 ※不動産所得は事業的規模であるか認められる必要がある
・複式簿記で記帳している
・貸借対照表および損益計算書を添付した確定申告書を、提出期限内に提出している

3)65万円の青色申告特別控除
・2)55万円の青色申告特別控除の要件に該当している
・電子帳簿保存をしてる 又は e-TAXを使用して電子申請している

 青色申告特別控除以外にも、赤字の繰り越しが最長3年間可能になるメリットがあります。また、白色申告では上限があった家族への給与(専従者給与)も経費とすることができます。但し、設定する給与額が社会通念上妥当でなければならない点は注意しておきましょう。その他にも、30万円未満のものであれば、その年の経費として一括計上できる”少額減価償却資産の特例”なども認められます。デメリットは、青色申告をするためには、事前に税務署に申請を出す必要がある点です。また、白色申告に比べて記帳などの条件があり手間がかかる点や、税務署からの調査や指導を受ける可能性が高くなる点も挙げられます。青色申告を選ぶ場合は、節税メリットと手間や責任のバランスを考えて決めることが重要です。

青色申告のメリット
・青色申告特別控除が受けられる
・赤字の繰り越しができる(最長3年)
・専従者給与を経費にできる
・少額減価償却資産の特例を使える

色申告のデメリット
・事前に税務署への申請が必要
・記帳などに手間がかかる
・帳簿に不備や虚偽記載があると許可が取り消される可能性がある
・税務署からの調査や指導を受ける可能性がある

色申告に向いている人
・節税メリットを受けたい人


節税のポイントは?

 これまで解説してきましたが、「1年間の収入-必要経費=所得」となり、この所得金額によって納める税金が計算されます。すなわち、所得を減らすことで納める税金を軽くすることが出来るということです。活用できる節税対策があれば積極的に活用していきましょう。それでは、節税ポイントをいくつか紹介します。

・青色申告の承認を受ける!
 
白色申告より手間がかかってしまいますが、青色申告の節税メリットは大きいです。まずは、青色申告で確定申告をすることを検討してみましょう。

・事業に関わるものはすべて必要経費にする!
 
経費にできるものは出来る限り経費にしましょう。何が経費になるのか分からない場合の判断基準は「事業に関係あるかどうか」です。いくつか例を見てみましょう。

1)家賃・光熱費
 自宅で副業をしているなど、居住している一部を職場として使用しているケースも多いと思います。その場合、家賃や光熱費を按分して経費にすることが出来ます。按分の割合は、法律で決まっているわけではないので、自分で決める必要があります。一般的には、使用時間や使用日数を目安に按分します。

2)雑費・会議費
 カフェなどで仕事をしたり、お客さんと打ち合わせした場合も、経費として計上できます。不正をしていないことを証明するためにも、必ず領収書をもらい、誰と打ち合わせしたのかメモをしておくと良いでしょう。

所得控除を活用する
所得控除とは、所得から一定の金額を差し引くことができる制度です。利用できる所得控除をフル活用するだけでも、節税対策に有効です。以下は、所得控除の一覧です。自分が利用できる所得控除を確認してみましょう。

・小規模企業共済の加入を検討する
小規模企業共済とは、中小企業の経営者や個人事業主などが加入できる積立型の退職金制度です。掛金は全額所得控除され、節税対策として利用できます。また、20年以上続けていれば戻ってくるお金が元本の120%となるメリットもあります。但し、逆を言うと20年間小規模企業共済に入っていなければ元本割れしてしまうリスクがあるため、20年以上先を見通すことのできる事業の場合に検討してみましょう。

・iDeCOを利用する
iDeCoの掛金も、小規模企業共済等掛金控除の対象になり、全額所得控除となります。また、自分で運用できるので、将来的に掛金として支払った金額より多く受け取れる可能性もあります。

まとめ

 確定申告の提出期限は3月15日です。冒頭にもお話ししましたが、確定申告をし忘れた場合は、延滞税などのペナルティがあります。だからといって、ペナルティもあるし、面倒だからと確定申告をスルーしないでください。確定申告をスルーし続けていると「無申告」となり、悪質な脱税と判断される可能性があります。そうなると延滞税だけではなく、無申告加算税が加算されるなどペナルティも重くなる上、信用の低下につながってしまします。確定申告をしていなかったことに気づいたら出来るだけ早く申告するようにしましょう。そうすれば、「申告する意思がある」とみなされるため、悪意があるととられないのです。また、提出期限1か月以内に自主的に申告をすれば、無申告課税は免除される可能性もあります。この機会に今一度見直してみましょう。

今後も、皆さんのお役に立つ情報を発信していきます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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