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角野隼斗の強さを知る ガーシュインピアノ協奏曲inF@あきたミルハス &その後

2023.03.26 17:30開演 あきたミルハス 
指揮:松本宗利音 ピアノ:角野隼斗 読売交響楽団

この公演から3週間以上になるわけだがまだ余韻に浸っている。そのくらい強烈な体験だった。時間が経つにつれ細かいところの記憶は薄れていくが、印象は残っているので書き記そうと思う

ガーシュインの協奏曲in Fは藤岡幸夫さんと昨年の2022.2月のツアーファイナル以来。本来であればその直後に読響さんとテレビ収録を兼ねた公開演奏が予定されていたが、ご本人の体調不良により実現せず(当日朝に小曽根真さんに代演を依頼し公開リハ含めた演奏の様子が後日読響プレミアで放送された)、ある意味リベンジとなる公演。2022.10月の読響さんとの東北ツアー(ラフ2)が素晴らしく良かったのでどうしてもこれは聴きたくて後先考えずチケットを取った。

当日、あいにくの雨だったが、開演前はホールに向かう長蛇の列。人気の高さがうかがい知れた。こちらのホール、2020.6月に開館したばかりの新しいホールで、秋田杉がふんだんに使われているとのこと。ホール内も趣があり上品で綺麗であった。駆け込み即去りだったので写真があまり取れていない…



プログラムは上記のとおり。角野さんのピアノ協奏曲は前半2曲目。今回はそこに特化して書きます。席は中央後方ブロックの2列目、前の席が空席で、コンチェルトを鑑賞するにはありがたすぎる席でした。

1曲目の小編成でのモーツアルトが終了し下手からピアノが運び込まれる。管楽器、打楽器の方々が入場。音合わせ後マエストロと角野さんが登場。お決まりの黒スーツ白シャツ裾アウトで颯爽と入られた。マエストロも長身ですらっとしていてかっこいい方でした。

ティンパニの打音からはじまるこの曲。前奏のあとピアノソロが入るのだが、いきなり譜面通りでないというか、微妙におしゃれなコードなんかが入っててこれはどんなことになるんやーと興奮してしまった。また、予測はしていたけど、読響さんの打楽器、管楽器のリズム感が良くて角野さんのピアノとピタリとはまり双方とても楽しそうだ。読響の弦部隊は編成が厚くて、弦が歌う部分はピアノはかき消されてしまうんだけど角野さんは全力で、しかもそんなに音数あったっけ?と思うようなアレンジ演奏してたと思う。(聴こえないので視覚での印象)。ツアー2023imagineでバッハとカプースチンをずっと弾いてこられたためか、「指が勝手に回るのよ、勢いが止まらないのよー」状態で弾いていて、「あーもう譜面通りだとものたりないんかな?やっちゃってくださいw」と思いながら聴いてました。1楽章終わりはオケと一緒にボルテージ上がり、立ち上がって体重乗せて弾く場面もあり圧巻。終わった瞬間会場からブワーっと拍手が沸き上がり、角野さんも会場見てニコリ。嬉しそうだった。
2楽章、ブルージーな旋律美しくて本当に好き。読響さんの金管と木管のハーモニー本当に素敵で角野さんもうっとり聴き入ってたのではないかな。ピアノが入ると一気に華やかに。楽しい楽しい。コロコロキラキラのピアノ音。後半は存分にピアノで歌い、奏でて、装飾音は流れるような絹のようななめらかさ。クラシックで培った技術を思う存分発揮。テンポも自在に間も操って完全にスタァ(あえてスタァ錦野みたいに書いてみるw)のオーラ出てました。かっこよかった。
3楽章はご存知のとおり角野さんの真骨頂。同音連打も快活に勢いに乗ってオケを引っ張る。オケもさすがで合わせてノっていく。木琴と掛け合いにになるところもタイミング、息ぴったりで打楽器ブラボーでした!ここで長めのカデンツァ入る。もうすっかり忘れてしまったけれど12月のサントリー1万人の第九の時のような息を呑むような圧巻のカデンツァ。実際ラプソのメロディーも入ったりして、どんどんボルテージが上がっていって、スピード感もあって。この後オケ入れるのか?と心配になる程。でもそこも心配ご無用とばかりに合わせる旋律でスピードコントロールしてオケの入りもバッチリだった。ドラが入ってクライマックス。弦の厚みのあるうねりに負けぬよう腰を浮かせて全身を使ってオクターブ連打。からのふっと気持ちを落ち着かす美しいピアノのスケール。最後は角野さんがペースメーカーになって、また、ティンパニのリズムコントロールも素晴らしくオケと完全に溶け合った状態でフィニッシュ!!!本当に素晴らしかった。鳥肌が止まりませんでした。

