シャニアニ一期の感想文

 映画館で1~4話を見たときの感想文( https://note.com/tsunatsuki9196/n/nfba6594eeed8 )を、「第2幕も楽しみですね」で締めてたんだね。いやまさかこんなことになるとは思わなかったよ。フフ。
 ウソですちょっと盛ってました。

全体としての印象

 作品自体が面白かったかというとまあ面白くはなかった。あまりに無風すぎて心の引っかかるものがない。アイドルたちがニコニコしながらウフフ…ウフフ…ってしてるのが延々続くなあ…という感想。
 こだわりのようなものは見えてはいたし、なんか制作側がこういう意図を持って作ったんだろうなってのは伝わった、気がする。答え合わせができないので気がするだけだけど。

 1幕見た時は「高山P思想出しすぎでは~?」と思ってたけど、今となっては「高山Pはなんでお前の思想注入しなかったん?」って首をひねってる。ヴイアラの番組に出たときに、「毒にも薬にもならないコンテンツは嫌だな」って言ってたじゃない…シャニアニにもそのポリシーを通してほしかったんだがなあ。

 とはいえ、他のアイマスアニメのように、シャニもアイドルたちが事務所内外でてんやわんやの大騒動を起こせばよかったのかといえば、それはもうシャニマスではなくなってしまうので難しいとこではある。カフェテリアに籠城したり、Pに黙ってグッズ発注したり、黙って闇営業したりするようなトラブルは「シャニマス」ではないので。

多用されすぎた空気感

 個人的に「やっぱここが良くなかったんじゃないかな」と思うポイントは、先に触れた通り「アイドルたちがニコニコしながらウフフ…ウフフ…ってしてるのが延々続く」演出。
 作品として「アイドルたちを可愛らしく書く」「息遣いを大切にする」といった命題を抱えてたんだろうという推察はできるし、事実1幕のそういった部分を見て「シャニマスらしさ」を感じていたんで、間違いじゃあないんだが、あまりに多用しすぎていた。なものでテンポに緩急のない、ゆるゆる間延びした話が延々続いてしまったんではないか。
 空気感を醸し出すにしても、ポイントをもっと物語のコアとなるシーンに絞って、普段はテンポアップしてコアの補強に務めてくれればマシだったのではと思います。素人の意見ですが。

WINGはもっと何とかならなかったんか

 もうひとつ良くなかった、とても残念だった部分がWING回なんだが、ホントもっとちゃんとやれなかったのか。
 まずドキュメンタリー番組がよくない。WINGに挑む新人アイドルという構図なのに、内容はこれまで通りの薄いやり取りしかないので、大一番に向かってる雰囲気が全くないし、本番に向けて活かされた様子も全くない。Pが仕事した感を出すためのアリバイ作りにしか思えない。
 本番も、歌唱シーン自体がダイジェストなのは百歩譲って許すとしても、ステージパフォ→敗退、を4組がぬるぬる繰り返すだけなのは、ハッキリ言って工夫が足らない。
 でもって、落ちたその場では涙を流してても、ドキュメンタリーを見るときはワクワクしながら待ってるんよ。あっさりすぎない? かーーーーっ! WINGばそんな軽かもんかね!?
 敗退自体はむしろ妥当なセンなんすよ。余計な序列つかないし。あと「enza版始めたての頃を思い出した」って言ってる人もいたし。ただ、それを淡々とこなしてしまってるのは、勿体ないなあなんて穏便なコメントでは済ますことが出来ないなあ。

