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AbemaPrime特集「反出生主義リターンズ」視聴者のコメントにエア返信します


2024年6月12日 22:00~23:00、AbemaPrime特集「反出生主義リターンズ」が放送されました。




私は反出生主義の考え方を持つ一人として、取材協力及びスタジオトークにリモート出演させていただきました。




コメント欄に寄せられた様々なご意見・ご感想を読ませていただきました。
すべてには目を通せていませんが、特に多かったご意見や疑問の声、印象に残ったコメントに対してこの場でエア返信させていただきます。



※視聴者からのコメントを太字で表記しています。




【反出生主義に対するコメント編】



産むのがそんなにエゴか

エゴです。この世界はすべての人が安全に幸せに生きられるようには設定されていません。戦争や事件に巻き込まれる人、理不尽な差別に苦しむ人、いじめなどで苦しんで自ら命を絶つ人など、耐えがたい苦痛を被る人が一定の確率で存在します。
全員が100%安全に生きられる保証がない以上、この世界に生まれてくることは賭けであり、出産とは他人の命をギャンブルに強制参加させる究極に身勝手な行為だと考えます。


極端すぎる

たしかに反出生主義というのは、命に対して非常に潔癖な考え方ではあります。潔癖すぎると言っても過言でなく、極端であることには間違いないでしょう。
しかし命というのはとても重いものです。思考を持ち、快も不快も喜びも苦しみも感じ、生老労死を免れることができない、長いと100年以上も生きることもある人間という存在を新たに生み出すことは、非常に重い選択であり、潔癖であるに越したことはない。少なくとも、「子どもを持つのは当たり前だから」「自分専用の新品の人間が欲しいから」といった軽々しい理由で生み出すべきではありません。



悲観的な思想ですね

たしかに反出生主義というのは、現に存在するリスクや苦しみを重く捉えているものであり、明るいイメージの思想ではないかもしれません。
しかし私にとって反出生主義は決してネガティブなものではありません。むしろ反出生主義の追究とは、命の倫理を大きなスケールで深く真剣に探究することであり、非常に前向きな行動であると捉えています。



危険思想やろ

反出生主義は決して危険思想ではありません。「新しい命を生み出さない」、ただそれだけの思想です。
決して命を軽視する思想ではありません。むしろ命を非常に重いものと捉えているからこそ、全員が100%安全に幸せに生きられる保障のないこの世界に新しい命を連れてくるべきではないと考えるのです。
このまま人間が増え続けている状況に無関心でいる方が危険です。
2022年7月11日、世界人口デーに合わせて国連経済社会局が公表した報告書「世界人口推計2022年版」によると、世界人口は2058年には約100億人を超えると予測されています。
地球の人口爆発により、食糧危機、資源の枯渇、環境問題の深刻化などが懸念されています。限りある資源をめぐって争いが起こる可能性も否定できません。
出生を控えることでやさしく段階的に人口減を目指す反出生主義は、むしろ世界平和に貢献していると言えるでしょう。


ナチスかよ

ナチスが掲げていた優生思想と反出生主義は隣接分野ではありますが、中身は全く異なるものです。

優生思想と反出生主義の違いをざっくり表すならば、このようになります。

優生思想→  優秀な人間は産め。劣った人間は産むな。
反出生主義→ 優秀な人間だろうと劣った人間だろうと全員生むな。

反出生主義は究極に平等な思想であると言えます。



人口減によってインフラ崩壊したらどうするんだ

人類減少によってインフラが崩壊することは考えられます。
しかし、日本や韓国、ヨーロッパ諸国のような少子化国では、反出生主義を推し進めなくとも、このペースで少子化が進めはいつかはインフラ維持が難しくなります。
少子化対策により次世代を確保することは、インフラ崩壊、国家の崩壊といった将来必ず直面する問題を、未来に押しつけているに過ぎません。「インフラ崩壊イコール反出生主義のデメリット」は成立しないのです。