ブラボーの声が飛ぶ。秋田なだけに角野ファンは少なめ、ステンディングもそれほど多くなくでアウェー感はあったが、会場からの拍手がものすごくて感動してしまいました。上記、やっぱり長々と実況中継を書いてしまいましたが、何が言いたかったかというと、「あ、角野さん、もうコンチェルトも何の心配もないな」と感じたということ。inFは2022年2月のツアーファイナル以来1年ぶりだけど、譜面も見ずに堂々と奏でて、読響さんのサポートも大いにあると言えど、そこまで合わせる時間もなかったと思われる中でコンチェルトとして最高の出来だったと自分は感じた。去年の東北ツアーでのコバケンさんとのラフ2、あの演奏も素晴らしくて心に残ってはいるが3日目の最終日に聴いたのも慣れの面で大きかったと思う。今回は一発勝負でしたからね。でも本当にブラボーでした。オケを味方につけたのもよかった旧知の仲感があった(ように感じました)。音楽作りの関わりの中で指揮者、オケメンを虜にしちゃうのも角野さんの強みですよね。

ソリストアンコールで I Got Rhythm を弾かれましたがこちらも今まで以上におしゃれでinF組み込むなど茶目っ気たっぷり。会場を惹きつけ沸かせました。

休憩後、読響さんでドヴォルザークの新世界。ショパンコンチェルトツアーを思い出しつつ、ど迫力の弦部隊の一糸乱れぬ演奏にこちらも鳥肌ものでした。

終演後、次男と夕食後、ホテルで書いたツイートがこちら。読み返すと興奮が思い出されるので連続ツイート全部載せておきます。





余談
私としては大遠征でした。春休みで部活で忙しい長男、仕事のある夫は抜きで次男(小学校を卒業したばかり)との2人で2泊3日(有給消化笑)。コンサート前日の朝早い便で羽田から飛行機で秋田入りし、レンタカーを借りてそのまま角館を観光。レンタサイクルで武家屋敷を見てまわり楽しかった。翌日のコンサート当日は天気はいまいちでしたがレンタカーで男鹿半島に出かけ、なまはげ館と水族館GAOを観光しました。(その疲れかコンサート後半一部記憶なくしすみませんでした笑)次男くんが旅行につきあってくれなければかなわなかった遠征です。いろいろトラブルもあったけど楽しかったね。思春期入ったらなかなか二人旅はできないかも。ありがとう。

and その後

さて、本当の意味で角野さんの強さを知ったのはこの秋田公演のその後です。
翌々日の3/28(火)にはPenthouse First Physical CD発売前のYouTube生配信あり、浪岡さんと共作したLiving This Wayをガツンと披露してくださった。その後のラジオ祭りで思い知るが、この曲、殊にコアな音楽ファン、音楽関係者からの反応がすこぶる良い!そして同日25:00よりドラマ「私がヒモを飼うなんて」がスタート。ドラマで主人公スミレの相手役、ピアニスト宗一のメインテーマになるであろう劇中曲「かすみ草」を披露。どうやら弦とのトリオになるようでその譜面も書いたよう。Living This Wayからの振れ幅よ…。劇伴で雨宿りのPiano Ver.も流れ、作編曲家、角野隼斗のすごさも知る。翌日上がったご本人のツイート