 なので、ぼくのかんがえたさいきょうのWING編はこうです!
 6話Aパ! 改めてWING挑戦に向けて、もっとパフォーマンスを磨かないとと意気込む283プロ!
 6話Bパ! 一生懸命レッスンに打ち込む283プロ! まだまだ自分たちの力は及ばないかもしれない、でも精一杯をぶつけるんだ! という姿勢を見せて、いざ本番へ!
 7話Aパ! WING本番! 各ユニットのパフォーマンス! 余裕のなさそうな表情だったり、ちょっとミスしてるようなカット! そして強そうなNPCが会場を盛り上げてるとこを見せる!
 7話Bパ! 敗退という結果に落ち込む各々だが、Pが各自の反省点(←重要)と良かったところを上げてフォロー! そしてシャニマス得意のSNSの評判で持ち上げ! みんなの魅力は多くの人たちに届いてるんだ! もっと多くの人に届けるために、次の空へ羽ばたこう! 事務所単独ライブだ! ウオオーーーしごできP!!! 社長もベタ惚れよ!
 くらいはやれなかったもんかと。

 WING周りが特に顕著だけど、シャニアニはアイドルにもPにも真剣味が見えない足りないのが自分の抱く不満であるのだなと、これを書いてて気付きがありました。考えをまとめてみるの、だいじ。

閉じすぎている世界

 さいきょうのWING編で強そうなNPCを出せと書いたけど、シャニアニは事務所の外側が全然描かれない。ちょっと薄ら寒いくらい世界が283プロの中だけで閉じてるのも何だかなあと思う。
 1幕はまだ各ユニットの仕事のシーンだから外部の人がいるけど、2幕以降事務所の外の人との関わり合いが全くと言っていいくらいない。
 ホント外側にちょっとでも他の人間を描いてほしかった。WING編で背景にイベントスタッフがいるとかさ、合宿所にも近所の人が見に来るとかさ。それだけでもリアリティが全然違った、世界が確かにそこにある感覚が生まれたんではなかろうか。
 この「外側に人が生きている雰囲気がない」のが、この作品になおさら空虚な印象をもたらしてしまうんではないかと思う。

1stライブの描写について

 個人的には11,12話は悪くはなかった。11話の引きがちょっとヘタじゃないかと思ったのと、全体曲の思い出ボムがまあ威力ないよね…ってなったけど、それ以外はまあまあ。バベルシティの「アンティーカ!」はやってほしかったけどね。
 とはいえこれは、自分の1stライブの記憶に補完されている感覚もあるので、客観的に見てどうだったかはちょっと評価できない。霧子ちゃんのマイクちゃんと入ってた?

 12話で満を持しての感じでMulticolored SkyをEDに使ったけど、ハッキリ言って11話までのインスト曲使用が機能していたとは言い難いし、1話から使った方が全然良かったのでは。 

果たしてノクチルは機能するのか?

 二期はスタッフにちょっと手が入ったそうなので、なにか一期の内容を受けてのフィードバックがあったことを希望したいのだけど、最初から実質的に分割2クール制作の計画だったように見える辺り、あまり期待できてない。
 そして、仮に一期の反省が大なり小なり活かされるとしても、根本的なところで悲観的にならざるを得ない部分がある。
 果たしてノクチルは機能するのか。

 enza版の印象で語ると、ノクチルの火力源って浅倉・樋口とPとの個人的な関係性だと考えている。
 一方で、一期は概ねユニット単位で動かされていたところもあり、夏目Pはアイドル個人との関わりをほぼほぼ持たない距離感で終始した。Pドル要素は4話の凛世が僅かに見せるのみで、他のPドル勢はツーショットすらなかったと思う(あったらすみません)。
 となると、その距離感が踏襲される限り、浅倉樋口は武器を完全に奪われちゃうんじゃないだろうか。雛菜の毒もノクチルの枠に収まったままでは発揮できないし。小糸ちゃんはかわいい。

 そうしたストロングポイントを発揮できずに、一期のアルスト辺りのような雰囲気で動かされると、なんか突然生えてきた、4人でテキトーにやってますグループという感じにしかならなさそうで、本当にどうなるものなのかと、なあ。


 というわけで! 二期も楽しみですね!(ハチャメチャに持った締め)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?