自分勝手な考えですね

反出生主義は決して自分勝手ではありません。むしろ反出生主義を追究すればするほど、この思想がいかに自己犠牲的かを感じさせられます。
シンプルに考えて反出生主義を追及したところで、すでに生まれている私たちには何のメリットもありません。むしろ不利益の方が大きいんですよ。次世代が激減すれば、文化も経済も衰退しますし、年金制度もいよいよ崩壊、インフラ維持にも黄色信号が光ります。
人生をたのしくラクに過ごそうと考えたら、反出生主義を主張しない方が絶対トクなんです。
それでも反出生主義者は、未来の地球、未来の命にとっての善を考えて思想を発信し続ける。これのどこか自分勝手だと言えるでしょうか。


他人に強制するな

現在、反出生主義は個人の思想として発せられてるだけにとどまっており、他人の生殖を阻止する強制力は持っていません。
実際に出生を阻止しようとするならば、中出しセックスの現場に乱入するとか、不妊治療クリニックを爆破するといった手段が考えられますが、それは反出生主義の本質である「苦を生み出さない」に反してしまうからです。
反出生主義者が、他人の生殖を強制的に妨害した例は聞いたことがありません。



辛いことは多いけれど昔に比べればマシにはなっているだろ

たしかに社会は少しずつ良くなっている面もあると思います。半世紀前や一世紀前と比べれば、教育レベルは上がっていますし、医療や科学技術も進歩しています。
だからといって、昔と比べればマシだと、今まさに存在する苦しみを否定することはナンセンスです。
たとえばガンを発症した人に対して、「昔に比べれば治療法はあるからいいじゃないか」と言えますか?言えませんよね。
今確かに存在する苦しみは、過去と比較したところで解決されるものではありません。


生殖に反対するのではなく社会を良くする努力をすればいいのに

もちろんすでに生まれた命がある以上、その命が生きる社会を良くしていく努力は大切だと思います。
しかし、全員が理不尽な苦しみを被ることのない安全な社会はどうやったら作れるのでしょうか。いつになったら実現できるのでしょうか。
どんなに優秀な人物も答えを出せていない、どんなに行動力のある人物も実現はできていない以上、この世界に新しい命を連れてくることは無責任であると考えます。


反出生主義を掲げられるのも生まれたからですよ

逆に言うと、産まれたからこそ考えざるを得ないのです。生まれなかったら考える必要はなかったのです。生まれたからこそ反出生主義を持つことができるとの考えは、たとえるなら「病気になったおかげで治療できる」「災害に遭ったおかげで復興にとりかかえれる」といった次元の違和感を感じます。



僕らは子孫を残すために生まれてきたのに

たしかに生物学的な観点から見てば、いきものが生きる目的は種の存続であり、それは本能と言えるのかもしれません。
しかし人間には理性があります。これまでにも人間は、避妊あるいは不妊治療、一人っ子政策、あるいは産めよ増やせよ政策など、政策や個人のライフプランで出生をコントロールしてきました。
理性を持った人間だからこそ、新たにこの世にやってくる命が安全に寿命まで生きられるのか、いつか来る南海トラフや首都直下型地震、地球温暖化、食糧危機問題、第三次世界大戦や核戦争に巻き込まれる可能性は絶対にないと言えるのか、今一度冷静に考えていただきたい。
こんなリスクある場所に新しい命を連れてくるわけにはいかないと、全員が100%安全に生きられる保障なんてない不確かな世界に新しい命を連れてくるギャンブルはしないと私たちは合理的に判断することができるはずです。



未来ある若者の希望を奪うな

反出生主義は、未来に発生しうるリスクから目をそらしていないという点において、たしかに聞いていてハッピーな気持ちになれる思想ではないかもしれません。
しかし、未来の命について、未来の社会について、真剣に考えることは非常に大切なことです。若い世代にとってプラスになりうる面は少なからずあるように思います。


出産はしたい人がして、したくない人はしなければいいだけの話ではないか

恋愛や結婚であれば、したい人がしたらいい、したくない人はしなければいい、と言えますが、出産だけはそういう次元で語れるものではありません。

恋愛や結婚は双方の同意によって成立しますが、出産は、こちらの都合で新しい命を巻き込みます。新しい命に拒否権はなく、否応もなしに産み落とされる非常にアンフェアなものです。

生まれてくることで、幸福や楽しみを感じられる可能性が生じると同時に苦しみに遭う可能性も生じます。

残念ながらこの世界は、全員が安全に幸せに生きられる場所ではありません。
他人に幸せを与える行為はやってもやらなくても構わない行為ですが、他人を危険にさらす行為はやってはいけないことです。
責任ある大人であれば、他人に危険を与えないことを第一の判断基準とするべきであると私は考えます。