で、アルバム発売翌日の3/30日はタワーレコード渋谷店でインストアライブ&アナザージャケットお渡し会(自分は遠征したばかりだったのでこちらの参加は見送り配信視聴。その一方でNHKラジオ第一で年始に放送されたRadio Cross Overが2時間まるまる再放送されるという、、、)。そして同時刻に4/6(木)の徹子の部屋に出演するというお知らせが来て訳のわからぬ状態に。極め付けその日の24:00からCDTV30周年前夜祭CDTV30周年前夜祭ののトリをPenthouse 蜘蛛の糸が締めるという破竹の勢い。3/28日付 オリコンデイリーランキング、アルバム部門第7位の朗報も入り、「あ、Penthouseももう大丈夫だ…」と謎の安心感を得る。

そして何より私が度肝を抜かされたのはこのお知らせです。

4/1の0:00に解禁になった、「子どもたちに音楽をつなぐをコンセプトにツアーで使ったスタインウェイのアップライトピアノ無償で貸します」

え?!ってなったよね。ツアー後使用したサイン入りのアップライトピアノを何らかの形で公開するとは聞いていたので、ストリートピアノのように誰でも弾けるように公開するものだとばかり思っていた。スタインウェイの高級アップライトで貴重なものだから、それ相当の管理下で、予約制かなんかで公開するのかな…と。全然違ってた。角野隼斗はもっと先、未来を見つめてた。確かに凡人の私が考えてた方法ではアップライトピアノに触れ合える層が限定されてしまうし、公開期間が終わればそれで終わり。でもこのプロジェクトではピアノを貸し出し、その扱いを企画賛同者の応募者にまかせて、ピアノ文化の種を蒔くというのだ。たしかにこの方法であればかてぃんピアノを起爆剤(広告塔)にして告知し貸出期間が終わった後も何らかの形でピアノに触れる機会が残るかもしれない。また思いもよらぬアイデアで今後のピアノを広めるためのヒントが得られるかもしれない。思わぬ偶然でこのアップライトに触れる子供たちの笑顔が想像できる。メンテナンスや公開にあたっての扱いに様々な問題が発生するのも想像に難くない。でもそれをおしてでも(ある意味ピアノへのリスクを承知で)このプロジェクトをやるんだという意気込みを感じた。そしてこのプロジェクトを推進するにあたり、なんの迷いもなくさっとPTNAに相談し、気持ちが熱いうちに実現に向けるのも素晴らしい。(角野さんは2022年度よりPTNAの理事になっています)PTNA専務理事福田さんの言葉「角野さんのやることについていく」信頼感半端ない。

4/1はエイプリルフール。でも嘘じゃなくて夢を語り実現する日にしましょう、というApril Dreamに賛同して日時を設定したのもにくい。私はフォロワーさんの寿すばるさんの3年前のツイートよりこのApril Dreamのことは知っていたので(すばるさんのApril Dreamのnoteはこちら。かてぃんピアノの告知の数時間前に上げていらっしゃいます。)、何ということ!と脳天を撃ち抜かれた気持ちで感動したのでした。(記事によると前日の3/31に青山のスタインウェイ&サンズ東京で記者会見をしてたっていうじゃない。自身のコンサートとPenthouseの活動とこのプロジェクトをどうやって同時並行に成立させるのよ。マルチタスクにも程がある。何なんよ、角野隼斗……)そして寝れなくなりFCコンサートの朝を迎える(笑)。

そう、その日は初めてのファンクラブコンサート。感動のツアーファイナルが行われた東京オペラシティで昼、夜2公演。私は夜公演に参加し、公演前に渋谷のタワーレコードに初めて行って聖地巡礼をした。Penthouseのプロモーションの規模の大きさに圧倒されたけど、クラシックコーナーに年末発売のショパンコンチェルトの時に登場した角野隼斗ブースがまだあることにも仰天した。インストアイベントの際に登場されたタワレコ社員松本さんの熱意もあるでしょうけど、おそらく売れ行きも良いのであろう。そのくらい角野隼斗の音楽は世の中に浸透しているのだと思うと胸が熱くなった。夜公演、ダブルヘッダーでお疲れと思うがほぼ全員がファンのイベントということでリラックスしてMCも交えながらオール自作編曲の1時間余りのコンサートを楽しませて下さいました。先日公開された「かすみ草」も。プログラムの曲のバラエティの豊かさ、1台のピアノで奏でる音色の音楽の多彩さに「あらためてすごい人だなこの人は、ファンになれてよかった…」と最後方から感慨深く見つめておりました。(個々の感想はじきにFCサイトに模様が上がるでしょうから割愛)

