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M-1グランプリ2020も楽しかったよねという話

お笑い好きもそうでない人も見るM-1グランプリ、今年も最高に楽しかったですね。

今年はGyaoに加えてYouTubeでもネタ動画が公開されてユーザに見やすい構造になったと思います。

本大会の結果の考察

マヂカルラブリーが優勝というのは正直大会前では予想はできませんでした。何年も前から準決勝には進出しているものの、王道漫才からかけ離れた彼らのスタイルは、お笑いを見慣れたファンは笑って、初見さんは置いていくというイロモノ枠でした。僕も毎年マヂラブのネタは楽しみにしていて、好きなフレンチが決勝で評価されてとても嬉しかったです。あとは算数のネタが好きです。

さてさて、そんなイロモノ枠だったマヂラブが優勝する以外にも決勝1本目の1位はピン芸人ユニットのおいでやすこがになるなど、少しイレギュラーな結果になったと思われます。その原因を一お笑いファンのただの素人が考察を書いてみたいと思います。

1.M-1決勝常連組の勇退/欠場

和牛、かまいたち、スーパーマラドーナなどの2015以降のM-1を支えた常連組が芸歴制限や欠場や功績が大きかったところがあると思います。しゃべくりならかまいたち、コント漫才なら和牛、一方がコントイン外からツッコむスーパーマラドーナ、あとは伏線回収などの誰もが見ていて気持ち良い漫才というものが確立されたことが大きいと思います。
この3組のネタに被らずに正統派漫才をする余地がなくなってきているとも考えられます。どうしても正統派漫才を見ると、上記3組の下位互換になってしまうということを避けるために全漫才師が模索しているのだと思います。その結果本大会では、正統派漫才のアップデートよりも邪道漫才の新鮮さが上回ったと言えるでしょう。

2.コロナ禍による舞台数の減少

これはいろんな芸人さんなどの関係者の話でしか聞いてませんが、無観客の予選やアクリル板越しやソーシャルディスタンスを保った漫才など、明らかに漫才士の勘を鈍らせる状況だったようです。

トムブラウンが地方の営業で「ダメ―!」で頭をひっぱたく代わりにティッシュを詰めたゴム手袋を投げつけていたようです

明らかに例年に比べて舞台数や観客数の減少などによって生の感覚を得ることが難しかったんじゃないのかなと。その分、しゃべくり漫才では微調整が必要だと聞く細かい間の取り方などの修正をする回数が少なくなったため正統派漫才の仕上がりが難しかったということが考えられます。

3.コロナ禍で薄っすら漂う現状に対する不満の打破

これは完全に個人の考察です。今世間的に閉塞感が漂っています。それをぶち壊す何かをM-1には期待する感じが漂っていたのではないのでしょうか。M-1の煽りVTRにも、日常生活では必須とされているマスクを漫才師が舞台袖で外すシーンが取り上げられており、なんとなくM-1の舞台は日常とは一線を画した場所であることが暗示されているかのようでした。
この非日常に期待する感じが、動きや大声というものを前面に出したマヂラブやおいでやすこがが爆笑をかっさらった要因と見ることはできないでしょうか。

気のせいかもしれませんね(笑)


以下は個人的に面白かったコンビを残したいと思います。

本大会の予選で面白かったコンビ

①9番街レトロ

「俺だってお前がおもろいって思うことおもろいって思いたいねん!」「俺が滑ってる間に逃げろ!」などのパワーワードが炸裂するよしもとの神保町芸人。既に劇場人気はすごいらしいですね。M-1用のネタが一つしかなかったらしいので今後に期待です。今年はYouTubeに力を入れていたそうです。決勝行ってパワーワードかましたら激売れしそうな感じです。

②黒帯

「阪急電車に一例をしない」に一票が入るだけでこんなにも面白くなるんですね。ニューヨークと同期で、関西芸人としては珍しく企画系のYouTubeに力を入れているので是非。
他のネタも見ましたが、何かを発表する形式の漫才が多くてシンプルに大喜利が強い印象を受けました。

③カナメストーン

声が最高。来年も大声枠があるなら彼らに決勝行ってほしいし、決勝行ったら爆発する気がする。

④モグライダー

何度かネタを見たことがありましたが今回の5・4・3・2・1・ひろみのネタは初めて見てお腹抱えて笑いました。

⑤キュウ

こちらは敗者復活まで完全にノーマークだったコンビ。「めっちゃええやん」のフレーズは聞いたことはある程度。敗者復活のネタの「ヨーグルト」はなんで、ヨーグルトの話をしたいのか、なぜそれを邪魔するかのようにゴリラであいうえお作文をしているのか、という意味は分からないけど笑ってしまうお二人の空気感が最高に好きで、投票もしました。

⑥シンクロニシティ

「ボケの女性は元晴天サンティね」と言うことで古参アピールができることでおなじみ。今回の英語のネタは吉岡さんのキャラにしっかりハマっていて面白かったです。

⑦真空ジェシカ

もうすでにだんだんとコアからマスへの人気が出てきているネクスト金属バット・ランジャタイ状態。今センスあると思われたい人は真空ジェシカを好きと言ってそう。
街ブラのネタは「こんな商店街は嫌だ」の大喜利詰め込みセットでセンスが爆発していたと思います。そして2つの伏線も意識させずに張ってきれいに回収されて心の底から笑いました。

⑧怪奇!YesどんぐりRPG

ここ数年彼らの予選動画を見ることが毎年の楽しみになっています。一応は漫才の形式をとって一発ギャグの詰め合わせを見ます。。

⑨ちょこっと団

ナイスアマチュア賞に出てきた謎の女子大生コンビ。とにかく一回見てしまうとクセになる。なんだよ寄り目がちなマッチョって。


以上、今年のM-1の振り返りでした!また来年が楽しみです!

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