すきまをあける
こう見えて、教職免許を持ってます。ペーパードライバーならぬ、ペーパーティーチャーだけど。
中高国語科と高校芸術科書道。
学生の頃、書道科の授業があって、けっこう真面目にやっていた。
画像は、その頃の模写で、空海の風信雲書という名筆だ。
いまではもうこんな風に書けないけど。
書道は、白い紙に黒い墨のみで描く。
あえて、白い余白を残す。
すきまをあけておく。
西洋画は画面をすべて塗りつぶす。
日本の文化の大きな特徴だなぁと感じる。
敬愛するジョアン・ジルベルト
ブラジル人でボサノバの神様みたいな人だが、彼の音楽もまた、声とギターのみで白い余白がある。
西洋人には珍しい感性。
日本人に愛される理由は、和の心を感じられるからかもしれない。
ジョアンのボサノバに教わった事は、昔やっていた書道とつながっていた。
自分も音楽をやっているけど、昔はバンドサウンドで音の壁をどう作るか、を考えていた。
最近は、年を重ねたせいもあり、こんなふうに思う。
音を詰めこみ過ぎず、
余白を残しておくにはどうしたらいいか
音を響かせると同時に、その音が消える瞬間の余白を大事にする。
書道の真っ白な紙のような、
音のしない無音のすきま。
流れるように筆を動かして、最初は真っ黒の文字が、だんだんかすれていく。筆の墨が少なくなって、薄い部分が出てくる。
遠くから見てみると、遠近感が生まれる。
楽器は音を鳴らすものだけど、音を響かせて消す方が難しい。
音をとめる、ミュートから、リズムが生まれる。
余白を作り、すきまをあける。
無音が音楽を作る。
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