翌日は日中に2022年11月放送のグレングールドのラジオが再編成で放送。このラジオとても面白かったのでかじりついてまた聞いてしまった。角野さんも出番あるしね。J-WAVE のTokioHot100ではPenthouseの蜘蛛の糸がジャンプアップの12位!浪岡さんのラジオ出演も立て続けでラジオのタイムフリーなど聴きながら次男の部屋を作るべく片付け掃除に励んでいたら、かてぃんさんからのツイート。最初何のことか分からず情報たどって坂本龍一さんの訃報を知る。「あー会えなかったか…」がわたしの一番最初に思ったことでした。かてぃんさん坂本さんリスペクトはかてぃんラボ初回のオンライン配信(2020年6月7日Tong Pooの転調、映画音楽について)での中で熱く語っていて知ってましたし、LEOさん伊藤ハルトシさんとのコラボで「1919」の動画アップもあった。フジロックで千のナイフ入れてたし、2023Reimagineツアー千秋楽の直前に題名のない音楽会での企画、「放送2800回記念 巨匠・坂本龍一からの伝達(メッセージ)」があり、そこでAndataをピアノとパイプオルガンで披露されていた。(3/20のツアー振り返りのラボ内で1月の収録だとおっしゃってました)そしてその夜に千のナイフの動画を自身とチャンネルにアップ。もう会うのは時間の問題ね、と思ってた。一方、3月に月一のRADIO SAKAMOTOの番組終了のお知らせを知り、聞いたところ坂本さんのメッセージ代読で終わり肉声はなく、相当お加減悪いのだなとも感じていた。(12月の世界配信のピアノライブが映像で見られるお姿の最期だったかしら。だいぶお痩せになって病院勤務で看取りを行なっっている自分には大体察しがついたものです。)なので訃報に際し事実を受け入れつつも受け入れたくないもうちょっとタイミングがよければなぁなんて思いを巡らせたりして。自分のようなものがガクッときたのだから、角野さんにおいてはどれほどのショックだったか…明日のFC大阪公演は大丈夫かな…皆が口に出さないも思ってたことでしょう。

翌日Twitterの界隈はなぜか静かで。でも終演後、現地の方の報告でアンコールで自分のために弾かせてくださいといって坂本龍一さんのAquaを弾かれたことが伝わってきました。やはり言葉にするよりピアノで語るんだよな。思いを外に出せてよかった。この日がファンクラブのコンサートで本当によかった。

でもそれだけでは終わらなかった。翌日何の告知もなく上がったAquaのアップライトピアノでの演奏動画。眼鏡で着のみ着のままでただただそこに想いを置きにいった感じ。自分のために弾いたとは思うけど、動画を共有することでコンサートに行けなかった全世界のかてぃんファンに想いを共有してくださった。本当に優しい方だと思う。ちょっとウルっときましたよね。それを受けての自分のツイートはこちら



動画アップの翌日4/5角野さんは台湾へ向けて立たれました。4/7、8と台湾高雄で2つのラプソディ(ラフマのパガニーニとガーシュインのラプソディ・イン・ブルー)のピアノ協奏曲。行かれた方の報告によると、パガももブルーもインプロ・アレンジしまくりのノリノリだったらしい。(inFあきた公演を聴いたので想像に難くない笑)ピアニカも登場して、初日のソリストアンコールはピアニカありで人生のメリーゴーランドとI Got Rhythm、2日目はきらきら星だったようです。プログラム後半のダンソンになんとピアノで参加したらしい。サプライズ!!!角野さんらしい…笑。現地そりゃ大興奮だわ!その後限定200人のサイン会。その様子も動画でアップしてくださった方がいて、老若男女問わず目を見て笑顔で対応(羨ましすぎる…笑)。このプログラムの後で…すごい人だ!そりゃ惚れるわ!大盛況の2日間、お疲れ様でした。