脳トレには良いテーマだな

本当にその通り、反出生主義の追究は脳トレにぴったりです😊
何かに反対すること、根拠を言語化することは、非常にエネルギーを使うもの。反出生主義の文献を読んだ後は筋トレのような疲労感が脳に発生します。
私は反出生主義を支持するようになってから、読解力や言語化能力が若干上がったように思いますw
もし身近に良い脳トレ法を探している方がいれば、ぜひ反出生主義の追究をオススメしてみてください🥰




【私個人に対するコメント編】




こいつ堕胎しまくりそう

しません。そもそも生ではやりません。
またこれは反出生主義者としてではなく一個人としての考えですが、私は宿ったばかりの胎児もすでに快不快を感じうる主体、つまり一つの命と捉えています。
反出生主義は新しい命を生み出さないことを目指す思想であって、すでに宿った命を殺害するものではありません。
私にとって堕胎は殺人行為であり、避けるべきことであると考えています。



この人は両親に愛されなかったんだろうね

これはどういった意図のコメントなんでしょうか😥 
私が親に愛されたかどうかは非常にパーソナルな事柄ですのでここでは触れませんが、そもそも反出生主義とは未来の命を対象にした思想であり、すでに生んだ人や、すでに生まれた人に対してとやかく言う思想ではありません。私個人の家庭環境は反出生主義には直接的な関係はありません。


田中は何を目指してるんだ

出生を控えることで段階的に穏やかに人類滅亡を図り、最終的に地球の主権を自然界に返還することを目指しています。
人類がいなくなる、と聞くと大仰なことのように感じる人もいるかもしれませんが、長い地球の歴史から見れば人類が地球を牛耳っていた期間が、夜空にパッと開いた一瞬の花火のようなものに過ぎなかったのです。
畏れることはありません。人類誕生前の世界に戻るだけです。戦争もない、民族紛争もない、環境破壊もない、穏やかな時間がゆったりと流れる平和な地球に戻るだけです。



反出生主義なんて主張したところで叩かれるだから黙っておけばいいのに

どんなに叩かれようと発信をやめるつもりはありません♡ 
私は反出生主義者であると同時に、ある種の変態なのです。
世間の大多数から理解されない、利益にもならない思想を延々追究し、さらにはそれを言語化したものをインターネットで不特定多数に晒したい欲・・・もはや一種の露出癖と言えるものまで持っています。
身体的露出狂は犯罪ですが、思考的露出狂はマナーさえ守れば誰にも迷惑をかけません。妊産婦に中傷コメントを飛ばすわけでもなく、ただ自分のアカウントで晒し続けるだけ。読みたくない人はどうぞブロックなりミュートなりしてくださいね、のスタンスです。
これからも発信を続けていきます♡


田中さん結婚して

いちばん意味分からんかったコメントwww
「結婚しよう」は最上級の愛を伝える言葉。普段から使っていると本当に大切な人にプロポーズするときの言葉の重みが減ってしまうからやめましょう。



田中、幸せになれよ

番組の冒頭で森岡氏が触れたように反出生と反生存は別のもの。生まれてしまった事実は引き返せないので、なるベく楽しく元気に生きていく術を模索していきます。
どこぞの馬の骨か分からぬ田中の幸せを願ってくれる優しいあなたにも幸が訪れますように❣




【最後に】


今回の特集において、賛否両論多くのコメントが寄せられました。

コメントに目を通す上で、私は「反対意見=嫌なもの」と一概に捉えないように気をつけました。
決して暴言や誹謗中傷、曲解ではなく、真摯に考えた上で反対意見を書いてくださっている方も何人もいたからです。

この忙しい現代社会においてたくさんの方が貴重な時間と思考リソースを使ってコメントしてくれたことを嬉しく思ったので、今回は一部ではありますがエア返信させていただきました。




反出生主義マガジンを不定期更新しているので、この思想に興味を持った方はこちらも覗いてみてください。







明日全国各地で気温30度超えで一気に暑くなるからみんな夏バテ気をつけてね❣️