台湾に旅立つ同日にCASIOさんからお知らせが。米カルフォルニア州アナハイムでの楽器の展示会NAMM SHOW のCASIOブースにて演奏と!しかも翌々日にホセ・ジェイムスさんと共演と追加のおしらせが!ついにアメリカで公の場で演奏されるのか!しかも共演!配信あり!と胸が躍る。そして台湾留守番のわれらにお土産をおいていく角野さん。4/6徹子の部屋。徹子さんの神ナビゲートで30分に盛りだくさん。情報過多で初見の方はおいていかれるなぁ笑。グランドピアノで木枯らし、トイピアノと2台でチムチムチェリー、アンコールで子犬のワルツを抜粋で。ブラボーでした!で、番組内で告知。徹子の部屋クラシックに出演と!これは見たい!徹子さんに会ってみたい!(小学生でトットちゃんを読みベストテンを見ていた世代である)チケットとりが始まる…留守番チームもいろいろ忙しいのである笑。

4/7夜、あらたな告知が!TokyoFMラジオ、稲垣吾郎さんの番組THE TRADで(2022年7月ガーシュイン回はリモートで、12月スタジオ生出演で角野さんは共演済み)4/10の坂本龍一追悼特集に出演とのこと!わ!これは白羽の矢が立ったってことか!吾郎さんスタッフさん、かてぃんチャンネル見てくださっているんだ…。え?!て事は台湾→日本→アメリカか。世界的アーティスト感が……お仕事受けたんだね角野さん。ラジオ当日は吾郎さんが別の場所からリモート出演でしたが、角野さんの切り口で坂本龍一さんの音楽を語りました。先日のYouTube動画Aquaの演奏がラジオでかかりました。ラジオ生出演の後、アメリカへ出発する角野さん。忙しい…。

そして迎えたNAMM SHOW配信。日本時間4/15(土)AM7:00。マスタードイエローのnew Privia PX-S7000でCASIOブースでの演奏。まずは角野さんの編曲「I Got Rhythm」でご挨拶。電子ピアノでこれ弾くの難しそうだけどすごいわね。MC入り、角野さんがホセ・ジェームスさんを呼び入れる。ホセさん「ジャズ、R&B、ポップシンガーです。レジェンドから若い人までコラボして音楽大好き。今日は若い彼Hayatoとのコラボを楽しみにしている。2日前に会ったばかりだけど音楽という共通言語で情熱を共有できる。何がすごいって、彼はクラシックからきてジャズもできる。両方できる人はそう多くない。」角野さん「ジャズは勉強中です」ホセさん「僕もだ。昨日合わせをやって、即興してみよう、2人にとって新しいことをしてみよう、ってなった。どんなサプライズが出るかお楽しみに!」(意訳です)そして始まる即興演奏。ホセさんのカウントからいきなりボイパ始まった。超絶かっこいい。何だこのグルーヴ感。パーカッションと歌とDJ(ターンテーブル操る)自身の口で同時にやるホセさん。高音低音で音色を分けて2役こなす角野さん。途中で音色をピアノにして曲調変化。ピアノソロを促されて合いの手入れてもらって超絶技巧披露する角野さん。会場で歓声上がる。ホセさんの歌詞に東京出てくる。Love Love Love…リズムが心地いい。フェードアウトしていって溶け合ってフィニッシュ。驚いた、なにこのセッション…まさしく対話してた。潜在能力引き出されてた。現地のプロ中のプロと演るってこういう事なんだ…MCの後ホセさんの自作曲Trouble のセッションで終了。骨抜きになった当日の私のツイートはこちら(2曲目に特化してつぶやきました。アーカイブが消されっちゃったのでクリップ動画は見られません。)後日の再アップ動画も1週間限定なので翌日のCateen's Piano Liveの動画を置きます。2人の演目はTrouble、Just the Two of Us。ホセさん登場から頭出し。


さてこのLiveの当日夜にお知らせあり、翌日にチャンネル内でプレミア公開と。待ちに待った自作曲「追憶」のMV公開でした。3/15に閉店したePlusの渋谷Livinng Room & Dining での撮影。どうやらワンカット一発撮り。ツアーで大役をになったかてぃんピアノ(アップライトピアノ)でで暖かみのある映像と演奏。2022年のツアーで聴いた時のような焦燥感悲愴感(ショパンコンクールへの想い)はなく、あの時の自分を懐かしんで会話するような感じ。越えたんだな、と安心した。この内声と対話するような音を奏でるかてぃんピアノはどこを旅してどんな出会いを得るのでしょうね。「お前、行ってこいよ。しばらくお別れな。」とピアノの背中を押しているようにも思えました。ところで後日のラボで一発撮りにしてはおかしなところが一箇所あると言っていました。どこだかわかるかな?置かれた楽譜や動画アップの日付に意味を持たせるなど謎解き要素も満載ですよ。

そして同日こちらも手元に届きました。English Journal。月刊誌が2023年1月に一旦休刊となり音声ダウンロード付き書籍となり不定期再発刊。その第1号の裏表紙に角野さん!1971年創刊、半世紀にわたる著名人のインタビュー50人の言葉に続いて角野さんの見開き1ページのお写真に見開き2ページ半に渡るインタビュー。何じゃこれチーン。どういう経緯で英語雑誌本に抜擢されたの?記事を読み進めていくと角野さんの言語に対する向き合い方の変化が紐解けてなるほどな内容でした。自分も英語を勉強したいと思える記事だった。最後に4月からはニューヨークに滞在とな!?!?!!!

翌日ご本人からのツイートでいよいよ現実となる。ニューヨークに住みますって。ことあるごとに留学したら?武者修行に出ちゃえなんてたきつけていた私ですが、いざ現実となると動揺。表向きはアレですが本心は「え〜行っちゃたの〜?まじかぁ…」頭ではわかっていても寂しいです。YouTubeでの出会いは息子を通じたドッキリ動画。2019年当時演奏ジャンルはPOPs、ゲーム音楽が中心。ピアノは超絶うまいしリズミカルで勢いのある演奏は、吹奏楽部、ポップス上がりの私の性に合った。知れば知るほど“人となり”も何か隣に住んでるお兄ちゃん的な感じで。音高、音大出のピアニストと違って一般人の感覚に近いというか、勝手にそんな感じで応援してたんですよね。あれよあれよという間に人気者になり、遠い存在になりつつあるもコンサートに行けば会えるという安心感があった。ピアニストとして進化し続ける彼を追いかけるのが、会場で生の演奏を聴くのが楽しかった。自分に海外生活経験がないのも大きいかなぁ。知らない世界に行ってしまう。アメリカニューヨーク行ったことない。遠いなぁ。

でもニューヨークと聞いて嬉しいというか妙に納得感もありました。かてぃんさんのピアノ、幼少期に培った演奏技術はもちろんだけど、他にはない輝きは何と言ってもリズム感と即興性。中高時代のバンド活動(ドラム)と音ゲー、東大POMPでの多ジャンルな音楽と膨大なアレンジ、研究で培った新規性を求める思考。直接関係ないこれらのバックグラウンドがクラシック弾くときにもとても生きるんですよね。そしてリズム感と即興性、まさしくJazzの世界。かてぃんさん、共感力も高いので、向いていると思う。なにしろJazzの方々とのセッション、楽しそうだしね!

かてぃんさんを追いかけていると事あるごとに出てくるバークリー音楽大学。中学の時に憧れて真似をしていた小曽根真さん、大学の時に指導してもらってた宮本貴奈さん、EIKOとERIKOさん等々。昨年ノリで行ったニューヨーク笑。写真家のOgataさんのエスコートで短期間ながらとてつもない経験だったんだろうな。トランペットの黒田さんとは現地で会ってセッションしJazz Auditoriaで披露されてたっけ?Big Yukiさんとか海野さんとかもNY在住でしょうか?現地のJazzミュージシャンたちとの交流、今後は日常になるんですね。

自分的には奇しくも坂本龍一さんの追悼番組をたくさん見るチャンスがあったのもNYを身近に感じられる要素になっていた。当時パートナーだった矢野顕子さんが、候補はカルフォルニア、ニューヨーク、パリとあったんだけど、大好きなジャズクラブがあるニューヨークにしようとたきつけたのだそうw(NHK EテレスイッチインタビューMISIA×矢野顕子より)。音響クリエーターとかそういう方面の方とも知り合う機会ありそうですよね!ヨーロッパにも近いし、ジャンルレスに活動するにいい場所だと思う。そしてこの4月からNHK FMでジャズ作曲家の挾間美帆さんのラジオ番組が始まったのもタイムリーでした。バークリー音大出てそのままNYに在住している挾間さんのお話は今のニューヨークを肌で感じられてとても嬉しいです。毎週の楽しみになっている。今週の第2回放送は坂本龍一追悼回で、一緒に仕事をした挾間さんの視点からの坂本さん、初めて聴くお話で興味深かった。

語学留学を兼ねて、とおっしゃってました。耳もいいしすぐに慣れるだろうねかてぃんさん。他者との交流でより人間性の輝きが増すところもある人なので、冗談を言い合えるような英語力が身につくとまた世界が変わると思います。ピアノという共通言語があるしね!

何もない引越したてのお部屋からのラボ配信を再び見ている。これだけ多岐に渡る活動があると日本にいるとオファーがひっきりなしでそりゃ忙殺されますわ。かてぃんさんだから出来ちゃってた訳で、他の人ならとっくのとうに潰れているでしょう。あの忙しさの中、自問し、決断し、準備をして華麗に隼の如く飛び去った。もうかっこいいとしか言えません。そして新居に置くピアノを選びにNYスタインウェイに行く(インスタストーリー)。スタインウェイアーティストとして行く…。副賞貸与のピアノを選んでる頃には夢にも思わぬ未来でしょう。3台あるうちの唯一のNY製のスタインウェイを選んだのも、こうなると何かの運命に思えますよね。ご自宅に入る新しいニューヨーク製スタインウェイでの演奏を楽しみにしています。



そして私事ですが、応援の仕方も少し変わるかなぁと思ってます。かてぃんさんが音楽家を目指し大学院を卒業する頃コロナで世の中が停滞する2020年3月、我が息子は長男が中高一貫校の中1、次男は小3(中受選択せず)で受験の凪期、応援出来ちゃう環境にあった。3年経って現在高2中1となりこちらに応援をシフトしなくてはいけません笑。また、頼り切っていた両親の介護も浮上してきて、ライフステージが違って来ました。この3年で自分が広く浅くな性分で応援体質なのもあり、いろんな音楽家、音楽番組、音楽コンクール(国際も含む)、音楽フェスをを知ることが出来た。しかもジャンルレスに。これかてぃんさんじゃなきゃ絶対無理。(WONK、Vaundy、香取慎吾さん、ドリカム、藤井フミヤさんの生パフォーマンスを見ることができたのは一生の思い出)蓄積した膨大な音楽の世界で、角野さんに特化せず一期一会を大切に自分の生活にあった応援をしよう。雑多なツイートになると思います。かてぃんさん中心は変わらないと思うけど。こちらの沼はかてぃんさんの気質を受けてか、雑多な人種が寛容に多様性を認めて好奇心旺盛にわちゃわちゃしているのがとても好き。息抜きに変わらず出没しますのでどうぞよろしくお願いします。(ショパコン3次発表の日のツイートです)




最後に、2020年6月初めてのかてぃんラボLive配信後の私のツイートを置いておきます。坂本さんの音楽を愛し坂本さんのいたニューヨークへ!Life is improvisation !!かてぃんファイティン!!!